イントロダクション
原作は1973年に英国カーネギー賞とガーディアン賞をW受賞したリチャード・アダムスによる児童文学。1978年に英国で初のアニメ映画化された本作は、児童文学のアニメーション映画化ながら決して子ども向けの内容ではなく、野ウサギたちに待ち受ける苦難と残酷な現実、人間たちによる乱開発により滅びゆく野生動物、外敵との血生臭い闘いなどが容赦なく描かれた。また、主題歌は元「サイモン&ガーファンクル」のアート・ガーファンクルが担当。心が洗われるような瑞々しい歌声は映画の世界に素晴らしくマッチしている。
日本では1980年7月に夏休み映画として初公開。当時は畑 正憲(ムツゴロウ)による日本語監修で吹替え版のみの上映だった(主題歌は井上陽水によるカバー)。
原作の評価は時代を超え、1998年にはテレビアニメ化、日本でも2000年代にNHKのBSとカートゥーン ネットワークなどで放送された。そして近年、2018年にNetflixとBBCの共同製作でアニメーションミニシリーズ(全4話)が配信され、こちらも人気を博した。ちなみにNetflix版の主題歌はサム・スミスが手掛けた。
今回、1978年に製作されたオリジナル劇場版をHDリマスターにより45年ぶりに劇場上映。単なるクラシカル・アニメではない、現在にも、現代にこそ通じるメッセージを「うさぎたち」の視点でリアルな描写で描いた英国産傑作(カルト)アニメーションである。
時代を超え、観た者の心を捉えて離さない傑作アニメーションをスクリーンで堪能して欲しい。
ストーリー
英国バークシャー州に、サンドルフォード繁殖地というウサギたちの巣穴があった。ある日、そこに棲むウサギで予知能力をそなえたファイバーがこの地に災害が迫っていることを予言。彼の兄であり、彼の“能力”を認めているヘイズルは村の長に避難を提案したもののとりあってもらえず、上士(幹部)ビグウィグの助けも借りながら何羽かのウサギたちと村を脱出する――。
人間たちによる「喰われるためだけ」の養兎場、将軍による「軍国主義的な統制」を敷く繁殖地……、理想郷を探す彼らの旅の前に立ちふさがるのは予想もしない世界だった。
(原題:Watership Down、1978年、イギリス、上映時間:93分)
キャスト&スタッフ
声の出演:ジョン・ハート、リチャード・ブライアーズ、マイケル・グレアム・コックス、ジョン・ベネット、ラルフ・リチャードソン、サイモン・カデル、テレンス・リグビー、ロイ・キニア、リチャード・オキャラハン、デンホルム・エリオット、ゼロ・モステル、ハリー・アンドリュース、ナイジェル・ホーソーン、ハンナ・ゴードン、クリフトン・ジョーンズ、マイケル・ホーダーン、ジョス・アクランド、メアリー・マドックス
監督・脚色・製作:マーティン・ローゼン
アニメーション監修:フィリップ・ダンカン
アニメーション監督:トニー・ガイ
原作:リチャード・アダムス
編集:テリー・ローリングス
音楽:アンジェラ・モーレイ、マルコム・ウィリアムソン
歌:アート・ガーファンクル『Bright Eyes』
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@Usagi_Movie2024
公開表記
配給:アーク・フィルムズ
11月30日(土)より シネ・リーブル池袋、シアター・イメージフォーラムほか全国公開
(オフィシャル素材提供)