登壇者:横浜流星、吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之、藤井道人監督
本年度、第49回報知映画賞で作品賞、主演男優賞、助演女優賞の3冠を受賞した映画『正体』の初日舞台挨拶が都内で行われ、主演の横浜流星、共演の吉岡里帆、森本慎太郎(SixTONES)、山田杏奈、山田孝之とメガホンを取った藤井道人監督が登壇してクロストークを繰り広げた。
本 作は、染井為人の小説が原作。殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた後に脱装し、顔と名前を変えて潜伏を繰り返しながら、日本中を巡る指名手配犯・鏑木(横浜)の343日間にわたる逃走劇を映し出すサスペンス。
逃走を続ける主人公の鏑木を演じた横浜は、満員の会場を眺めながら、「今日この日を迎えることができて幸せです。4年を経てスタッフ、キャスト一同が妥協せずに作り上げた作品です。たくさんの方にこの作品を愛していただけると嬉しいです」と公開を迎え、晴れやかな笑顔で挨拶した。
鏑木の無実を信じる沙耶香を演じた吉岡は「ようやくこうしてお客さんに観てもらえることがとても感慨深いです」としみじみ。
一緒に働きながら、鏑木を犯人ではないかと疑う和也を演じた森本は「この映画のすごい力を感じ取ってもらいたいなと思いますし、広まっていくことを楽しみにしています」と伝える。
鏑木に恋心を抱いてしまう舞役を演じた山田杏奈は「いろんな感情を呼び起こしてくれるすごく素敵な映画だと思います。世界に浸って楽しんでいただける映画だと思います」とアピール。
鏑木を執拗に追い詰める又貫刑事役を演じた山田孝之は「この映画を観た人たちはどう思いますか?ということを問いかける作品になっています。いろいろと状況によって何を感じるかは人それぞれだと思いますが、それを大事に取っておいて家族やいろんな人と話してみてください」と話す。
報知映画賞で、作品賞、主演男優賞、助演女優賞の3冠を受賞した気持ちを聞かれ、主演男優賞を受賞した横浜は「作品の公開前に選んでくれたことに感謝します。特に、作品賞の受賞が嬉しいです」と感謝を伝える。
助演女優賞を受賞した吉岡は「ほんとうに嬉しいです。流星さんと藤井監督に導いていただきました。自分の良さを知ってくれる監督に出会えて幸せ者です」と笑顔で話した。
作品賞を受賞した藤井監督は「キャスト、スタッフ一同の力です」ときっぱり。「賞は狙って獲れるもんじゃない。認めていただけて本当に嬉しい。賞をいただくともっといいものを作らないといけないなと思いました。このチームに出会えて良かった!」と受賞の喜びを語った。
また、企画から長い道のりを経て完成した本作を振り返って、藤井監督は「企画から流星が横にいてくれて、無事に完成しました。流星に感謝したいと思います。無事に皆さんに届けられて良かった」としみじみ。
横浜も「無事に完成して皆さんに届けられることを心から幸せに思います。自分の中でも一つの集大成となる作品になりました」と喜びを噛みしめる。
横浜と山田孝之は今作が初共演。山田孝之は横浜について「共演できて嬉しかった」と話し、過去にビートたけしと共演したドラマ「破獄」で、自身も“逃亡犯”の役を演じたことを明かし、「逃げる側を演じることがいかに大変かをよく知っています。流星くんの大変さがよく分かるので、本気で向き合ってみようかなという気持ちでこの作品に参加しました」と話した。それを聞いた横浜も「ずっと共演したいと思っていました。(共演できて)幸せな時間でした」と話した。
吉岡は「衝撃だったのが、和也(森本)と鏑木(横浜)の出会いのシーン。2人がお酒を飲むシーンがすごく好きなんです」と話した。続けて吉岡は「流星さんは万能で、あらゆるシーンへの適応能力や感性にびっくりすることが多かったのですが、餃子を私と一緒に作るシーンがあって、唯一それだけは下手でした(笑)」と横浜との可愛いエピソードを披露した。
森本は「毎日これで大丈夫なのかな?と思いながら演じていました。不安の中での撮影で流星くんがすごく支えてくれたという記憶があって――。観終わった後に帰り道でこれまでの自分の人生を振り返りましたね。流星くんや藤井監督に導いていただきました」と出会いに感謝だった。
山田杏奈は撮影のエピソードを披露。「現場の控室にカメムシがたくさんいて、電気の周りをカメムシが飛び始めたのですが、それを流星さんがヒョイッと手で取ってくれたんです」と嬉しそうに話した。また、「流星さんは5役を演じられてメチャクチャ大変だったろうなって思います」と横浜の真摯な熱演を称えていた。
横浜は「心身ともに疲弊しましたが、多くの人と出会ってその温かさに生きる希望を貰いました」と振り返った。
最後に藤井監督は「スタッフ一同何度観ても感動できるように尽力しました。たくさんに人に届いて何年か先にも思い出していただけたら……」とコメント。横浜も「受け取ったものを大切にして欲しいです。この作品が、皆さんにとって大切な作品になったら嬉しいです」と観客にメッセージを送ってイベントは終了した。
(取材・文・写真:福住佐知子)
公開表記
配給:松竹
2024年11月29日(金) 全国公開!
(オフィシャル素材提供)