倉本 聰原作・脚本、若松節朗監督、本木雅弘主演の映画『海の沈黙』(11月22日より全国公開中)が、オランダ・ロッテルダムで開催される第54回ロッテルダム国際映画祭(会期:2025年1月30日~2月9日)に正式出品されることが決定した。
同映画祭は1972年に始まり、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭などと並ぶ重要な国際映画祭とされる映画祭。
『海の沈黙』は、今年各国で注目を集めた作品で構成される「Limelight」部門へ選出された。この部門は近年『海よりもまだ深く』(16年/是枝裕和監督)、『ドライブ・マイ・カー』(21年/濱口竜介監督)、『Blue Giant』(23年/立川譲監督)など国内外で高く評価された話題作が出品された部門。
「前略おふくろ様」「北の国から」「やすらぎの郷」など数々の名作を手がけてきた巨匠・倉本 聰が長年にわたって構想し、「どうしても書いておきたかった」と語る渾身のドラマを、『沈まぬ太陽』や『Fukushima 50』などの若松節朗が監督をつとめ映画化。孤高の画家・津山竜次を本木雅弘が演じ、小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオル、清水美砂、菅野 恵、萩原聖人、村田雄浩、佐野史郎ら日本映画界の豪華キャストが結集した本作。
国内ではオープニング観客動員数TOP10入り、平日も満席近い映画館も続出するなどスマッシュ・ヒットを続けており、「深く刺さった美しい大人のストーリー」「海のように深い大人の愛に痺れた」「立ち止まって絵画を見るような作品で心の琴線に優しく触れる作品」「ラスト涙が止まりません」「残りの自分の人生について立ち止まり考える機会を貰った」など感想が続々とあがっている本作が国際映画祭でどのように受け止められ、評価されるのかにご注目いただきたい。原作・脚本の倉本 聰、若松節朗監督、主演の本木雅弘からのコメントも到着した。。
コメント
倉本 聰:原作・脚本
60余年前日本の美術界をゆるがす大事件があった。鎌倉時代の名作といはれ国の重要文化財に指定されていた古い壷が、実は現代の作家のものと判り、文化財指定をとり消されたのである。権威づけが消えると美の価値も変るのか。これは一生を賭してその理不尽に挑んだ一人の贋作者の斗いの物語である。
若松節朗:監督
人類共通の価値基準は、(真・善・美)です。この三つの概念の中で美だけは絶対的なものだと倉本 聰さんは映画のテーマにしました。ルーブル美術館で観たミロのビーナスやモナリザは確かに美しかった。そして感動した。この感覚は誰しもが持つもので世界中の人々を惹きつけて止まないだろうと思う。美しいものは誰に対しても美しく揺るぎないものだと考える。美と言うものの永遠性.絶対性を縦糸に人間の愛情を絡ませて紡いだ織物のような映画が出来たと思います。この美しい映画を世界中の人たちに観ていただけたらとても幸せです。
最後に、ロッテルダム国際映画祭にご招待下さりありがとうございました。
本木雅弘:主人公・津山竜次役
ロッテルダム国際映画祭への出品を大変嬉しく思います。
画家役というだけで烏滸がましいですが、それぞれに劇的で、光を操り、美を追求したオランダの三大画家、フェルメール、レンブラント、ゴッホを生んだ、彼の地で上映される機会を想像するだけで心が震えます。
若松監督の挑戦、倉本さん特有の語り口と日本のエキゾチズムに新鮮な奥行きを感じていただけたらと期待しております。
公開表記
配給:ハピネットファントム・スタジオ
11月22日(金) 全国公開