
戦後80年を迎える本年、戦争の記憶を次世代へと伝える新たなドキュメンタリー映画『満天の星』の公開が決定した。7月4日(金)に沖縄先行公開、8月全国公開となる。併せて、ポスタービジュアル、予告編も解禁された。戦争を経験した世代が年々少なくなっていく中、「なぜ戦争を繰り返してはならないのか」という問いを、数々の貴重な証言とともに、今を生きる私たちに投げかける。
監督は、「オシア ウコ」名義で、プロデューサーとして井浦 新、成田 凌主演『ニワトリ★スター』(17)や、『神在月のこども』(21)ほか、数々の作品をプロデュースし、本作が初監督作品となる葦澤 恒。そして、無名塾出身で、三池崇史監督作品『地球兄弟』(13)に主演し、『土竜の唄』(14)や『ウスケボーイズ』(18)など数多くの映画や舞台、ドラマに出演してきた俳優・寿大 聡が共同で制作した。
なぜ、対馬丸は狙われ、そして見捨てられたのか――。
一夜で784人の子どもたちが命を落とした、戦時下史上最大の学童死亡事件「対馬丸事件」。当時、この悲劇は箝口令により徹底的に秘匿とされ、その詳細は長らく闇に包まれていた。
対馬丸事件の生存者である中島髙男は、事件当時「対馬丸」の甲板員として乗船しており、沈没の衝撃でバラバラになった筏を、暗闇の海上を泳いで一つひとつ探し、それらを繋げ7人を救助した。数日間の漂流の末、奇跡的に生還したが、その後も、事件に関する厳しい情報統制の中で苦しみ続けた。中島髙男を祖父に持つ俳優・寿大 聡は、祖父の死をきっかけにその足跡を辿り、事件の真相に迫る旅に出る。戦争の理不尽さ、そして人々の記憶に埋もれた真実を追求する中で、寿大の旅は戦地ウクライナにまで及ぶ。その旅の果てで私たちが見るものとは。

© 2024 映画「満天の星」製作委員会
沖縄国際文化祭2025にて、4月6日(日)に上映決定!
今まで明かされることのなかった「対馬丸事件」を扱った本作は、“沖縄国際文化祭2025”に正式出品され、4月6日(日)に那覇文化芸術劇場なはーとにて上映が予定されている。また、“東京ドキュメンタリー映画祭2024”、“あきた十文字映画祭2025”にも出品され、“第27回 ゆふいん文化・記録映画祭”での上映も決定している。
監督・葦澤 恒、寿大 聡、そしてナレーションを務める田中真弓からコメントも到着!
葦澤 恒(監督)
2025年で、戦後80年となり、戦争を体験した世代の方々は、どんどんいなくなっている現代。あと数年すれば、日本人が地の底まで叩きつけられたあの戦争の悲惨さ、愚かさを、直接、体験者の生の声で聞くことはできなくなる。生存者の心に触れられないことが、一体どれほど、この後の時代を生きる者にとって危険なことなのか、考えなくてもわかると思います。まさに、戦争を体験していない僕らの世代は、どのようにして、次世代を担う、次の世代に、戦争の悲惨さ、愚かさを伝えていくのか。その想いを一心に、本作を制作しました。個々が受け止めて、なにかしら、心に感じてもらえるものがあれば、幸いです。
寿大 聡(監督)
戦争体験者がますます少なくなる現代においてどうやって戦争の悲惨さと命の大切さを「実感」をもって後世に伝えていけるのか? 世界大戦から80年たった今もなお、いまだ戦争が絶えず前途有望な若者たちは戦地に駆り出され、多くの民間人も未来を担う子どもたちも無力のまま命を落としています。こんな状況で良いわけがないのです。私は全くもって立派でもなく聖人君子でもなく間違いばかりで誇れる人生を歩んできたとは一切言えない人間ですが、「戦争」は絶対にいけないということは知っています。映画『満天の星』は、未来のために、「対馬丸」を通して反戦及び世界平和を訴え続けます。皆様ぜひ劇場までお越し下さい。
田中 真弓(ナレーション)
1982年に公開された『対馬丸 —さようなら沖繩—』では清役をやらせていただき、『満天の星』では、ナレーションを担当させていただきました。諏訪プロデューサーから連絡をもらった時は、とても運命を感じました。そして、心を込めてナレーションをやらせていただきました。「対馬丸で起こったことは、後世に伝えていく必要がある」この作品を語るには、この言葉がピッタリです。
公開表記
配給:NAKACHIKA PICTURES
7月4日(金) 沖縄先行公開、8月全国公開!
(オフィシャル素材提供)