2024年12 ⽉20 ⽇(⾦)にテアトル新宿、ユーロスペース、丸の内TOEIほか全国公開となる映画『⽕の華』。この度、本作を⼀⾜先に鑑賞した各界著名⼈17 名からの激励コメントが到着!
さらに、本編より壮絶な戦闘シーンと隠蔽に巻き込まれる⾃衛官の苦悩を捉えた、スペシャル映像「もし“戦闘”に巻き込まれたなら……編」と新場⾯写真が解禁となった。
心に傷を負った元自衛官に迫る、隠蔽された過去の闇とは――
実際の報道に着想を得た “平和国家”の暗部に斬り込む衝撃作
PKO(国連平和維持活動)のため南スーダンに派遣された⾃衛官の島⽥東介。ある⽇、彼の所属する部隊が現地傭兵との銃撃戦に巻き込まれる。同期で親友の古川は凶弾に倒れ、島⽥はやむなく少年兵を射殺。この前代未聞の“戦闘”は、政府によって隠蔽されてしまう。それから2年後、新潟。悪夢に苛まれる島⽥は、危険な武器ビジネスに加わりながら、花⽕⼯場の仕事に就く。親⽅の藤井与⼀や仲間の職⼈たちに支えられ、⼼に負った傷を少しずつ癒していく島田。しかし、花火師の道に一筋の光を⾒出した矢先、島田に過去の闇が迫る……。
2016年に実際に報道された「自衛隊日報問題」を題材にした映画『火の華』は、元自衛官の壮絶な経験とその後の宿命を克明に描いた完全オリジナル・ストーリー。日本映画ではほぼ扱われることのなかったPTSDの深刻さを見据えながら、<戦う>ということや<平和>の在り方、そして人間の本質までを問いかける。
監督は、長編デビュー作『JOINT』(2021)で新藤兼人賞銀賞に輝いた小島央大。長編2作目となる本作では、企画・脚本・編集・音楽までを手がけている。主人公の島田には、『JOINT』でも主演を務めた山本一賢。元自衛官の葛藤と再起を等身大で演じ、圧倒的な存在感を放つ。さらに二人の盟友キム・チャンバが『JOINT』に続いてプロデューサー・出演者として加わり、才気溢れるチームが再集結した。主題歌は、⼤貫妙⼦&坂本⿓⼀の「Flower」。光と闇の境界を儚げに歌う声⾊と美しい旋律が、映画の世界を引き⽴てる。
登場する打ち上げ花⽕は、⻑岡花⽕ほか世界クラスで活躍する花⽕師の監修の元、全て実写で撮影している。また、元⾃衛官やジャーナリストに数々の取材を敢⾏。徹底したリサーチ、細部までリアリティを追求した撮影と演出によって、⾃衛隊や武器、花⽕師の世界が忠実に再現されている。
⾃衛隊⽇報問題を題材にしたチャレンジングなテーマ、徹底リサーチに基づく圧巻のリアリティ、主演・⼭本⼀賢の凄まじい役作り――
各界著名⼈が、⽇本映画の常識を覆す規格外の魅⼒を絶賛!!
