【登壇者】司会:庵野秀明(監督・プロデューサー)
ゲスト:麻上洋子(声優、また 一龍斎春水して講談師でも活躍)
ゲスト:むらかわみちお(漫画家)
テレビ放送50周年を記念する特別企画が進行中の『宇宙戦艦ヤマト』。 新宿ピカデリーではTVシリーズ全26話から庵野秀明氏が3プログラム×各3話をセレクションし、劇場の大スクリーンで3週にわたって上映する「『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映」が行われているが、1月10日(金)にはフィナーレを飾る【PROGRAM3】がスタート。この日は、第23話、24話、そして最終26話の上映に続いてトークイベントが行われ、庵野氏が司会を務め、森雪役の声優の麻上洋子氏、『宇宙戦艦ヤマト2199』の公式コミカライズを担当した漫画家・むらかわみちお氏をゲストに迎えて熱いトークが展開! 収録当時の知られざるエピソードも明かされ、会場は驚きと興奮に包まれた。全3回のトークショーの模様は、【ニコニコ生放送】にて視聴できる『ネットチケット 』を2025年1月31日(金)21時まで発売中。
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放送当時14歳だった庵野、10歳だったむらかわ氏は、麻上氏の登壇に大興奮! 庵野は「憧れでした。“麻上洋子”という名前があると(その作品は)見ていました」「メロメロです。(キャラクターに対して)『好き』という感情を持ったのは森雪が最初。初恋の人です」と森雪、そして、その声を演じた麻上氏への熱い思いを語る。
麻上氏は、収録当時について、自身がまだ声優としてのキャリアがほとんどない「ド素人だった」と述懐。「自分の声がどのように録音されて、どう出るのか放送されるまで分からないので、ダビングに毎回通って柏原(満/音響効果)さんが音をつけるのを見ていました。柏原さんとは合間にお話をしました。懐かしい方を最近、亡くしてしまって残念です」と昨年11月に逝去した柏原さんを偲んだ。
また、麻上氏はスターシャ役の平井道子さんについても「憧れて見ていました。スタジオに女優さんが立っているというオーラがあって『お姫様が来た!』という感じで『しっかり見ていよう』と思っていました」とふり返る。
麻上氏は、声優業界についてほとんど知らないままこの世界に足を踏み入れたという。「漫画の『リボンの騎士』が好きで、わたしのイメージで声を作っていたんですが、アニメになったらイメージが大きく外れていて(苦笑)、『絶対に私のイメージの声をやりたい!』と思ったんです」と述懐。当時、麻上氏の周囲には、アニメが好きではなく、声優はあくまで食べていくための仕事と考えている俳優と兼業の声優が多かったそうで「森雪の絵とセリフを見た時『これが動いたら、声優業界の中で一番嬉しいのは私だ』と思って頑張ったら、田代(敦已/音響監督)さんが見てくださっていたんです。素人ですから地を出すしかなくて『キャー!』と言うのも、私が出す時はこんな声だという声を出したら、田代さんに『あんな恥ずかしい声を出す人は、お芝居をやってる人にはいないよ』って言われました(笑)」とふり返る。
この言葉に庵野も「そうなんですよ! 芝居がナチュラルで本当によかったです。笑い方が雪は特徴的で良いんです。23話で写真を撮った後の笑い方が素晴らしい! マネできない、毎回不思議な笑い方なんです」と深く同意する。
また麻上氏は「西崎(義展/企画・プロデューサー)さんには『くん』が良いと言ってもらいました」と明かしたが、これにも庵野が「その通り! 『古代くん』の“くん”が良いんですよ!」としみじみと語り、麻上氏が森雪の声で「庵野くん」と呼びかけると庵野は「ありがとうございます!」と感激していた。
むらかわ氏は、劇中の森雪が着用している独特の形のドレスについて『宇宙戦艦ヤマト2199』で描こうとしたら『ダメ』と言われました(苦笑)」と明かし、さらに森雪のキャラクターについて「中学生、高校生のクラスの委員長みたいな振る舞いの多いキャラクターだったのが、終盤に向かい、古代に『この戦いは何だったのか?』と語ったり、イスカンダルではスターシャや古代 進の背中を押すようなことを言ったり、最終話では『古代くんが死んじゃう!』――つまり初めて心の内を吐露するような、女性、人間としての主張が強まっていく」と物語が進む中での変化について指摘する。麻上氏は「私としては最初の頃のつんけんしている雪が一番好き」と明かしつつ「私は1話の時の雪の絵と私の声でひとつの女優さんなんだと思っています」と改めて森雪というキャラクターへの思いを口にした。
むらかわ氏は、1981年にリリースされた麻上氏のデビュー・シングル「哀しみのサテン」にも言及し「声のタッチが74年版の森雪と似てるんです。『森雪が歌ってる!』と畳の上で悶えていました(笑)」と明かし、これに麻上氏が「新しい『ヤマト』の主題歌を歌おうかな(笑)!」と返し、会場は笑いに包まれた。
