
『牯嶺街少年殺人事件』、『ヤンヤン 夏の想い出』などのエドワード・ヤン監督が、1996年に発表した『カップルズ』が4Kレストア版として蘇り、4月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマート新宿 他にて公開となる。
この度、濱口竜介(映画監督)、九段理江(小説家)、柴田聡子(シンガー・ソングライター、詩人)、和田彩花(アイドル)、小林エリカ(作家・アーティスト)、ホンマタカシ(写真家)より『カップルズ』4Kレストア版への絶賛コメントが到着した!
さらに、『カップルズ』4Kレストア版の公開を記念して上映が決定している『牯嶺街少年殺人事件』(91)のトークイベントに俳優・池松壮亮の登壇が決定!!
各界著名人6名より『カップルズ』4Kレストア版への絶賛コメントが到着!
既に予告編にてコメントの一部が解禁されている映画監督・濱口竜介のコメント全文が解禁。濱口は「エリック・ロメールのように個人を撮りながら、フリッツ・ラングのように社会を撮るとしたらきっとこんな作品なのではないか、と。信じられないかもしれないがその目で実在を確かめてほしい」と、本作がいかにエドワード・ヤンのフィルモグラフィの中で際立っているかについて言及。日本人の欺瞞をユーモラスに描き、第170回芥川龍之介賞を受賞した「東京都同情塔」の小説家・九段理江は「麻雀の配牌みたいにどんなことも起こり得るこの場所で、エドワード・ヤンが閉じ込めた刹那と本能だけが本当」と現代性を帯びた本作の悲劇性を述べ、シンガーソング・ライター/詩人・柴田聡子は「気持ちや状況に整理をつけずに生きる強さを持ちたいと思う作品でした」とその見事なカメラワークと編集も含めて絶賛。アイドル・和田彩花は「都市の欲望の渦に巻きこまれながら見る希望とはどんなものか? 94年生まれの私は、現代をここにみた」と、現代社会の行きつく先について述べ、作家/アーティスト・小林エリカは「彼の鮮烈さと予見的な創作に、私はあらためて打ちのめされた」とファンならではのコメントを残し、写真家・ホンマタカシは「なぜ、このショットが反復されるのか? 僕の興味はその問いかけにこそある」と本作を推薦した。
コメント全文
濱口竜介(映画監督)※一部コメント解禁済
『牯嶺街少年殺人事件』の少年たちが成長し、『恐怖分子』の鋭利さと『恋愛時代』の軽みを併せ持つ映画をつくりあげた。
生涯七本しか長編を遺さなかったエドワード・ヤンの監督作品で見逃してよいものは一つもないとしても、『カップルズ』における協和と不協和の絶え間ない交替とその滑らかさは、フィルモグラフィの中でも際立っている。
浮わついた印象もある邦題は驚くほどこの映画の骨組みを言い当てており、都市をさまよう人びとの組み合わせ=カップリングの千変万化を経て、気づけば映画はたった二時間で世界の涯てのような場所までたどりつく。
だが、不吉な予感が希望に化けるとしたら、そこでしかないのだ。
「賭けろ」というヤンの囁きが聞こえる。
ふと思う。エリック・ロメールのように個人を撮りながら、フリッツ・ラングのように社会を撮るとしたらきっとこんな作品なのではないか、と。
信じられないかもしれないがその目で実在を確かめてほしい。
九段理江(小説家)
信じなければ騙されない。愛さなければ傷つかない。
感情は禁物で、キスは不吉。
分かりきったことを私たちが繰り返すのは、この世には悪党と馬鹿しかいないから。
麻雀の配牌みたいにどんなことも起こり得るこの場所で、エドワード・ヤンが閉じ込めた刹那と本能だけが本当。
柴田聡子(シンガーソング・ライター/詩人)
鑑賞中、誰もがただ「人間」であったらよかったのにという絶望を抱きながらも、台詞の頑丈な構造や明晰な編集によってたくさんの視点が示され、カメラワークは温かく面白く、気持ちや状況に整理をつけずに生きる強さを持ちたいと思う作品でした。
和田彩花(アイドル)
言語、立場の違いを超えて押し寄せる都市の欲望の渦に巻きこまれながら見る希望とはどんなものか?
94年生まれの私は、現代をここにみた。
小林エリカ(作家・アーティスト)
エドワード・ヤンの描く台北と人間は、どこまでも苛烈で悲しく、そして美しく、一刻も目を逸らすことができない。
彼の鮮烈さと予見的な創作に、私はあらためて打ちのめされた。
ホンマタカシ(写真家)
斜め上からのアングルで、2回路上のウンコを踏むショットがある。
1回目、ゴミ捨てをした男が踏んでしまい吐き捨てる。「クソったれめ」。
そして3分後、今度はチンピラが同じ過ちを繰り返す。「クソを踏んじまった」。
なぜ、このショットが反復されるのか?
僕の興味はその問いかけにこそある。
『カップルズ』4Kレストア版 公開記念『牯嶺街少年殺人事件』トークイベントに池松壮亮の登壇が決定!!
エドワード・ヤン監督『カップルズ』4Kレストア版の公開を記念して、4月11日(金)よりシネマート新宿、センチュリーシネマ、京都シネマ、シアターキノ(4月19日[土]~)、横川シネマ(5月10日(土)~)の全国5館で1週間限定上映される、映画史に燦然と輝く傑作『牯嶺街少年殺人事件』。この度、4月13日(日)にシネマート新宿にてトークイベントの開催が決定し、ゲストとして俳優・池松壮亮の登壇が決定! エドワード・ヤン監督は、自身にとって学生時代からスペシャルな存在だという池松。聞き手に映画評論家・森 直人を迎え、二人からどんなトークが繰り広げられるのか乞うご期待!
イベント概要
『カップルズ』4Kレストア版 公開記念 『牯嶺街少年殺人事件』上映+トークイベント

内容:『牯嶺街少年殺人事件』上映+トークイベント
※ 当日『カップルズ』4Kレストア版の併映はございません
日時:2025年4月13日(日) 11:40~『牯嶺街少年殺人事件』上映 / 15:41~休憩 / 16:00~トーク
場所:シネマート新宿 スクリーン1(新宿区新宿3丁目13番3号 新宿文化ビル6F)
トークゲスト(予定):池松壮亮
聞き手:森 直人(映画評論家)
入場料金:2,000円均一 ※招待券、無料券使用不可
【チケット販売】
<オンライン予約>
4/4(金)21:30よりシネマート新宿オンライン予約ページ
⇒https://cinemart.cineticket.jp/theater/shinjuku/schedule(外部サイト)
<劇場窓口販売>
4/5(土)劇場開館時間より
※ オンライン予約にて完売の場合は、劇場窓口での発売はございません。予めご了承ください。
【池松壮亮 プロフィール】

1990年生まれ、福岡県出身。ハリウッド映画『ラスト・サムライ』(03)でスクリーン・デビュー。日本大学芸術学部映画学科卒業。これまで映画を中心に数々の作品に出演し国内外での評価を高め、数多くの映画賞を受賞している。24年には『ぼくのお日さま』、『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』、『本心』が公開され、第98回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞など、多くの助演男優賞を受賞。25年は『フロントライン』、『The オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ movie』の公開を控えている。また26年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」では、豊臣秀吉役を演じることが発表されている。
公開表記
配給:ビターズ・エンド
4月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマート新宿 他にてロードショー!
(オフィシャル素材提供)