2016年に実際に報道され、防衛省・⾃衛隊に対する信頼を揺るがした「⾃衛隊⽇報問題」を題材にした重厚でチャレンジングなテーマ、⾃衛隊や武器の世界など細部までリアリティを追求した撮影と演出、⽇本映画ではほぼ扱われることのなかったPTSDの深刻さ、クランクイン前に遺書を書くほど覚悟を決めた主演・⼭本⼀賢の凄まじい役作り。予算や撮影時間、ロケ地など何かと制約の多い⽇本映画の常識を覆す魅⼒を放つ本作のマスコミ試写では⼝コミが⼝コミを呼び、毎回⼤盛況となっている。
この度、いち早く本作を鑑賞した相⽥冬⼆(Bleu et Rose/映画批評家)、会⽥ 誠(美術家)、新井英樹(漫画家)、ISO(ライター)、⼤沢伸⼀(⾳楽家)、岡⼭天⾳(俳優)、折⽥侑駿(⽂筆家)、児⽟美⽉(映画⽂筆家)、⼩林 節(慶⼤名誉教授・憲法学者)、⼩⼭修⼀(南スーダン派遣施設隊 10 次要員 元幹部⾃衛官/1 等陸佐)、佐藤 究(⼩説家)、瀬々敬久(映画監督)、ダースレイダー(ラッパー)、藤原季節(俳優)、Bose(スチャダラパー)、森本晋太郎(トンツカタン/お笑い芸⼈)、⼭崎雅弘(戦史・紛争史研究家)ら総勢17名の各界の著名⼈からの激励コメントが到着した。
戦史・紛争史研究家の⼭崎雅弘は、「⼈間の矜持を必死に保とうとする主⼈公の姿は、動乱期の⼊り⼝に⽴つ⽇本⼈に、鉄の味がする現実を突きつける」、直⽊賞作家で、先⽇『幽⽞F』が第37回柴⽥錬三郎賞を受賞した佐藤 究は、「⽇本では稀に⾒るリアルな“戦場”映画だ。背広や制服を着た者たちが会議室で進める“戦争”とはかけ離れた、⽣⾝の隊員が味わう“戦場”の重み」と、センセーショナルな側⾯を持つ本作の姿勢や覚悟を称賛。さらに、本作の舞台にもなっている2016年の南スーダンで実際に派遣施設隊として任務に就いていた元幹部⾃衛官の⼩⼭修⼀は、⾃⾝の経験と劇中の台詞に「何かあの瞬間と重なるものを感じた。現場の隊員には、政治的な解釈や政治家への忖度は関係がない。あるのは、⽬の前の現実をどう受け⼊れるかだけだ」とコメント。
⼀⽅、俳優の岡⼭天⾳は、「“映画”を観ているという喜びに打たれる映画でした。登場⼈物たちの息遣いが、現実で対⾯する実際の誰かのそれよりも、⽣々しさを伴って迫ってくる」、俳優の藤原季節は、主演・⼭本⼀賢の壮絶な役作りに触れ「僕がこれまで観てきた邦画演技の⽂脈とは明らかに違う。まるでクリスチャン・ベールのような存在感と説得⼒。必⾒」と絶賛。映画⽂筆家の児⽟美⽉は、「わたしたちが真に“平和”を守っていくために、果たして何ができるのか。 切なる祈りが込められた魂の傑作が、今ここに華ひらく」と、⼩島監督が本作に込めた平和への祈りに賛辞を送るなど、『⽕の華』がいかに多⾯的な魅⼒を持つ作品であるかを物語るようなことばが並んでいる。
これは単なる“フィクション”なのか?
壮絶な戦闘シーンと、隠蔽を強いられる⾃衛官の苦悩を捉えたスペシャル映像「もし“戦闘”に巻き込まれたなら……」編&新場⾯写真も解禁!
解禁となったスペシャル映像「もし“戦闘”に巻き込まれたなら……」編では、武⼒衝突に遭遇した⾃衛官たちの壮絶な体験と、その後、⽣き残った⾃衛官たちが強いられる過酷な運命を描いた特別予告。2016年、実際の記録映像を交えながら、南スーダンにPKO派遣された⾃衛隊員の笑顔の姿がドキュメント・タッチで捉えられた冒頭から⼀変、駆け付け警護に向かった⾃衛隊部隊が戦闘に巻き込まれるシーンが映し出される。⾃らの⼿で少年兵を殺め、仲間を失い、⾃責の念に駆られる主⼈公の島⽥。上層部に「全てを隠すというのであれば、⾃分はどう償えば良いんでしょうか」と訴えかけるが、「耐えろ。我が国の平和のためだ」と隠蔽を強いられてしまう。唇を噛み締め⾝を震わせる島⽥の姿が最後に映り、⾃衛官の背負った宿命に胸が締め付けられる映像となっている。
