登壇者:イシヅカユウ、大森亜璃紗、千國めぐみ、斉藤陽一郎、マギー、定谷美海監督
Los Angels New Filmmaker、第43回バンクーバー国際映画祭ショートフィルム部⾨オフィシャルセレクションノミネート作『Colors Under the Streetlights』がついに公開!
12月14日(土)にはイシヅカユウ、⼤森亜璃紗、千國めぐみ、⻫藤陽⼀郎、マギー、定⾕美海監督が舞台挨拶に参加した。
多くの観客が詰めかけたこの日、主演のイシヅカは「本日は寒い中、足をお運びいただきありがとうございます」と感謝の挨拶。印象的なシーンの話になると、夜明けに香水をふりかける場面に触れて、「初見の際は長いシーンのように感じたけれど、昨日見直したら意外と短かった。それだけ自分の中で印象的だったということ。朝日が綺麗で素敵な色味があって、撮影の中でも特別な時間でした」と懐かしそうに回想した。
すると、撮影が約2年前と言うこともあり「香水の香り」について全員でシンキング・タイム。どんな香りだったのか誰も覚えていない中で、マギーは「たぶんシトラス!」と答えて、イシヅカも「自分でふりかけたのに何の匂いなのか覚えていない。私も知りたい!」と訴えていた。
「牽引車の中での撮影が印象的」という大森は、「ミラーにぶら下がるアクセサリーの長さについて監督がカメラマンと侃々諤々揉めていたのが面白かった。それほど細かい所にまでこだわっています」と笑いながら回想。
千國は赤羽にあるガールズバーでの撮影を思い出し「映像を見て改めて特殊空間だと思った。雑多なバックヤードとのギャップも印象的」と述べた。
車内シーンを見どころに挙げる⻫藤は、「イシヅカさんが甲州街道を車で走りながら髪の毛の匂いを嗅ぐ。夜が明けて嘘が街に溶け込んでいくけれど、街には影は潜んでいてその香りを嗅ぐことでウソの残り香が立ち上る。そんな事を感じさせて美しいと思った」と詩的に絶賛。
マギーは「この映画は一秒一秒どこを切り取ってもカッコいい。すべてがポスター・カットになりそうな1秒が連続している映画。映像に力を置く監督はルックにだけこだわるけれど、定⾕監督は人に寄り添う基本があって、そこから美しいルックに寄っていく。役者としてありがたい監督なので、もっと映画を撮って欲しい!」と才能を讃えていた。
そんな定⾕監督についてマギーが「現場で素敵な笑顔を見せてくれて、自分の思い描いた感じになると、言葉よりも先にほくそ笑む。みんなそんな監督の笑顔が見たいからスタッフも役者も頑張れる」と言うと、⻫藤は何故か怪訝な表情。それもそのはず斉藤は「僕との撮影の時は背骨に細菌が入ったとかでずっとしかめっ面でしたけど」と暴露し、定⾕監督爆笑の中で「今のマギーさんからの話を聞いて全然違うなあと思いました」と斉藤はニヤリとしていた。
さらにマギーからは定谷監督のキケンすぎる一面への暴露があった。「次の撮影地に向かって走り去る監督が運転する車を見たら、トランク開けっぱなしの状態で走っていた。それを見たスタッフが『監督の車! 開いている!』と。そんなことありますか? 気をつけてくださいね!」とビックリしながら注意喚起。これに定谷監督は「数分走ったところで自転車の方に教えていただいた」と反省していた。
さらに警官役を演じたマギーにイシヅカからこんな質問が。「撮影中は当然ながら迫力がありました。いや、怖かったです。どんなことを意識されて警察官を演じたのですか?」。するとマギーは「それはね……僕の力ではなく警察の制服の力です!」と明かして、場内爆笑となった。
和気藹々の舞台挨拶もあっと言う間に終了の時刻に。主演のイシヅカは「短い映画なので、2度3度劇場に足を運んでいただき、応援していただけたら嬉しいです」とヒット祈願。定⾕監督も「短編映画を映画館で上映するのは難しいこと。それを実現できて嬉しいです。短いお話で説明をしない物語ですが、余白には『何かあったらこの映画に頼って欲しい』というメッセージが込められています。この映画の中に出てくる人たちはこの街のどこかにいるはずなので、本作を観て明日も頑張ろうと思ってもらえたら嬉しいです」と願っていた。…東京の夜を生きる女たちの繊細で美しいヒューマンドラマにぜひご注目いただきたい。
公開表記
配給:ニチホランド
12月13日(金)より テアトル新宿にて劇場公開
(オフィシャル素材提供)