本年度ベルリン国際映画祭にてプレミア上映され、観客の大喝采を浴び最優秀ドキュメンタリー賞と観客賞をW受賞したパレスチナ人とイスラエル人の若手監督による衝撃と奇跡のドキュメンタリー映画
『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』が、2025年2月21日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋ほかにて全国公開となる。
12月17日(現地時間)に、映画科学芸術アカデミーから第97回アカデミー賞®のノミネート前の候補作となる10部門のショートリストが発表され、『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』が、長編ドキュメンタリー賞のショートリストに選出された!
本作は10の観客賞をはじめすでに48もの賞を獲得しているが、今月12月だけでもゴッサム・インディペンデント映画賞で最優秀ドキュメンタリー賞、ニューヨーク映画批評家協会賞で最優秀ノンフィクション映画賞、ヨーロッパ映画賞でヨーロッパドキュメンタリー賞、IDAドキュメンタリー賞で最優秀作品賞を含む3冠、サンディエゴ映画批評家協会賞で最優秀外国語映画賞など次々に受賞を積み重ねている。全米批評家サイトRotten Tomatoesのメーターは評論家100%と高評価を記録。また、オンラインデータベースIMDbでもレイティング8.4と圧倒的なハイスコアをマーク(数字は全て12/17時点)。
しかし、世界各地での圧倒的な評価とは裏腹にアメリカ国内における配給会社はまだ決定しておらず、米国映画業界誌Varietyのウェブ版は、12月3日の記事においてその現状を報告。
1月17日のアカデミー賞®ノミネーションのみならず、アメリカでの一般公開のゆくえにも注目してほしい。
本作の舞台となるのは、イスラエル軍による破壊行為と占領が今まさに進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区<マサーフェル・ヤッタ>。この現状をカメラに収め世界に発信することで占領を終結させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バゼル・エイドラと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユーバール・アブラハムの2人による決死の活動を、2023年10月までの4年間に渡り記録。あまりに不条理な占領行為を、そこで暮らす当事者だからこそ捉えることのできた至近距離からの緊迫感みなぎる映像であぶりだしていく。同時に、バゼルとユーバールが、パレスチナ人とイスラエル人という立場を越えて対話を重ね理解し合うことで生まれる奇跡的な友情と、ただ故郷の自由を願い強大な力に立ち向かい続ける人々の姿も映し出す。監督は、バゼルとユーバールを含むパレスチナとイスラエルの若き映像作家兼活動家の4人が共同で務めた。
今年2月に開催されたベルリン国際映画祭では最も大きな盛り上がりを見せた1作となり、上映後には観客たちによるパレスチナ解放スローガンの大合唱と、割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。最優秀ドキュメンタリー賞&観客賞をW受賞し、バゼルとユーバールが揃って登壇し連帯を呼びかけた受賞スピーチは同映画祭のハイライトとして大きな話題を集めた。しかし一方で、イスラエル擁護の姿勢を示すベルリン市長やドイツ文化省がそれを強く非難。世界中で大きな論争が続くなか、今なお監督たちは精力的に活動を続けている。
ストーリー
ヨルダン川西岸地区のマサーフェル・ヤッタで生まれ育ったパレスチナ人の青年バゼルは、イスラエル軍の占領が進み、村人たちの家々が壊されていく故郷の様子を幼い頃からカメラに記録し、世界に発信していた。そんな彼のもとにイスラエル人ジャーナリスト、ユーバールが訪れる。非人道的で暴力的な自国政府の行いに心を痛めていた彼は、バゼルの活動に協力しようと、危険を冒してこの村にやってきたのだった。同じ想いで行動を共にし、少しずつ互いの境遇や気持ちを語り合ううちに、同じ年齢である2人の間には思いがけず友情が芽生えていく。しかしその間にも、軍の破壊行為は過激さを増し、彼らがカメラに収める映像にも、徐々に痛ましい犠牲者の姿が増えていくのだった――。
(原題:NO OTHER LAND、2024年、ノルウェー、パレスチナ、上映時間:95分)
キャスト&スタッフ
監督:バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、ハムダーン・バラール、ラケル・ゾール
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@nootherland_jp
公開表記
配給:トランスフォーマー
2025年2月21日(金) TOHOシネマズ シャンテ、シネ・リーブル池袋 ほか全国公開