イベント・舞台挨拶

『他人は地獄だ』公開記念舞台挨拶

© ヨンキ/LINE Digital Frontier・2024 映画「他人は地獄だ」製作委員会

 登壇者:八村倫太郎(WATWING)、栁俊太郎、岡田結実、三浦健人、鈴木 武、星 耕介、児玉和土監督

 映画『他⼈は地獄だ』の公開記念舞台挨拶が11月16日(土)、東京・シネマート新宿で行われ、ダブル主演の⼋村倫太郎(WATWING)、栁俊太郎、共演の岡⽥結実、三浦健⼈、鈴⽊ 武、星 耕介、メガホンを取った児⽟和⼟監督が登壇した。

 原作は、韓国発のWEBコミックで、⽇本ではLINEマンガで2018年8⽉から連載が始まり、国内累計閲覧数で7000万views(2024年8⽉時点)を越える⼈気作品で、世界8ヵ国語で配信され、全世界で累計閲覧数9.8億views(2024年6⽉時点)を記録。2019年にはイム・シワン、イ・ドンウクという韓国2⼤スターで連続ドラマ化され、その年の話題作となった。映画『他⼈は地獄だ』は、そんな超モンスター原作を⽇本における完全ローカライズしながらも原作のエッセンスは純度の高い形で抽出し、緊張感あふれる⽇本のサスペンス・ホラーとなっている。

 本作がついに公開された心境を尋ねられると、地方より上京してきたユウ役を演じた⼋村は「(今年の)5〜6月くらいに撮影してあっという間に公開になったので、僕はあまり実感がないですけど、SNSとかで『おめでとう』という声をたくさんいただいて、ようやく“公開になったんだな”って気持ちになりました」と吐露し、「もうちょっと時間が経ったら“ヤバい……。主演だ!”って実感が湧いてくると思うんですけど、今は久しぶりに監督やキャストの皆さんとお会いできて、今日皆さんが来てくださって嬉しいなという気持ちのほうが大きいですね」と率直な思いを語った。

 一方、シェアハウス「方舟」の住人たちのリーダー的存在であるキリシマ役を演じた栁は「自分も今(実感を)味わっています。こうやってお客さんの前に立って実感できて、ここからどういうお言葉をいただけるのかなと思うと楽しみですし、こうやってみんなに久々に会えて懐かしいなという感じもありながら、ここから映画が巣立っていくんだなと思うと、非常に感慨深いです」としみじみと語り、児⽟監督は「『映画は戦場だ』と言った映画監督がいるんですけど、映画を撮っていると精神的にも肉体的にも大変なときがあるんですけど、戦友が公開2日目にこうやって集まってくれて感無量ですし、この6人がスクリーンの中でどういう表現をするのか楽しみにしていただければと思います」と目を輝かせた。

 改めて、自身の役柄の紹介を求められると、八村は「ユウは上京して(岡田演じる)メグという彼女がいて、その彼女のところに行って“追いつけ追い越せ”くらいの勢いで、東京で成功を目指して頑張るぞと意気込んでみたもののうまくいかず、とあるシェアハウスに流れ着き、混乱に巻き込まれていくキャラクターです」と説明し、栁は「キリシマはめちゃくちゃかわいらしい……」とコメントすると、八村から「違う!違う!違う! どこがっすか?」と突っ込まれたが、栁は「俺だよね、ヒロインって。ヒロインを演じさせていただきました」と続けて観客を笑わせた。

 これに、ヒロインでユウの恋人・メグミ役を演じた岡田は「彼女役のメグなんですけど、準ヒロインみたいな感じなんですかね(笑)」と栁のトークに乗っかって笑いを誘いつつ、「彼女役として支えさせていただく役を演じさせていただきました」とコメント。カンジ役を演じた三浦は「ユウ君の大学の先輩で、僕の会社に入ってもらうという役だったんですけど、人生で1度は会ったことがある嫌な先輩みたいな感じですかね」といい、マル役を演じた鈴木は「シェアハウス『方舟』の住人なんですけど、非常に真面目で実直な男だと思っています。キリシマに対する関係性を見てもらえると、まるで忠犬ハチ公のようなかわいらしさがあると思います」と栁に負けじとかわいさをアピール。ゴロー役を演じた星は「シェアハウスに住んでいまして、ユウさんを悪気なく追い詰めていく役ですね」と不敵な笑みを浮かべた。

 また、演じる上で大変だった点や、気をつけたことを尋ねられると、栁は「監督と衣装合わせの段階で、どことなく違和感をつけたいという話をしていたので、人間味のなさというか人形感みたいな、変な違和感とか絶妙な動きを意識して作り上げたんですけど、それは難しかったですね。人と対峙したときに人間味が出ちゃうので、そこを抑えながら恐怖に持っていければなと思いました」と答え、八村は「キャラクターが濃い面々が揃っていて、その中でユウは1番普通でいなくてはいけないなと思いました。ただ、普通でいることの難しさがあって、変に意識してしまったんですけど、監督が指導してくださったり、お話をさせていただく中で、作り込みすぎず、ユウは周りの環境に影響を受けて変わっていく人間なので、そこと素直に向き合いました」と明かした。

