イントロダクション
デビュー直後から、映画やドラマ、舞台に途切れることなく出演し、飛ぶ鳥を落とす勢いで大活躍している坂東龍汰。さまざまな役柄を演じる高い演技力に加え、かっこよさと人懐っこさを併せ持ったビジュアルで、多くの人々の心を捉えている注目株だ。そんな坂東の最新作であり、初の映画単独主演となる『君の忘れ方』では、最愛の恋人の死をきかっけに、言葉にならない悲しみに苛まれながらも、喪失からゆっくりと立ち直っていく主人公・昴を、ナチュラルかつ繊細な芝居で観る者の共感を誘う芝居で演じ切り、新たな境地を切り開いている。
坂東が演じる、ラジオ番組の構成を手掛ける作家として活躍する森下 昴は、付き合って3年になる恋人・美紀との結婚を間近に控えていた。だが、そんなある日、彼女は交通事故で帰らぬ人となってしまう。茫然自失の日々を過ごす中、昴は自分と同じように大切な人を亡くした経験を持つ人たちと触れ合い、胸の内に封じ込めた思いを少しずつ吐き出すことで、頑なだった心を溶かしていく。
そんな昴を、坂東が時にぶっきらぼうに、時にいじらしく演じてみせる本作は、今後ますます存在感を増していくのが確実な“俳優・坂東龍汰”の決して外すことのできない代表作となるに違いない。
昴の恋人で、不慮の事故で亡くなるフードコーディネーターの柏原美紀に扮するのは、ドラマや映画、舞台等で、サイコキラーから刑事、ホステス、銀行員、大学生など、役柄に縛られずさまざまな役を巧みに演じ、俳優として頭角を現している西野七瀬。映画『孤狼の血 LEVEL2』での演技が高く評価され、第45回日本アカデミー賞優秀助演女優賞・新人俳優賞を受賞した実力派だ。本作では、死者にはとても見えない姿で時折、昴の前に現れるも、一切声を発することなく、“物言わぬ恋人”として、表情のみで表現する難しい役柄に挑戦。出色の演技を見せている。
医師として働きながら岐阜にひとりで暮らし、都会に出た息子の昴を気に掛ける母・洋子を演じるのは、南 果歩。息子の前では、心配を掛けまいと明るく振舞いながらも、かつて通り魔に襲われ、理不尽に命を落とした夫の無念をどうにか晴らすべく、行き過ぎた行動で周囲にたびたび迷惑を掛けてしまう。そんな洋子のやるせなさを圧倒的な演技で体現する。
さらに、グリーフケアの活動を行う「つきあかりの会」のスタッフの牛丸に津田寛治、昴の相談相手となる池内に岡田義徳、昴の実家に居候している便利屋の翠に円井わん、翠の恋人・牧田を小久保寿人、昴の担当編集者・木下に森 優作、心理カウンセラーの澤田に風間杜夫ら個性豊かな俳優陣が名を連ね、不器用ながらも確実に再生の道を歩み始める主人公・昴をそっと見守る。また、徳澤青弦と平井真美子が奏でるチェロとピアノの旋律が全編に亘って彩りを与え、坂本美雨の歌唱によるエンディング曲「aurora」が大切な人を亡くした者たちの愛と再生の物語にやさしく寄り添っている。
監督・脚本を務めるのは、2018年に映画『神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-』で商業映画監督デビューを果たし、2022年にNHKで放送されたドラマ「ペットにドはまりして、会社辞めました」や、映画『光を追いかけて』『ALIVEHOON アライブフーン』などの作品に脚本家として携わる一方、自身が監督・ 脚本を手掛けたVRアニメーション「Thank you for sharing your world」が、第79回ヴェネチア国際映画祭イマーシブ部門(コンペティション)にノミネート・正式招待され、一躍注目を集めた新鋭・作道雄。
本作『君の忘れ方』では、『神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-』に引き続き、自身が代表を務める映像プロダクション「クリエイティブスタジオゲツクロ」に所属する撮影監督・編集の橋ヶ谷典生とタッグを組み、大学時代から親交のある伊藤基晴と共同で脚本を手掛けた。また、本作では初の小説版も書き下ろす(2024年12月、KADOKAWAより出版)など、幅広い才能を発揮している。
同じ時代を生きていようとも誰もがそう簡単には分かり合うことなどできないし、悲しみとの付き合い方や心の傷が癒えるまでにかかる時間も、人それぞれ違って当たり前。でも、いくら愛する人や大切なものを失っても、人は一人きりになるわけじゃない。たとえ記憶が薄れたり、遠ざかったりしても、思い出し方さえ分かれば、またいつだって君と会えるはず。飛騨高山の雄大な自然の中で、人とのつながりやコミュニケーションの大切さの再認識し、“孤独な日々”から抜け出すヒントが得られる感動のヒューマン・ドラマが、ここに誕生した。
ストーリー
森下 昴は付き合って3年が経つ恋人・美紀との結婚を間近に控えていたが、ある日、彼女は交通事故で亡くなってしまう。言葉にならない苦悩と悲しみで茫然自失の日々を過ごす中、母に促され、久々に故郷の岐阜へと帰省する。母もまた、二十数年前に不慮の事故で夫を亡くし、未だに心に傷を抱えていた。悲しみは癒えないと思っていたが、ある不思議な体験を通して、昴は美紀の死と向き合っていくようになるが――。
(2024年、日本、上映時間:107分)
キャスト&スタッフ
出演:坂東龍汰
西野七瀬
円井わん、小久保寿人、森 優作、秋本奈緒美
彩凪 翔、ジャン・裕一、みつき愛、早咲、山本修夢、井上奈々、深川澄雄、伊藤修子、山﨑翠佳
津田寛治、岡田義徳、風間杜夫(友情出演)
南 果歩
監督・脚本:作道 雄
エンディング歌唱:坂本美雨
製作総指揮:志賀 司
原案:一条真也『愛する人を亡くした人へ』(現代書林・PHP文庫)
プロデューサー:益田祐美子、羽田文彦
音楽:平井真美子、徳澤青弦
共同脚本:伊藤基晴
後援:飛騨市 高山市 飛騨市観光協会 高山市文化協会 飛騨高山観光コンベンション協会/飛騨市ロケーション促進事業 飛騨市企業版ふるさと納税
製作幹事:セレモニー 平成プロジェクト
制作プロダクション:セレモニーエンタテイメント マウンテンゲート
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X、公式Instagram:@kimiwasu_eiga #君の忘れ方
公開表記
配給:ラビットハウス
2025年1月17日(金) 全国公開