イベント・舞台挨拶

『ロングレッグス』PRESS HORROR独占試写会トークショー

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 登壇者:岸本 誠(都市ボーイズ)
 MC:西川 亮(PRESS HORROR編集長)

 2024年公開の独立系作品において全米興収1位の大ヒットを記録した映画『ロングレッグス』。この日、日本の観客に初披露となる最速試写会が開催され、話題作をいち早く観られるだけあり多くの映画ファンが会場に集結。上映後、衝撃のクライマックスにざわつく観客の前に、ゲストの都市ボーイズ・岸本 誠が登場し、トークショーがスタートした。まず、映画の感想について問われた岸本は「ニコラス・ケイジが出ているって聞いていたのに、全然出てこない(笑)。でも出ているんですよ。ジャンルが、ホラーやサスペンス、オカルトなど混ざっていろんな映画の良いところがある。Jホラーっぽさがあるところも印象に残っています」と、ニコラス・ケイジの怪演ぶりとジャンルの幅広さに触れ、本作の見どころをコメント。

 本作の舞台となる1995年前後は、『羊たちの沈黙』、『セブン』、「ツイン・ピークス」などシリアルキラーやスリラーが世界的にブームになった時代。それらのサイコ・スリラーの系譜を今に受け継ぎ、オズグッド・パーキンス監督の手により革新的にアップデートさせた。岸本は海外テレビドラマ・シリーズの「X-ファイル」の要素も感じたといい、「「X-ファイル」は今の活動の礎を築いたもの。人体発火の話が出てくるんですけど、実際に人体発火しやすそうな人を見つける遊びをやったりして(笑)」と、独特な原体験を語り会場の笑いを誘った。

 また、一番恐怖を感じたシーンにロングレッグスが車の中で歌を歌うシーンを挙げ、「歌のシーンは本当に気味が悪かった。ロングレッグスはやたら歌が上手い(笑)。恰好も元ロックバンドの人みたい。映画『アンダー・シルバー・ザ・レイク』でも描かれているように、ロックバンドは悪魔と契約して売れるというジンクスがあり、彼の過去にそういうことがあったのではないかと想像しました」といい、また、本編にはロングレッグスが「クック――」という意味不明な言動をとるシーンが度々でてくるが、「はじめはニワトリの鳴き声かと思ったのですが、海外圏で「クック――」はカッコウの鳴き声を表します。カッコウは托卵といって、自分の産んだ卵を他の鳥に育てる習慣があるので、ロングレッグスが悪魔を家庭に植え付け、育てさせるという意味なのではないかと思いました」と考察。劇中には悪魔の象徴とされるヤギのモチーフが10か所隠されているなど、スクリーンの隅々まで謎が隠されているのだ。

 マイカ・モンロー演じるFBI捜査官は、鋭い感覚を頼りに捜査を進めていくが、実際にFBIで心霊捜査は行われることはあるのだろうか。岸本は、元公安の捜査官を取材した経験から、「実際にFBIが認めた霊能力者はいないのでは。日本でそういった能力がある人は、銃と手錠を持つ現場仕事からは外されると思います」という。

 また、若い世代を中心に、ホラーや都市伝説が再ブームを巻き起こしている理由について、「若い世代にとっては、今まで僕らが体験してきた口裂け女などの都市伝説は、ネットが発達しているので怖いと思わない。怖がらせる表現が出尽くした今、さらにブラッシュアップされている。作り手達が、難しい表現をやってるんだろうなというのは感じています」と語り、ホラーの名手オズグッド・パーキンスの手腕も評価した。

 イベント後、本当に怖かったと声を漏らす観客も多く、大盛況のうちに日本最速試写会は幕を閉じた。

公開表記

 配給:松竹
 2025年3月14日 全国公開

(オフィシャル素材提供)

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