イベント・舞台挨拶

『サンセット・サンライズ』公開初日舞台挨拶

© 2024 TIFF

 登壇者:菅田将暉、井上真央、中村雅俊、三宅 健、岸 善幸(監督)、宮藤官九郎(脚本)

 第37回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門招待作品として選出された、映画『サンセット・サンライズ』 (公開中)。この度、本作の公開初日舞台挨拶が1月17日(金)に都内劇場で開催され、菅田将暉、井上真央、中村雅俊、三宅 健、岸 善幸監督、宮藤官九郎が上映後の舞台挨拶に登壇した。

 『サンセット・サンライズ』は、書いたドラマは必ず注目を集め期待と信頼を一身に浴びる宮藤官九郎が脚本を担当し、2023年の『正欲』で第36回東京国際映画祭最優秀監督賞と観客賞を受賞した岸 善幸が監督。ともに東北出身でもあるふたりの異色のコラボレーションから生まれた本作は、 『あゝ、荒野』(17)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか数々の映画賞を受賞して以来7年ぶりに岸監督とタッグを組んだ菅田将暉を主演に迎え、都会から移住した釣り好きサラリーマン⻄尾晋作と、宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。

 映画『サンセット・サンライズ』の公開初日舞台挨拶が開催され、主演の菅田将暉をはじめ、井上真央、中村雅俊、三宅健、監督の岸善幸、脚本の宮藤官九郎が上映後の舞台挨拶に登壇した。本作のイベントで、菅田将暉、井上真央、中村雅俊が顔を揃えるのは今回が初めて。菅田は「現場で中村さんと最初にお芝居したのが、僕(晋作)が家を借りることになって、電話がかかってきて、電話に出たら遠くに中村さんと井上さんが双眼鏡を持ちながらこっちを見ているというシーンでした。現場でも本当に遠くに(中村さんが)見えたんですけど、(指と指を狭むポーズをしながら)こんなんで(笑)。<小っちゃい中村さん>を覚えています」と懐かしそうに述懐。

 この言葉に中村も「俺も<小っちゃい菅田くん>を覚えてます(笑)。その時、菅田くんを初めて見ました。それまで会ったこともないので『これが菅田か……』と思って見ていました」と初共演を振り返る。

 井上は“父”中村について「いつもシュッとされているので、(役柄の衣装の)腹巻とか、ももひきをつけている姿が想像できなかったんですけど、いざ現場に現われるとすごく似合ってらっしゃって(笑)。でも方言については雅俊さんはネイティブなはずなのに、すごく現場で練習されていて……」と現場での様子について明かす。

 宮城県出身の中村は「俺ね、ネイティブの宮城弁をしゃべれると思ったら、意外と難しいんですよ(苦笑)。俺は女川で、(本作の舞台の)気仙沼とはビミョーに違っていて結構、練習しました。自分で言ってて『あれ? これネイティブじゃないな……』と思いながら」と苦笑交じりに語った。さらに中村は「最初の問題は『俺が漁師に見えない』というところから始まって……」と振り返ったが、岸監督は「ご協力いただいた漁師さんたちになじんでいただいて、魚のさばき方とかを一緒にやっていくうちにどんどん漁師に見えてきました」と称賛を送る。

 宮藤の脚本は、さまざまな小ネタが満載だが、菅田は「そういうの(=小ネタ)がいっぱいで、冒頭のアニエスベー(※釣りのエサのイソメが『アニエスベーのロゴに見える』というギャグ)に始まり……これ、どうやって撮るんだろう?って思っていたら、すごく大変だったみたいです、現場で(笑)」と指摘。宮藤は「アオイソメがアニエスベーに見えるなって、前から思ってたんです(笑)。どうやって撮るんだろうと思っていましたけど、(完成した映画を)見たら完璧」と製作陣を称賛。岸監督は「実は、CGですごく大変だったんです(苦笑)。イソメの口が開いてエイリアンみたいになるところまで想定したんですけど、流石にそこまではお金がなかったです」と明かし、菅田も「CG部の人も発注が来た時、ビックリしたでしょうね。(気仙沼の描写の)大自然がリアルで<イソメがCG>って変な話ですね(笑)」と楽しそうに笑みを浮かべていた。

 井上は、宮藤の脚本について「コメディ要素だけでなく、宮藤さんが描く、さみしさ、モヤモヤした気持ちがふっとにじみ出る瞬間、(自身が演じた)百香の最初の『キレイ……』というひと言もそうですけど、観ている人に託す感じがすごく好きです」と語り、三宅も「笑いも大好きですけど、行間を感じられる脚本だったので、『泣く』とか意識せずとも、気づいたら宮藤さんのセリフで気持ちを持っていかれることが多々ありました」と明かす。

 宮藤は、“モモちゃんの幸せを祈る会”のメンバーのタケを演じた三宅の現地への溶け込みっぷりも絶賛! 「現場でお会いした時、金髪で真ん中がちょっと黒くなってる人がいて『絶対に地元の方だ……、地元の暴走族が来ちゃったんだな』と思ったら本物の三宅さんでした(笑)。すごくハマっていてビックリしました」と明かし、会場は笑いに包まれていた。

 また、中村もデビューから半世紀以上を経て、地元・宮城県で撮影され、初めて宮城弁のセリフをしゃべることになった本作への特別な思いを口にする。さらに、共に演じるシーンはなかったものの、かつて中村の付き人を務めていた小日向文世と、初めて同じ作品へ出演したそうで「エンドロールで、名前が並んで出てくるのは初めて。特別な思いでした。すごく嬉しくて、最後のタイトルを見た時『あぁ、小日向と俺が映ってる……』と」と感慨深げに語り、会場は温かい拍手に包まれた。

 菅田が「小日向さんが中村さんに『つなぎを借りパクされた』と楽しそうに話してました」と小日向から聞かされたという“疑惑”について、真相を尋ねると中村は「もう40何年前の話(笑)。あいつが、デカいつなぎを着てて、それがすごく良いんですよ。『小日向、それちょっと貸してよ』って言って、そのまま何かの番組に出て、返さずにいたら何十年も経っていて。『雅俊さん、あれ、どうしました?』って聞くから『あんなのどこ行ったか知らねぇよ』って言ったら『ひどい!』って(笑)」と明かし、再び会場は笑いに包まれていた。

 また劇中、中村と菅田が2人で朝焼けの中で歌う感動的なシーンもあるが、菅田は「気持ちよかったですねぇ。朝の気仙沼の水平線がキレイで……」としみじみと語り、中村も「感激するほど素晴らしい景色でいい感じでした」とうなずいていた。

 笑いの絶えない撮影現場だったことがキャスト陣のトークからも伝わってきた本イベント。続いて2025年の“初笑い”エピソードを尋ねられると、三宅は、自身の初笑いとして、本作のライブ配信イベントでの井上のある振る舞いについて言及。「おそらくYouTubeの生配信を井上さんはやったことないからご存じなくて、僕が、配信にコメントを寄せてくれる人たちのコメントを自分の携帯で見ていたんですけど、僕のスマホを取って『私が撮ってあげる』って言い出して……(笑)。『この人、本当に天然なんだな』って笑っちゃいました。とてもかわいらしい人だなと思いました」と井上の天然でキュートな一面を明かしてくれた。

 舞台挨拶の最後に岸監督は「現場も本当に笑いがたくさんあふれていて、楽しい撮影が終わりまして、なんとか現場で感じた笑いを映画として完成させたいなと思いました。今日、楽しんでいただけたら本望です」と観客に語りかけ、菅田は「皆さんのおかげで公開できて、こうして舞台挨拶ができて嬉しいです」と感謝の思いを口に。そして「(この映画を観て)晋作のように、いろんなところに旅に行くきっかけになったり、『おいしいものが食べたいな』と気仙沼や東北の地に足を運んでいただけると嬉しいです。あとは、どうか皆様、今年も一年、健康でがんばっていきましょう!」と呼びかけ、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。

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 映画『サンセット・サンライズ』は、全国公開中!

公開表記

 配給:ワーナー・ブラザース映画
 全国公開中

(オフィシャル素材提供)

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