作品紹介

『新世紀ロマンティクス』

© 2024 X stream Pictures All rights reserved

イントロダクション

 カンヌ、ベルリン、ヴェネチア、世界三大映画祭の常連にして、本作で中国人初の6度目のカンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品を果たした名匠ジャ・ジャンクー。初期の傑作『青の稲妻』『長江哀歌』やドキュメンタリーを含む2001年から撮り溜めてきた映像素材を使用し、総製作期間は22年に及ぶ。「斬新。過去の作品のすべては『新世紀ロマンティクス』のためにあった」とVariety誌は評する。実際の24歳・29歳・45歳の主人公たちの姿と、「百年に一度」と言われる、21世紀初頭から現在までの中国の変化を、フィクションとノンフィクションの垣根を超えて切り取ったリアリティ溢れる映像の力強さは、観る者の心を揺さぶる。映画内で人物も街も実際に変化していく、類い稀な、これまでにない傑作が誕生した。
 主人公チャオを演じるのは監督の妻でもあるチャオ・タオ。本作で長編ドラマは9作目のタッグだ。ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズ、吉田喜重と岡田茉莉子、ロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バーグマンのように、妻である女優を主演に映画を撮り続けるジャ・ジャンクーの期待に応える熱演が光る。ビンを演じるのは『青の稲妻』『長江哀歌』でも恋人役だったリー・チュウビン。2作で恋人を演じたふたりがそれぞれの作品の役名で交差する世界線に映画ファンの胸が熱くなる。音楽の使い方に定評のあるジャ監督の力量は本作でも健在。まるでジャンルレスなDJのプレイのように、時代時代を象徴し、チャオの気持ちを代弁する音楽がシームレスに流れる。また、ジャ・ジャンクーの盟友ユー・リクウァイと近作を手掛けているエリック・ゴーティエが撮影を担当。ここにも新旧の奇跡のコラボレーションが生まれた。映画音楽はこれまでのジャ作品とタッグを組んできたリン・チャンが手掛けている。
 かつての時間を閉じ込めた映像から、現代へ──時代の流れに翻弄され続けた主人公が出すひとつの結論が刻み込まれた珠玉のラスト・シーン。その強度に誰もが圧倒される。

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ストーリー

 新世紀を迎えた2001年。百万人以上の故郷が湖に沈んだ2006年。目覚ましい経済発展を遂げた2022年……。チャオは大同(ダートン)を出て戻らぬ恋人ビンを探して奉節(フォンジエ)へ、ビンは仕事を求めて経済特区・珠海(チューハイ)を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同へ――。閑散としていた街にビルが立ち並び、AIロボットはスーパーで接客をする。変貌し続ける街に飲み込まれながら、繰り返す出会いと別れ。時間は戻らない。だから、前へと進む。

 (原題:风流一代 |英題:Caught by the Tides、2024年、中国、上映時間:111分)

キャスト&スタッフ

 監督:ジャ・ジャンクー
 脚本:ジャ・ジャンクー、ワン・ジアファン
 撮影:ユー・リクウァイ、エリック・ゴーティエ
 音楽:リン・チャン
 出演:チャオ・タオ、リー・チュウビン
    パン・ジアンリン、ラン・チョウ、チョウ・ヨウ、レン・クー、マオ・タオ

ギャラリー

予告編

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オフィシャル・サイト(外部サイト)

映画『新世紀ロマンティクス』

  公式Xhttps://x.com/jia_zhangke(外部サイト)

公開表記

 配給:ビターズ・エンド
 5月9日(金)より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー!

(オフィシャル素材提供)

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