登壇者：香川照之、関友太郎・平瀬謙太朗（監督集団「５月」）
MC：市場⾥奈（WOWOWアナウンサー）
⾹川照之を主演に迎え、現代を⽣きる罪なき６⼈の主⼈公たちの⼈⽣を描く群像劇「連続ドラマＷ 災」（読み︓さい）の完成報告会が３⽉20⽇（⽊･祝）にWOWOW Lab＜WOWOW放送センター内C館3F＞にて開催、主演・⾹川照之、監督集団・５⽉の関友太郎と平瀬謙太朗が登壇した。
本作に触れた瞬間に魅⼒を感じたという⾹川は、監督集団・5 ⽉について「【５⽉】というユニットは主役なのに最も少ないセリフの台本を書くのが天才」と称賛し、「それだけに主⼈公が何を考えるのか分からないところが増幅する。たくさん主役がしゃべっているドラマは多いが、僕が演じた役がどのようなことを考えているのか、それがこのドラマの⼤きな根幹になっている。その部分を楽しんでほしい」と本作を紹介。
関監督は本作の構想について尋ねられると「最初に⽬指していたのは新しい怖さ・恐怖だったり、味わったことのない気持ち悪さを楽しめる作品。いつも映像の企画やストーリーの構造の⾯⽩い点を最初に⾒つけ、その後に物語を考えていく」と、監督集団・５⽉の⼿法を明かした。本作も同様の順に「それぞれの舞台で毎回違う主⼈公が登場します。⼀⾒するとバラバラの話だが、それぞれのストーリーを追うとあるところで“男”がいる。毎話⾒ていくとその“男”だけが出てきて、“男”を追っていくと“災い”が起こる、それが⾒つかった時に⾯⽩いのでは」と考えたそう。唯⼀出てくる“男”は誰がいいか、という話になった時に映画『宮松と⼭下』でタッグを組んだ⾹川の名前が上がった。平瀬監督は「⾹川さんとは前にご⼀緒しているので、得意なこと・できることが全て分かっている。すごく難しい役をたくさんお願いしなくてはならない時に、⾹川さんとなら⼀緒に考えていくことができると思った」とオファーした理由を語った。
⾹川は「⾐装と髪型は１番の役作り。本作の⾐装合わせは２⽇間で、当時は⻑髪でこのドラマをやるために伸ばしていたのではと思うぐらい⼗分に⽣かされた。僕が各話で演じる役は社会に溶け込むような⼀般的な職業で、しゃべり⽅は監督たちに毎回相談していた」と明かし、監督たちからも「現場で撮影前に各役について⾹川さんから多くの提案があり、歩き⽅や⻭の汚さなどその都度決めていったことも多く楽しい現場だった」と撮影秘話を披露。
新しい怖いものを作る、という企画から出発した本作について平瀬監督は「この企画は最初に怖いものを作ろうと決め、監督するうえで常にそこに気をつけていた。従来のようになったら怖い、ではなく、現場で新しくつくっていく意識で、どっちのほうが怖いかみんなで議論しながらできたのがよかった」と振り返った。⾹川も「画⾓も、照明も、皆さんそこに向かっていた。特に照明は何が最も怖いのか、明かりを当てないパターンもあった。僕はとにかく平凡に芝居を⼼がける、画⾓と演出は怖さを⼼がけた」、関監督は「⽇常的なシーンなのに何か変、となるようにカメラマンと画作りをした」と明かし、新しい怖さに試⾏錯誤をした現場の様⼦を語った。
監督集団・５⽉の特徴を聞かれ、平瀬監督は「「作り⽅が新しければ、⾃ずとしてできるものも新しい」という考え⽅を根幹に、最初にどう撮るかを決め、我々がやりたかった映像表現が最も輝く形になる脚本を後から考える」という独特な⼿法に⾔及し、続けて関監督は「複数監督をおすすめしたい。アイデアは、⾃分の中にあるものだと良いか悪いかよく分からないが、⼝に出した瞬間にリアクションがあるから分かる」とユニットで活動するメリットを明かした。⾹川は「監督は現場で俳優に指摘できる唯⼀の存在。監督が⼀⼈でも多ければ多層的に指摘できるので俳優にとっては刺激を受けられてありがたい」と俳優としての視点から振り返った。
⾹川は「本作『災』は、みんなが納得するようなカタルシスではない。納得させることだけがドラマじゃない、カタルシスと提⽰しない勇気が新しい。観た⼈がどう思うか楽しみでなりません。歴史に残るドラマだと思う」と期待を込め、⾒どころを聞かれた平瀬監督は「カタルシスがない、ということ我々のひとつのメッセージでもあるので、そこを存分に楽しんでもらいたい。こういう⾒せ⽅があるんじゃないかと提⽰したかった」、関監督は「各話の素晴らしい表現⼒の主⼈公と、⾹川さん演じる“男”のシーンも⾯⽩さのひとつなのでぜひ観てほしい」と語った。
最後に⾹川は「映画に深い造詣を持っているWOWOWが発信するのにふさわしいドラマになっていると思う。必ず、毎回あるシーンで不思議な⾏動を仕掛けているので、ぜひリアルタイムで、さらに６本続けても観てもらえれば嬉しい」と本作の魅⼒をアピールした。
「連続ドラマＷ 災」（全６話）
放送配信日時：４月６日(日)午後10時スタート（全６話）
毎週日曜午後10時～ ※第１話無料放送【WOWOWプライム】【WOWOWオンデマンド】
監督・脚本・編集：関友太郎、平瀬謙太朗（５月）
チーフプロデューサー：西 憲彦
プロデューサー：高江洲義貴、日枝広道、伊藤太一、近藤あゆみ
制作プロダクション：AOI Pro.
制作協力：電通
製作著作：WOWOW
出演：香川照之
中村アン、竹原ピストル、宮近海斗
松田龍平、じろう（シソンヌ）、中島セナ、内田 慈、藤原季節、坂井真紀ほか
公式サイト：https://www.wowow.co.jp/drama/original/sai（外部サイト）
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