あわせて解禁となったスチルでは、笑顔を向ける⾃衛隊員や⼀⽅で銃撃戦に巻き込まれる前の緊張感漂う様⼦など南スーダンでの⼀幕が捉えられている。果たして、本作で描かれることは現実に起こったことなのか? 単なる“フィクション”と謳うにはあまりに真に迫る、渾⾝のフィルムが誕⽣した。
映画『⽕の華』は、2024年12 ⽉13 ⽇(⾦)新潟県先⾏公開、20 ⽇(⾦)テアトル新宿、ユーロスペース、丸の内TOEIほか全国公開。現代を直視する視点と、映画ならではの醍醐味に溢れた本作を、ぜひスクリーンで体感してほしい。
激励コメント
相⽥冬⼆(Bleu et Rose/映画批評家)
⼤きくて⼩さな映画だ。満天を⾊づかせる⼤花⽕が実は無数の線⾹花⽕で出来ていること。⼩さくて⼤きな映画だ。
この世界は 光と闇がつくるモザイクかもしれないが 空を⾒上げれば花が咲く。綺麗な⼣暮れを⽬のあたりにした時。わたしはこれからも想い出す。『⽕の華』の閃光と永遠を。
会⽥ 誠(美術家)
⾃衛隊が外地の戦闘で実際に死者を出したら――という真摯な思考実験から紡がれたストーリー。これからの⽇本社会を担う若い世代の製作陣による、タイムリーでチャレンジングな企画。あと個⼈的には、そんな緊張感漲る国際政治と、のんびりしたロケ地・新潟のギャップも⾯⽩かった。
新井英樹(漫画家)
⼤⼩、美醜、祝い弔いの様々な⽕が花、⽔、夢とともに織りなす哀しみと⾄福の時間。怒涛の展開、緻密な脚本、リアルで繊細な⼼情や息遣いにも驚く! 傑作『JOINT』の⼩島央⼤がスケールアップして普遍の祈りに⽕を灯し、打ち上げた!
ISO(ライター)
PKOで南スーダンに派遣された陸上⾃衛隊員の25⼈に1⼈がPTSDを疑われているという。そんな語られてこなかった傷と、覆い隠されてきた不都合に光が当てられるときがきた。男は⽕薬の使い⽅を問われる。華を描いて⼈を笑わせるか、鉛を⾶ばして⼈を殺めるか。観客は映画の⾒⽅を問われる。ただの虚構と観るか、その背後にある事実に⽬を向けるか。
⼤沢伸⼀(⾳楽家)
⼈⽣で起こる偶然と必然、全部並べて演算しても、納得のゆく答えやアルゴリズムを知ることなんて出来ない。 ロマンティックで、時に残酷な現実が変化しながら終わりに近づいてゆくだけ。⾊とりどりの炎を放ちながら消え落ちてゆく花⽕のように。
岡⼭天⾳(俳優)
何とも⾔えない気持ちになる忘れ難い画がたくさんあって、「映画」を観ているという喜びに打たれる映画でした。登場⼈物たちの息遣いが、現実で対⾯する実際の誰かのそれよりも、⽣々しさを伴って迫ってくるようでした。 ⼈々が⽣きるこの世界を、監督が切り取った「映画」でもっとたくさん観てみたいです。
折⽥侑駿(⽂筆家)
プロメテウスは「⽕」を盗み、⼈類に「死」をもたらした。問題は扱い⽅を誤った、私たちのほうにある。ではもしも、その扱い⽅が違っていれば──。『⽕の華』は、そんな“if”の世界のあり⽅を願う映画なのだと思う。打ち上げ花⽕は下から⾒上げるにかぎるだろう。それも、みんなでだ。
児⽟美⽉(映画⽂筆家)
同じ⽕薬の爆発⾳であっても、場所が変われば⽇本では美しさに胸を振るわせる⽂化の⾳となり、戦地ではそれは⼈の⽣命を奪う殺⽣の⾳となる。 わたしたちが真に「平和」を守っていくために、果たして何ができるのか。 切なる祈りが込められた魂の傑作が、今ここに華ひらく。
⼩林 節(慶⼤名誉教授・憲法学者)
政府の⾒解では、⾃衛隊は、「軍隊」ではないから、PKOで派遣されても現地で「戦闘」はできない。だから、「⾮戦闘地域」にしか派遣されていないはずだ。しかし、現実には戦闘は向こうからやって来る。「殺されるか殺すか?」その覚悟もさせられずに派遣される⾃衛官は「⼈間」である。その問題を⾃分事として考える時が来ている。