ちなみに、新しい『ヤマト』に関しては、庵野は「まだそっちは何も言っちゃいけないと言われています(笑)」と言葉を濁したが、先日、開催が発表された『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念 「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」に関しては「渋谷の西武でやります!」と新情報を告知した。
なお、『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念の出版企画として、むらかわ氏の手による『宇宙戦艦ヤマト』画集(仮)を刊行することが発表されているが、むらかわ氏は「3月の展示会までに発売できるよう頑張って制作していきたいと思います」と意気込みを語った。
イベントの最後に麻上氏は「今日は、当時の少年少女たちとこんな場を共有することできて嬉しいです」と満面の笑み。庵野は「僕が一番好きな古代くんのカットは、最終回でデスラー砲が撃たれた時、森雪の遺体を抱えてかばっているあのカットです。この時、古代くんは艦長代理の職を失して、森雪を守るためだけにそうやっていて、もしかしたら、心中の気持ちだったのかもしれません。そういう細かい、本当に細かい描写ができるところが『ヤマト』のすごいところであり、素晴らしいところで、50年経ってもまだこうやって人気のある最大の部分だと思います。メカも良いですが、『ヤマト』の中心はやはりドラマなんですそれを演じてくださっていた麻上さんとお話しができて今日は幸せでした」と感慨深げに喜びを口にし、温かい拍手の中でトークイベントは幕を閉じた。
『宇宙戦艦ヤマト』作品紹介
西暦2199年、人類は滅亡の危機にあった。地球侵略を企てる異星人国家ガミラスの攻撃により、海は蒸発し、地表は放射能に汚染されていく。そんな中、イスカンダル星より放射能除去装置・コスモクリーナーの情報がもたらされる。人類はメッセージと共に送られてきた波動エンジンの設計図を基に、第2次世界大戦の戦艦「大和」を宇宙戦艦として再建造し、14万8000光年離れたイスカンダルを目指し旅立つ。人類滅亡の日まであと1年。ヤマトはコスモクリーナーを受け取り無事に地球へと帰り着けるのだろうか……。
第一作となるTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』からはじまり、その後も数多くのTVシリーズ・劇場用映画・実写映画が製作され、今なお新作が製作されている『宇宙戦艦ヤマト』は多くの人に愛されているSFアニメの金字塔である。
『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念企画
『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映 開催決定!
テレビ放送50周年を記念する特別企画が始動した『宇宙戦艦ヤマト』。
昨年12/27(金)より3週にわたり開催される「『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映」。その開催を記念して、庵野秀明氏の司会でプログラム毎にゲストと『ヤマト』を語るトークショー付き上映会が新宿ピカデリーにて開催。
<上映概要>
●タイトル:『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映
●日程:2024年12月27日(金)~2025年1月16日(木)
●上映作品
▶プログラム①:12/27(金)~1/2(木) ※ 終了済
・第2話「号砲一発!! 宇宙戦艦ヤマト始動」
・第3話「ヤマト発進!! 29万6千光年への挑戦!!」
・第7話「ヤマト沈没!! 運命の要塞攻略戦!!」
▶プログラム②:1/3(金)~1/9(木) ※ 終了済
・第16話「ビーメラ星 地下牢の死刑囚!」
・第18話「浮かぶ要塞島!! たった二人の決死隊!!」
・第22話「決戦!! 七色星団の攻防戦!!」
▶プログラム③:1/10(金)~1/16(木)
・第23話「ついに来た! マゼラン星雲波高し!」
・第24話「死闘! 神よ、ガミラスのために泣け!!」
・第26話「地球よ、ヤマトは帰って来た!!」
●劇場情報:新宿ピカデリーほか、全国劇場にて開催
『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念 出版企画
下記、4企画が2025年発売予定で進行中。続報をお待ちください。
●『宇宙戦艦ヤマト』画集(仮) むらかわみちお・著
●『宇宙戦艦ヤマト』デザイン画集(仮) 玉盛順一朗・著
●『宇宙戦艦ヤマト(1974)』全記録集【50周年記念版】(仮)
オールカラー A4 2冊組(予定) 発行/株式会社カラー
●コミック版「宇宙戦艦ヤマト」(仮)聖 悠紀・著
発行/株式会社カラー
庵野秀明 企画・プロデュース/放送50周年記念「宇宙戦艦ヤマト 全記録展」
2025年3月15日(土)~31日(月) 東京・渋谷にて開催決定!
大阪は2025年夏開催予定!
(オフィシャル素材提供)