
登壇者:広瀬すず、杉咲 花、清原果耶、土井裕泰監督
多数の主演作を持ち、真に実力のある国民的俳優としてトップを牽引する広瀬すず、杉咲 花、清原果耶が奇跡のトリプル主演を果たし、『花束みたいな恋をした』以降、ドラマだけでなく『怪物』(第76回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞)、『クレイジークルーズ』(Netflix)、最新作『ファーストキス 1ST KISS』など映画でも精力的に活動する脚本家・坂元裕二が新たに書き下ろした 『片思い世界』は4月4日(金)より公開となる 。
3月27日(木)に公開直前イベントが実施され、トリプル主演の広瀬すず、杉咲 花、清原果耶に加え、土井裕泰監督が登壇した。同作のイベントとしては初めて観客を前にしたイベントで、上映を楽しみにしていただいている観客の皆様に、間もなく本作が公開になる気持ち、撮影中のエピソード等、ここでしか聞けない話を語った! さらに、撮影中ずっと一緒に過ごしていたという広瀬、杉咲、清原は本当に思いが通じ合っているのか……!? それぞれ自身にまつわるクイズを出題する“両思いゲーム”を実施した。
本作の登場人物はある大きな秘密を抱えており、その秘密がいったい何なのか、ということが話題となっている本作。この日の観客は、ひとあし先に映画を鑑賞し、その秘密を共有することができるとあって「うれしいですね」と笑顔を見せた杉咲は、「最初に集まったのは2年前。そこから長い日々でしたが、ようやく完成した作品をこうやってお届けすることができてホッとしています」とコメント。続く清原も「映画がつくられるということは当たり前じゃないんだな、ということを痛感する日々だったので、ついに、という気持ちと、うれしい気持ちがあります」とつづく。そして広瀬も「なかなか内容を話せる映画ではないので、プロモーションでも三人で考えながら、支え合いながらずっとやらせていただいているんですけど、きっと観ていただいたら、こういうことなんだと分かっていただけると思うので。内に秘めたものが今日届いたらいいなと思っています」と呼びかけた。
さらに土井監督は「この三人で映画をつくると発表してから2年以上がたって。いろいろとあって少し遅くなってしまったのですが、ようやく観ていただける日が来たんだなと思うと感無量です。ただ秘密が何か、ということよりも、その先にあるもの、観終わったあとにどういうものを受け取って帰ってもらえるかということを考えながらつくっていたので、そういう意味で楽しんでいただいて。まっさらな気持ちで帰っていただきたい」と語りかけた。
この日は本作のタイトルにちなみ「片思いをしていること」という質問が。それにはまず広瀬が「インスタで、よくお子さんをあげているアカウントがありますが、実はわたし、何人もその成長を見守っているんです。かわいくてついついチェックしちゃうんですが、勝手に片思いをして、成長を見守ってる子どもたちがたくさんおります」と告白。

続く杉咲は、「母がつくってくれたご飯ですかね。ミートソースパスタとか、ハンバーグとか。本当においしくて、一回レシピを教えてもらってつくったんですけど、なかなか母のつくるようにはできなくて。何が違うんだろうと思って。それでずっと片思いをしています」とコメント。

清原は「ショートカット」と回答。「生まれてからショートカットにしたことがなくて。なかなか髪の毛を切る機会もなかった」とその理由を明かすと、広瀬と杉咲はクスクスと笑いながら「わたしたちみたいな感じ?」と笑顔。その言葉に清原も「二人ともショートカットがお似合いなので。ふたりのショートカットに片思いしています」と語るも、「本当は坊主頭とか、丸刈りとかもやってみたいんです」と大胆なコメントを付け加え、会場を驚かせるひと幕も。