⼩⼭修⼀(南スーダン派遣施設隊 10次要員 元幹部⾃衛官/1等陸佐)
忘れもしない2016年7⽉、南スーダンの⾸都、ジュバにおいて⺠族間の争いから政府軍と反政府勢⼒との間に激しい武⼒衝突があった。当時、私は⾃衛隊南スーダン派遣施設隊の⼀員として、国連PKOに従事していた。「これって完全にアウトでしょ(PKO参加5原則上という意)」あまりの銃撃、砲撃の凄まじさに、私の傍にいた隊員が本⾳で呟いた。劇中の⼀⾔「マジかよ。何が⾮戦闘区域だよ。もう戦場だろ」に、何かあの瞬間と重なるものを感じた。現場の隊員には、政治的な解釈や政治家への忖度は関係がない。あるのは、⽬の前の現実をどう受け⼊れるかだけだ。
佐藤 究(⼩説家)
⽇本では稀に⾒るリアルな“戦場”映画だ。背広や制服を着た者たちが会議室で進める“戦争”とはかけ離れた、⽣⾝の隊員が味わう“戦場”の重み。銃撃戦のあとにも“戦場”は追いかけてくる。それを経験した⼈間が、のちにどう⽣きるかまでもふくめて“戦場”なのだ。役者、銃器、花⽕、⾳楽の織りなす独特の緊迫感に魅⼊られて、スクリーンに釘づけになった。
瀬々敬久(映画監督)
花⽕で⽇本とスーダンを繋ぐ。フィクションとドキュメンタリーを越え、ナチュラルな描写に突然、虚構度の⾼い物語が⾶び込んでくる。いや、既にこれは虚構ではないと眼前に突きつけられる。越える。繋ぐ。結びつける。今、必要な何かがここにある。
ダースレイダー(ラッパー)
この映画のどの部分を“フイクション”と考えるか? 夜空を鮮やかに彩る花⽕の⼀瞬の“本当”の影に、職⼈たちの⽇々の営みがあることを想像する視点で改めて社会を⾒る。
藤原季節(俳優)
「元⾃衛官が闇に堕ち、密造銃の⽕薬欲しさに花⽕師になる物語」
僕はこのあらすじを何⼈に嬉々として語ったことだろう。まず、⼭本⼀賢という俳優から⽬が離せなかった。僕がこれまで観てきた邦画演技の⽂脈とは明らかに違う。まるでクリスチャン・ベールのような存在感と説得⼒。必⾒。2024年は、どうかこの『火の華』で締め括っていただきたい。僕はこの、煙となって夜の闇に消えてしまいそうな儚く哀切な映画を、⼀夜の思い出にはせずしっかり⼼に捉えて⼤切にしたい。だから絶対に応援すると決めた。
Bose(スチャダラパー)
我が国のエンタメでは敬遠されそうな重いテーマ、静かに流れる⽥舎の⾵景と⼈間関係、そして夜空に映える花⽕の美しさと儚さ。 映画館に⾏って暗闇の中で集中してこの映画を観ることが出来たら、SNSやスマホゲームで与えられるような短い興奮や喜びではなく、しっかりと⾃分と向き合って、打ちのめされたり気づいたりする、充実した時間を得られるだろうなと思いました。
森本晋太郎(トンツカタン/お笑い芸⼈)
今までの⼈⽣すべてを以て受け⽌めなければならない作品。⽣半可で作られていないのが分かるからこそ、⽣半可な気持ちでは観られない。 ⾃分が置かれている環境によっては、誰にでも感情移⼊できてしまいそうな危うさがそこにはあった。それだけ正義というのは移ろいゆくもので、それ故に多くの⼈が今もなお苦しんでいる。 ただ、どうか我々が聞く⽕薬の⾳は、いつまでも花⽕でありますように。
⼭崎雅弘(戦史・紛争史研究家)
安保関連の法改正がなされるたび、⼀歩ずつ実戦に近づく⾃衛隊。隊員が「軍⼈」となった時、どんな世界が彼らを待ち受けるのか。戦場から離れても頭から消えない闇と恐怖。発砲と花⽕、⼆種類の⽕薬の燃焼が交錯する中で、⼈間の矜持を必死に保とうとする主⼈公の姿は、動乱期の⼊り⼝に⽴つ⽇本⼈に、鉄の味がする現実を突きつける。
公開表記
製作・配給:アニモプロデュース
2024年12月20日(金) テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開
12月13日(金) 新潟県先行公開
(オフィシャル素材提供)