イベント・舞台挨拶

『私にふさわしいホテル』公開記念舞台挨拶

© 2012柚木麻子/新潮社 © 2024「私にふさわしいホテル」製作委員会

 登壇者:のん、田中 圭、滝藤賢一、若林麻由美、堤 幸彦監督

 映画『私にふさわしいホテル』の公開記念舞台挨拶が都内で行われ、主演ののん、共演の田中 圭、滝藤賢一、若林麻由美とメガホンを取った堤 幸彦監督が満員の観客の前に出席し、作品についてクロストークを行った。

 本作は、柚木麻子の同名作品の映画化。メガホンを取ったのは人気ドラマ「SPEC」「TRICK」シリーズなどの堤 幸彦監督。文豪たちに愛された「山の上ホテル」にふさわしい作家になることを夢見ている不遇な新人作家・中島加代子(のん)が大学の先輩でもある曲者の編集者・遠藤道雄(田中)の手を借り、奇想天外な作品で文学界に切り込んでいく姿が描かれる。

 不遇な新人作家・相田大樹こと中島佳代子を演じたのんは、加代子を演じるにあたり、「すごく楽しかった。普段言えないような暴言を吐いたり、たんかを切ったり、面白いシーンがいっぱいありました。なかでも若村さんと東十条先生との家族シーンが“お気に”です」と話す。今回悪女役を演じることについては「難しい役だなとは思いましたが、小説にかける純粋な情熱だけは大切に演じました」と話し、悪女役を楽しんで演じたことを明かした。

 田中は「加代子の敵なのか味方なのかよく分からない……。ミステリアスな部分を大切に演じました。普段からぼくもミステリアスな男と言われているので自然に演じることができました」と得意げに話し、会場の笑いを誘った。

 また、田中は、女性陣のオーディションの際には相手役を務めたという。堤監督は「何十人もの相手を正確に淡々とやってくれました。僕のほうが飽きてくるくらい……(笑)。正確無比な芝居をしてくれる人です」と田中の苦労に感謝だった。

 権威主義の大御所作家・東十条宗典役を演じた滝藤は、劇中の着物姿を褒められると、「とても良かったです。ああやって日々が過ごせたら素敵だなと思います。でも、普段は全く着ないです(苦笑)」と話した。

 東十条の妻・千恵子役を演じた若村は「彼(東十条)の純粋な部分に惹かれて、ずっと支えてきた妻。良妻賢母を演じました」。また、加代子(のん)との共演シーンを振り返り、「加代子が家に乗り込んでくるシーンは楽しかったです。のんさんの着物姿がとても素敵でした。思わず『きれい!!』」と言ってしまうほど似合っていました」と興奮気味に話した。

 のんが劇中で着ていた白い着物はなんと800万円もするそう。のんはお鍋を食べるシーンで醤油をこぼしそうになり、無事回避したというエピソードを披露した。

 堤監督は、満員の観客を前に「熱気が違いますね。温かい力をいただいた気がします。日々つらいことがありますが、そういうことを忘れて楽しんでいただけたらいいかなと。もし面白いと思ったらたくさんの人に薦めてください」と感慨深い様子で挨拶。本作については「(話の)設定は、昭和の終わりぐらい。僕の思う文豪については、黒電話、(自前の)万年筆、武蔵野の邸宅など、先入観を大切に、文豪をイメージして作りました」と説明した。

 年の瀬のイベントということもあり、それぞれが今年を振り返り、来年の抱負を語る場面も。

 のんは「今年は、詰め込み作業で忙しかったけど、充実した年になりました。水分カラカラな年です。2025年はたくさん水分をとって、渇きを潤していきたい」と独特な表現で意気込んだ。

 田中は「今年はいろいろやらせていただいたのに、振り返ると記憶がない年ですが、充実していましたね」と話し、来年は、「日々、笑っているほうが絶対に楽しいんで。日々笑えるように、僕もたくさん水をとって潤っていきたいなと思います」とにっこり。

 若村は「今年は、元日の能登の震災から始まりました。支援をしながらの一年です。仕事は充実していました。何が一番大切なのかを考える年でした。来年の目標といえばひとつしかなくて。“よくかむこと”。そしゃくして、食べ物に感謝していただくことを心がけたいと思います。今をぞんぶんに味あうことですね」と話した。

 滝藤は、「のんびりゆっくりやることができた。満たされています」とマイペースで充実の一年になったと笑顔を見せた。来年は「今年も家族で旅行に行けなかったので、来年こそ行きたい」と力を込めていた。

 堤監督は「コロナ禍のあと、必死に動いていました。来年70歳になります。70歳の10年間は、自分の思いのたけを作品にしてぶつけていけたら」と強い決意を語った。

 この日のイベントでは、のんがシャンパンを手に、劇中で加代子が東十条の執筆を妨害するために行う「文豪コール」を披露。日本の文豪たちの名前を唱えながらシャンパンを楽しそうに振り、最後に「一気! 一気! 一気!」とたたみかけて会場を大いに盛り上げた。文豪の名前については「覚えるときは大変でしたが、今は染みついていました」と大きな笑顔で話した。

 不遇にもめげず、くじけずに何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘が描かれる。驚き、笑えて、スカッとして、元気をもらえる“痛快逆転サクセス・ストーリーだ。他の共演に、田中みな実、服部樹咲、高石あかり、橋本 愛、橘ケンチ、光石 研ら実力派&超豪華な俳優陣が集結している。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:日活/KDDI
 全国にて絶賛上映中!

(オフィシャル素材提供)

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