登壇者:内野聖陽、川栄李奈、森川 葵、後藤剛範、上川周作、鈴木聖奈、真矢ミキ、小澤征悦、上田慎一郎監督
マジメな税務署員×天才詐欺師VS脱税王! 騙して奪って脱税王から10億円を納税させろ! 上田慎一郎監督最新作映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』が11月22日(金)に公開を迎え、都内劇場で初日舞台挨拶が開催。内野聖陽、川栄李奈、森川 葵、後藤剛範、上川周作、鈴木聖奈、真矢ミキ、小澤征悦、上田慎一郎監督が登壇した。
上田監督は「この企画は6年前から動き出したなんですけど、6年間、大事に育ててきて、ずっとこの日のこの場所を目指して作ってきたので、まずはこの光景が見られて感無量です」と万感の思いを口にする。
気弱な税務職員の主人公・熊沢を演じた内野は、上田監督と撮影前から幾度となく打ち合わせやリハーサルを重ねてきた。改稿は14稿まで重ねられたそうで、内野は「そんなことは僕も初めてでした」と明かし「途中で投げ出したくなるようなこと何度もありましたが(笑)、監督の熱意がすごいのでここまで来られたんだなと思います」と感慨深げに語った。
上田監督が撮影期間中に新型コロナウイルスに罹患してしまい、リモートで演出したこともあったそう。上田監督は「スケジュール的にちょっと止められないっていうことで、熱は下がった状態で、iPadを自宅で見ながら、現場には“天の声”みたいなスピーカーがセットされて……」と状況を説明したが、小澤はそんな状況を「カメラを止めるな(笑)!」と上田監督の大ヒット作になぞらえて表現し、内野も「まさにそれを地で行くような現場でした」とうなずいた。
熊沢の部下・望月役の川栄はほとんどのシーンが内野とのシーンだったようだが、共演しての感想を尋ねると本読みでの思い出を挙げ「(台本の)全ページに付箋が貼ってあるんですよ! 分厚すぎて、(中を)チラ見すると余白にものすごく書き込んであって……。横にいて、(自身の)薄いペラペラの台本が恥ずかしくなりました。本当に勉強になるなと思いました」と振り返る。
一方、詐欺師チームの一員の森川はチームの“ボス”を演じた岡田将生が本日は欠席ということでちょっぴり寂しそうだったが、岡田と共演しての印象を尋ねると「ボスなんですけど、現場ではボス感がないボスというか(笑)、まとめているようで、まとめてないように見えて……うまく誘導されているという感じで、不思議な方という印象でした」とその魅力を語ってくれた。
同じく詐欺師チームの一員を演じた後藤は、錚々たる俳優陣との共演について「皆さん曲者ぞろいでしたけど、内野さんには一緒のシーンで『ここはこうしようよ』という感じで積極的に指導していただきました。また、現場が押している時に僕がテンパっちゃった時があったのですが、そのときに小澤さんが『裏に行って稽古するぞ』と言ってくださって、意外とこういう一面があるんです(笑)」と感謝を口にする。
詐欺のターゲットとなる“脱税王”を演じた小澤は「そんなことあった? 覚えてない(笑)」ととぼけつつ「皆さん知的な詐欺師なんですけど、唯一後藤は体力派で、僕とぶつかりそうになるというシーンのリハーサルで、軽トラックにぶつかったくらいの衝撃で(笑)、僕は身体が大事なので『稽古やろうか』って言ったんです」と照れくさそうに語っていた。
上川は、印象的だったこととして撮影前の詐欺師チーム全員での本読みに言及。役になりきって即興で脚本の“先”のことを演じるエチュードをやったそうで「キャラクターの頭で考えたセリフを出すというのが印象的で、それがそのまま作品に活かされる形で準備ができてありがたかったです」と述懐。
詐欺師チームの一員で、闇金のボスを演じた真矢は「ボスなので、どこでドスを利かせようかと思っていたら、監督に『そのままで静かにいていただければ十分なので』と言われたのが一番のアドバイスでした(笑)」と明かし、さらに「一番現場で動いてらっしゃるのが監督で、私はずっとADさんだと思ってました(笑)」とまさかの告白!
そんな真矢の娘役を演じた鈴木は「ミキさんは素敵な気配りの神様みたいな人で、初めてお会いした時、『あのね、私たちはニコイチみたいな役なので、お互いに支え合っていきましょうね」って惚れてしまうような言葉をいただきました」と明かす。
ちなみに、2人は仲を深めるべく初日から飲みに行ったそうで、真矢は「2人でずっと酔っぱらってました」と楽しそうにふり返っていた。
この日は、登壇陣に“予測不能”な展開の本作にちなんで、最近あった予測不能な出来事について話を聞いた。内野は「この映画が皆様の心に届くのか? ヒットするのか? そうでもないのか? コケるのか? 予測不能でドキドキしています」と語ったが、この日の昼に都内の映画館に様子を見に行ったという上田監督から盛況だったと聞かされて、ホッと安堵の表情を浮かべていた。
真矢は「最近の天気です。おととい、寒かったので今日はすっごいダウンを着てきたら汗だくですよ(苦笑)。皆さんもお気をつけて!」と呼びかける。
森川は「この映画、すごいキャストが豪華じゃないですか? 大先輩方がすごく多いし、申し訳ないけど仲良くなることないだろうと思っていたんです。先輩と現場でお話をするのは緊張するし、時間もないだろうと……。そうしたら、現場で予測不能なことに、まさか仲良くなって、小澤さんがみんなに連絡して、スケジュールを合わせてくださって、みんなでご飯に行くこともありました」となんとも嬉しい予測不能な展開を明かしてくれた。
最後に、内野が改めて本作について「これでもかってくらい打ち合わせ重ねて、とにかく面白い映画をつくるって一心で、現場でも喧々諤々……真矢さんが『ワークショップみたいだね』っておっしゃっていたくらい、本当に新鮮な現場でみんなでアイデアをし合った手作り感覚のある現場でした」と明かし、完成した映画について「面白い映画になったのかな?と思っていたんですが、自分で観ても『さすがだな、上田監督!』というところもあったので、期待して観てください!」とこれから映画を観る観客に力強く呼びかけた。
最後にマイクを握った上田監督は、そんな内野の言葉に感極まったのか、目に涙を浮かべ、声を詰まらせながら「内野さんとは、3年ぐらい前から何回も、何回も脚本の打ち合わせやリハーサルを重ねて、クランクインの前日に電話をいただいて、最初は(内野さんが演じた熊沢は)メガネを掛ける設定はなかったんですけど『いま、メガネ屋にいるんだけど、このメガネとならやれそうだ』と。本当にカチンコが鳴る瞬間ギリギリまで、もっと面白くできないかと全員に思っていただきました。ずっと長い間一緒にやってきてくださった内野さんに、改めてありがとうと言いたいです」と感謝の思いを口にする。
小澤は、その横で涙を拭う仕草を見せて笑いを誘っていたが、内野は上田監督について「非常に情熱的で、すぐに涙を流すんです(笑)。不撓不屈の精神、是が非でも良い映画つくりたいという情熱から生まれた映画なので楽しんでください!」と語り、上田監督も「とにかくお客さんを徹底的に楽しませてやろうと思って作った作品です。このフィクションが、皆さんの現実を生きるエネルギーになれば嬉しいです。120分、思い切り楽しんでください!」と呼びかけ、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
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配給:NAKACHIKA PICTURES / JR西日本コミュニケーションズ
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