イベント・舞台挨拶

『満ち足りた家族』ジャパンプレミア

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 登壇者:チャン・ドンゴン、ホ・ジノ監督

 映画『満ち足りた家族』のジャパンプレミアが都内で行われ、主演のチャン・ドンゴンとメガホンを取ったホ・ジノ監督が舞台挨拶に登壇してクロストークを行なった。

 5年ぶりの映画出演、久しぶりの来日で黄色い声援で迎えられたチャン・ドンゴンはやさしい微笑みをうかべながら「こんばんは。チャン・ドンゴンです」と日本語で挨拶。続けて、「久しぶりに作品を持って日本のファンに直接会えて嬉しいです」とコメントして、会場から大きな拍手を浴びた。

 本作は、ある事件をきっかけに完璧な家族が崩壊していく姿が描かれるサスペンス。満ち足りた日々を送る家族の運命が狂い始める……。弁護士の兄・ジェワンをソル・ギョング、弟で小児科医のジェギュをチャン・ドンゴンが演じている。

 2023年のトロント国際映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、約1年間で20以上の映画祭で入選を果たし話題となった今作。韓国では昨年秋に公開され、大ヒットを記録している。

 チャン・ドンゴンは「海外の映画祭では、文化の違いがあるにもかかわらず、たくさんの良い評価がもらえました」と充実の笑顔。また、「日本で公開され、観客の皆様が本作をどう観るのか、とても楽しみでワクワク、ドキドキしています」と続けた。

 本作へのオファー時を振り返り「今まで自分は、ゾンビや殺し屋など、非現実的なキャラクターを演じることが多かったのですが、今回演じたジェギュは非常に現実的なキャラクターで、そこに興味を持ちました。シナリオも面白くて、ホ・ジノ監督が演出することで、いい作品になると確信しました」ときっちりと伝えた。

 演じたジェギュについては「ボランティアにも熱心でとても道徳的、でも裏側に隠れた本性がある人物」と分析し、「ジェギュの本性や弱点を少しずつ映画の中で出していけるので、とても楽しい作業でした」と話した。

 ホ・ジノ監督とのコラボについて、「『八月のクリスマス』を観て、いつかご一緒したいと思っていました」と話し、『危険な関係』で初タッグを組んだ。「『危険な関係』はオール中国ロケでした。ホ・ジノ監督の新しい演出スタイルにはとても苦労しましたが、とても興味深い現場でした」と振り返った。

 また、ホ・ジノ監督については「俳優をリラックスさせてくれる監督」であると話し、「粘り強く取り組む監督だけど、僕たち俳優をよく理解してくれる。頼もしい援軍を得たという気持ちにさせてくれる監督です」と笑顔で伝えた。「『危険な関係』のを撮影する15年ほど前に、東京ドームで行われた<韓流四天王>というイベントで、その映像をホ・ジノ監督がディレクションしてくれたので、タッグを組んだのは今回で3度目となります」と報告した。「韓流四天王」というタイトルを口にすることにちょっと照れた表情を見せた。

 本作の原作についてホ・ジノ監督は「今回が4回目の映画化になります」と話す。撮影の決め手となったのは「何度もシナリオを読み返すうちに、韓国の現在の社会問題が表現されていて自分にとっての挑戦になると感じました。今までと違ったものを(作品に)詰め込めると思いました」と話した。

 また、劇中、兄弟の設定を医師と弁護士にしたのは「医師も弁護士も韓国では憧れの職業なので、韓国の皆さんにより身近に感じられる(物語になる)と思ったからです」とコメント。「ドンゴンさんとはいろいろお話をしながらジェギュというキャラを作り上げていきました。映画の中で素晴らしい演技を見せてくれています」とチャン・ドンゴンの演技を称賛した。

 最後にホ・ジノ監督は「観終わって良いと思ったら感想を広げてください。よろしくお願いします」と作品を熱くアピール。チャン・ドンゴンは「韓国各地を舞台挨拶で回ったときに、ある劇場の壁に“映画のなかで答えを抱いている映画は、観終わったらそこで終わるけれど、質問を投げかける映画は、観た後から始まる”と書いてありました。この作品は観終わった後に、皆さんにいろいろなことを考えさせると思います。意味のあることを考える時間になると思います」と客席に向かってメッセージを送って、大きな拍手を浴びながらステージを後にした。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

ストーリー

 兄ジェワン(ソル・ギョング)は、道徳よりも物質的な利益を優先して生きてきた弁護士だ。仕事のためなら、殺人犯の弁護でさえも厭わない。年下の2人目の妻ジス(クローディア・キム)や10代の娘らと共に豪華マンションに住み、家事は家政婦がこなす誰もがうらやむ暮らしだ。一方、小児科医として働くジェギュ(チャン・ドンゴン)は、どんな時にも道徳的で良心的であることを信念に生きてきた。年長の妻ユンギョン(キム・ヒエ)と10代の息子と共に住む彼は、老いて痴呆気味になった母の介護にも献身的に当たり、品行方正な日々を送る。
 まったく、相容れない信念に基づいて生きてきた兄弟。しかし2人は、それぞれの妻を伴って月に1回、高級レストランの個室に集い、ディナーを共にする。レストランではお得意様であるジェワン夫妻が常に優先され、兄弟家族同士の会話はどこかぎこちない。
 ディナーが行われた夜、時を同じくある事件が起こり、満ち足りた日々を送る家族が想像だにしなかった衝撃の結末を招き寄せる――。

 (原題:보통의 가족|英題:A NORMAL FAMILY、2024年、韓国、上映時間:109分、PG12)

キャスト&スタッフ

 監督:ホ・ジノ
 出演:ソル・ギョング、チャン・ドンゴン、キム・ヒエ、クローディア・キム

オフィシャル・サイト(外部サイト)

https://michitaritakazoku.jp

 公式X:@michitaritaeiga

公開表記

 配給:日活/KDDI
 2025年1月17日(金)より全国ロードショー

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