そんな三人の“片思い”を笑顔で聞いていた土井監督は、「僕も相当ショートカットなんで。清原さんにも片思いをしてもらいたいですね」と冗談めかすと、「ぼくにとって映画は小さい時からあこがれの世界。これまで8作くらい撮らせていただきましたけど、奥が深いというか、届かないというか。いつまでも映画というものは憧れというか、片思いしているものだなと思っています」とコメント。その言葉に三人のキャストも「とってもすてき」と拍手を送っていた。
また映画が公開される4月からは新生活がはじまる人も多いが、キャスト陣の「新年度にはじめたいこと」について質問がおよぶと、まず杉咲が「30代にむけて運動をはじめたいなと思っていたので、ピラティスをしてみたい」と語ると、清原も「わたしはカホンという打楽器がほしくて。趣味でギターとかいろんな楽器をさわっているんですけど、今度はリズム楽器をさわってみたい」と意気込みを明かす。
そして広瀬が「わたしは自転車がけっこう好きで。冬は寒すぎてあまり乗れなかったんですけど、最近になって、やっと気持ちいい天気になってきたので、爆走したい。楽しみです」とコメントすると、土井監督が「2日前に新しい作品の撮影がはじまったのですが、もういい歳なので、健康に気をつけて乗り越えたい」と決意を語るひと幕もあった。
撮影を通じて仲を深めたという三人だが、この日はそれぞれのパーソナルなことを題材とした3択クイズをお互いに出し合い、さらに仲を深めようという趣旨のクイズを行うことに。まずは広瀬が「最近家具を買いたいと思っているのですが、どの家具でしょうか?」と出題し、全員が「ソファ」と解答。これには杉咲が「この間、すずちゃんの家に行ったときに、そう言ってました」と種明かして会場は大笑い。
杉咲の問題は「最近食べて感動したものはなんでしょうか?」というものだが、それには監督と広瀬が「晩白柚(ばんぺいゆ)」と解答。ちなみに清原は、ふたりが「馬刺し」にハマっていたということから「馬刺し」と返答。続いて清原が「二人と一緒に食べたいと思っているものは?」という問題を出し、広瀬と杉咲が「鉄板焼き」と解答。実は清原の誕生日の時に三人で鉄板焼きを食べに行こうと計画していたというが、その時は予約がとれずに断念。今度こそは一緒に行こう、と言い合っていたということで、「鉄板焼き」という答えになったという。とにかく撮影中もすっかり意気投合し、ずっと話をしていたということで、お互いのことをよく知り合っていた三人。まさに三人は全員「両思い」ということで話はまとまった。
そんな楽しいひとときも終盤に。最後のメッセージを求められた土井監督は「この物語は少女の時に出会った三人が12年間一緒に暮らしているという、とても小さな物語なんですが、それがとても大きな世界につながっています。今、世界ではいろいろなことが起きていますし、いろんな思いを抱えて生きている人がいますが、そういう人たちの気持ちを代弁しているような、そんな映画だと思います。そういうものを最後に感じていただけたら、ぜひご家族やお友だちに広めていただけたらうれしいなと思います」とあいさつ。
続いて清原が「誰かを思う気持ちや、思いやる気持ちの尊さ、すばらしさ、かけがえのなさをギュッと詰め込んだ作品です。日常の中でありふれてしまって、過ぎ去ってしまうものも多いですが、その中でも自分自身の大切なものだったり、守りたいものをそれぞれの胸に抱き締めていられるような、そんなきっかけになる作品になるとうれしいです」とメッセージを送ると、杉咲も「ここまで物語の内容に触れられない舞台挨拶もないなと、もどかしい気持ちがありますが。存在することに対しての肯定を、ここまで実験的に描いた物語もなかなかないんじゃないかと、個人的に感じています。この劇場が明るくなったときに、隣にいる友人、恋人、もしくは、はじめましての方のことを、よりイメージしてみようと思えるような映画になったらうれしいです」とコメント。
最後に広瀬が「いま監督をはじめ、ふたりが言ったことがまさにそうで。小さな光を信じたくなるような、とてもいとおしく、尊い時間をこの作品の中で生きさせていただけたことが、わたしにとって宝物の時間だったなと感じられる作品です。映画を観た後に外に出たらまたちょっと価値観が変わるような、違う目で世界を見つめることができる。そんなきっかけになったらいいなと。ぜひ楽しんでください」と会場に呼びかけた。
公開表記
配給:東京テアトル、リトルモア
2025年4月4日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開