最新ニュース

『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち HDリマスター版』著名人よりコメント到着&本編映像一部解禁

© 1978 WATERSHIP PRODUCTIONS LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

 1978年に制作されたイギリスの傑作アニメーション映画『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』が、『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち HDリマスター版』として、いよいよ11月30日(土)より、シネ・リーブル池袋、シアター・イメージフォーラム、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸、アップリンク京都ほか全国順次公開される。

 原作は、イギリスの作家リチャード・アダムスが1973年に英国カーネギー賞とガーディアン賞をW受賞した名作児童文学。1978年にイギリスで初めてアニメーション映画化。日本では1980年7月に夏休み映画として公開。当時は畑 正憲(ムツゴロウ)による日本語監修で吹替え版のみ(主題歌は井上陽水)の上映だったが、今回は日本初となる待望のオリジナル音声+日本語字幕での上映となる。
 ※ 今回の上映は「字幕版」のみ。

 本作は、傑作と名高い児童文学を原作にしたアニメーション映画でありながら、決して子どもだけに向けた内容ではなく、可愛らしい野うさぎたちに待ち受ける苦難と残酷な現実、人間たちによる乱開発により滅びゆく野生動物、外敵との血生臭い闘いなどが容赦なく描かれており、世界中で今もなおカルト的な人気を誇っている。
 ※ 因みに、同じ原作を元に1998年には本作の監督マーティン・ローゼンがプロデュースし、イギリスとカナダの共同製作でテレビアニメ化(全39話/3シーズン)。日本でも2000年代にNHKのBSとカートゥーン ネットワークなどで放送された。そして、2018年には、ジェームズ・マカヴォイやニコラス・ホルトなど人気俳優が声を務め、NetflixとBBCの共同製作でアニメーションミニシリーズ(全4話)が配信されている。

 この度、ギレルモ・デル・トロや小島秀夫など初公開時に大きな影響を受け、今回の劇場上映を心から喜ぶ、各界の著名人の方々から推奨コメントが到着。初公開時に手塚治虫が寄せた貴重なコメントと共にお届けする。
 幼少期に観て衝撃を受けた方々は今見なおすと、どんな感情になるのか。また今回初めて本作に触れる方はこの衝撃の名作に出会える喜びを感じてほしい! コメントは以下の通り。

コメント一覧

ギレルモ・デル・トロ(映画監督)
 『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』は人生の分岐点となった映画だ。

小島秀夫(ゲームクリエイター)
 高校生の時に劇場公開された『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』(1978)は衝撃作だった。イギリスからやって来た凶暴な“うさぎたち”のアニメは、原作を未読だった兎年の僕にはトラウマにもなった。児童文学などで描かれていた兎の概念を吹き飛ばす内容だったのだ。あの“うさぎたち”が45年ぶりにHDで帰ってくる! 
 しかも挿入歌も音声もオリジナル音声版なのだ。さあ、大人になった今、また“うさぎたち”の穴に墜ちてみよう。

古川登志夫(声優)[1980年初公開時に吹替を担当]
 格調高い映像と音楽、この作品にフィットする日本語版のセリフは、技巧的であってはなるまいと思ったのを覚えています。 初めて映像を観た時、画面全体が、彩度を落とした草木染めのようなリアルな色調で、樹木や草花も精緻に描かれ、日本画の様だと感じました。登場するうさぎたちは、言葉を除くと、造形、色彩、動き、表情などは、極端な戯画化や擬人化が無くあくまでリアルで、残酷なシーンなども容赦なく描写される。次々と襲いくる危機、波乱万丈の物語の進展は早く、一気に惹きこまれました。 「強い者が偉い」!として、万物の最高位に君臨する人間へのアンチテーゼのようにも見える《弱者であるうさぎたちのユートピアを目指す苦難の物語》は、しかし、人間社会の縮図でもあるのでしょう。

長江俊和(監督・作家)
 まるで夢のなかにいるかのような映像体験でした。自分がうさぎになって冒険の旅に出たかのような……。でもそれは決して楽しいものではありません。くり返される殺戮と転生。時には残酷で、時には神々しく。

氏家譲寿(ナマニク/文筆家・映画評論家)
 残酷さや社会的なメタファに目がいきがちだが、ウサギたちが静かに“ブラック・ラビット”に迎えられるさまをみるにつけ、運命と死は荘厳なものであると感じる。何も恐れる必要はない、ただ想いと共にひたすら前に進めばいいのだ。

涌井次郎(新宿ビデオマーケット店長)
 天使の歌声が響く中に描かれる舞いが、観る者を向こう側へと誘ない、白昼夢のような心地よさと、このまま連れて行かれそうな怖ろしさを同時に覚える。アニメーションでこそ表現し得た生と死の境界線、その繊細な美しさ。

手塚治虫(漫画家)[1980年初公開時パンフレットより]
 映画が始まったとたん「ガーン」とハンマーで叩かれたようなショックをうけましてね、ウサギの伝説ではじまるプロローグの部分の絵に、まずまいった。そのあと、物語部分を10分ほど観ているうちに、切々と「人生のシガラミ」……といったものが伝わってくる感じで、だんだん泣けそうになるのですね。……で、2回半、観ちゃいました(笑)。

 今回あわせて解禁となる本編映像の一部は、うさぎたちの物語に入る前の冒頭部分で、創世神話を描いている。地球上の草食動物たちは、最初皆似たような形で仲が良かった。しかし、うさぎたちの数が増え、草を全て食べつくししまい、他の動物たちが困ってしまう。創世者フリスは、「仲間を統率しなさい」とうさぎの王エル=アライラーに告げるが、彼は「自分たちが世界一強いんだ」と全く話を聞かない。怒ったフリス様は、ほかのあらゆる動物たちに特徴を与え、うさぎを襲うキツネや犬、ネコ、タカやイタチに変えていく。周りが危険な敵ばかりになって、やっと自分の愚かさに気づいたエル=アライラー。そこで、フリス様はうさぎにどんな生き物よりも速く走れる強い後ろ足を与えるのだった……。

 1978年に製作されたオリジナル劇場版がHDリマスターにより45年ぶりの劇場上映! 時代を超え、観た者の心を捉えて離さない傑作アニメーションをスクリーンで堪能して欲しい。

公開表記

 配給:アーク・フィルムズ
 11月30日(土)より シネ・リーブル池袋、シアター・イメージフォーラムほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました