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“第77回カンヌ国際映画祭で【審査員特別賞】を受賞し、先日発表された第97回アカデミー賞®では<国際長編映画賞にノミネート>! 2022年に実際に起き社会問題となった、ある若い女性の不審死に対する市民による政府抗議運動が苛烈するイランを背景に、家庭内で消えた一丁の<銃>を巡って家族も知らない家族の顔が炙り出されていく―――予測不能に加速する衝撃のサスペンス・スリラー『聖なるイチジクの種』(2/14公開)より、警察に逮捕される危険を避けるため、撮影現場に入らず、オンラインで撮影現場に参加した撮影当時の過酷な状況について明かしたインタビュー映像が解禁された。
これまで手がけた数々の作品がイラン国家に対して<反政府的>だとして、逮捕・投獄されてきたラズロフ監督。本作撮影時も、いつ警察に踏み込まれ、その場合は、スタッフやキャストたちにも危険が及ぶ可能性が高かったため、自身が現場に入ることができなかったことが多かったと言う。「近くにいて、オンラインで、撮影見ていたことも」「全てが制約に縛られていた」と当時の状況を述べつつ、他、脚本を書くときはいつもこの<特殊な事情>を考慮しながらストーリーを作っていたことや、ある<家>のセットの中に、どうしても“独房”のような場所を作りたかった理由のほか、「国境を越え、さまざまなジャンルを融合させることを意識」「批評家から非難されるかもしれないと思いながらも私はそれを大いに楽しみました、この自由さが私には楽しかった」と振り返り、そして「<この映画が完成することはないだろう>とよく自分に言い聞かせていました」「だから自分の好きなように 自由に物語を語るべきだと思いました」と当時の覚悟を明かしている。
結果本作撮影後に、懲役8年、鞭打ち、財産没収の実刑判決を受けた監督は、2024年にイラン国外へ脱出を決意。28日間かけてカンヌ国際映画祭に足を踏み入れ本作のプレミアに参加、審査員特別賞を受賞するという快挙を成し遂げている。
“ある日、家庭内で1丁の銃が消えた――。”
国家公務に従事する一家の主・イマンは20年間にわたる勤勉さと愛国心を買われ夢にまで見た予審判事に昇進。しかし業務は、反政府デモ逮捕者に不当な刑罰を課すための国家の下働きだった。報復の危険が付きまとうため国から家族を守る護身用の銃が支給される。しかしある日、家庭内から銃が消えた――。最初はイマンの不始末による紛失だと思われたが、次第に疑いの目は、妻・ナジメ、姉のレズワン、妹・サナの3人に向けられる。誰が?何のために? 捜索が進むにつれ互いの疑心暗鬼が家庭を支配する。そして家族さえ知らないそれぞれの疑惑が交錯するとき、物語は予想不能に壮絶に狂いだす――。
公開表記
配給:ギャガ
2025年2月14日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開公開