 そして、岡田は「少しでもメグとユウが出たときに、癒しの時間になればなと思いながら演じていたんですけど、児⽟監督が本読みのときに『母性をいっぱい出してほしい』っておっしゃっていたのを胸に、一生懸命演じました」と語り、三浦は「あるシーンで気持ち悪く見られたいなと思いまして、そのシーンのために頑張って10kgくらいウエイトアップしたんですけど、ジムで鍛えているときが1番頑張っていましたね」と打ち明け、八村から「確かに気持ち悪かったです」と太鼓判を押された。

 同じ質問に、鈴⽊は「表情管理ですかね。アイドルみたいなことを言って申し訳ないんですけど(笑)、普段、映画などを撮影する際は形にあまりこだわらず、中身の部分を突き詰めていくことを重視しているんですけど、今回はホラーですし、特徴あるキャラクターだったので、原作を見て、物語に存在する人間にしないといけないので、見え方はすごくこだわりましたね」と話し、星は「シェアハウスの住人4人がいいバランスを取ってユウさんを追い詰めていくのが1番理想なのかなと思っていたんですけど、皆さん素晴らしくて暴走しちゃっていたので、そのバランスが大変でした」と回顧すると、八村から「(星が)1番暴走してましたよ」と突っ込まれた。

 さらに、本作のキャッチコピーである“悪夢のシェアハウスへようこそ”にちなみ、自身の“悪夢と感じた出来事”について聞かれると、「多々ある」という八村は「家だからよかったんですけど、お手洗いに行って紙がないことに気づきましたね。最悪でした。頑張って芯を……」と告白し、岡田は「やだー!」と悲鳴に似た声をあげ、栁は「すげー! 頑張ったんだね」と感嘆。続けて、栁は「それさ、(芯の)薄皮みたいなの剥いだの? どういう使い方したの?」と興味を示すと、八村は「紙という素材があればあるだけいいので、ちぎって……」と答え、それ以降、絶対にトイレット・ペーパーを切らせてはいけないと肝に銘じ、ネット通販で購入していることを明かした。

 一方、栁は高校生の頃にバレーボールをやっていたことを明かし「練習中に着地をしたら“バキッ!”って音が体育館中に響いたんですよ。俺の左足の脛が折れたんです。そこから気を失って、結局、疲労骨折だったんですけど、今まで頑張ってきたものが、その日に全部水の泡になったという……。しかも大会の前に……。悪夢でした」と悲しげな表情を浮かべたが、「それを糧にいま頑張って生きています」と胸を張って拍手を浴びた。これに八村も「僕もですよ。それを糧に」と便乗し、笑顔を見せた。

 岡田は「バラエティで絶対にウケるだろうと思って、V終わりまで溜めて言ったひと言が“シーン”ってなった瞬間の芸人さんの顔。“この子を助けなきゃ”という必死な表情は、何回も夢で見ちゃうので悪夢ですね。朝の情報番組とかで暴走しちゃうタイプなので……」と苦笑しつつ、「まあ、自分の父(岡田圭右)がスベっているので、メンタルは大丈夫です!」とあっけらかんと答えた。

 そして三浦は、高校時代の体育祭のリレーが、バトン・リレーではなく俵担ぎリレーだったそうで「あのときは俯瞰的に自分を見ても、“俺、何やってるんだろう”って悪夢がありましたね」と回顧し、鈴木は「失恋したときですね。あれは悲しい出来事ですね。それだけ全力で恋をしていたということなんでしょうかね」と遠くを見つめ、日頃から薄着の役が多いという星は「裸に近い薄着で、真冬に日本海に面した崖に立たされてエア・ギター的なことをしたときは悪夢だなと思いました」と平然と話した。

 最後に、締めのコメントを求められると、栁は「先ほどは役柄のことでふざけていろいろ言いましたけど、本気でみんな力を合わせて、皆さんに怖いと思っていただけるような作品を、熱意を持って1ヵ月突っ走って頑張りました。それを皆様にやっとお見せできることができて、心から嬉しく思います。ここからは皆様のお力もお借りして、映画がもっともっと大きくなっていくように、ご協力いただけたらなと思います」と呼びかけ、八村は「ご覧になっていただけたらびっくりすると思います。前振りかの如く、(同舞台挨拶では)みんなボケまくっていましたが、初主演を務めさせていただいて、懐の大きな皆さんに支えられて乗り切れたと思っています。この作品が自分の初主演の作品でよかったなと心から思っていますし、怖いし、何よりも物語が最後にいくにつれてどんどん面白くなっていくので、激しい描写もあるんですけど、最後までゆっくり楽しんでください」とアピールした。

公開表記

 配給:イオンエンターテイメント
 グランドシネマサンシャイン 池袋、イオンシネマほか全国公開中

(オフィシャル素材提供)

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