記者会見

『花まんま』完成報告会見

© 2025「花まんま」製作委員会

 登壇者:鈴木亮平、有村架純、前田 哲監督

 映画『花まんま』完成報告イベントが都内で行われ、主演の鈴木亮平と共演者の有村架純、メガホンを取った前田哲監督が登壇してクロストークを行った。

 本作は、第133回直木賞受賞作・朱川湊人の短編「花まんま」を映画化。早くに亡くした両親と交わした約束を胸に、大阪の下町で二人きりで暮らす兄・加藤俊樹(鈴木)と妹・フミ子(有村)の物語。フミ子には兄に伝えていないある秘密があった。ある兄妹の不思議な体験が描かれる……。映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』、『そして、バトンは渡された』などの前田 哲監督が映画化した。

 小さな花の弁当(花まんま)と満開のつつじの花のバックパネルが飾られたステージに鈴木亮平、美しいブルーのドレスで有村架純が登壇。続いてメガホンを取った前田哲監督が登壇した。

 鈴木と有村は映画賞の授賞式などで顔を合わせることはあったが、映画での共演は初。全編関西弁で、撮影も関西で行われた。2人は同じ兵庫県の出身で、リアルな関西弁を話せる。

 初共演の感想を聞かれ、鈴木は有村について「びっくりするほど初日から兄妹感をお互い感じられたんです。とても相性が良かった」と笑顔で話す。「すごく自然体で、テレビに出ている印象と実際がほとんど変わらなかった。凛としていて、存在感があって、でも親しみやすい。柔らかいけど、ブレない信念を持っているところがフミ子にピッタリだった。なかなか出会えない人」と話す。

 有村は「わたしも(相性がいいと)思っています。初日から“兄(にい)やん”として佇んでいてくださった。いろんな感情を引き出してもらいました」とにっこり。「ストイックで職人気質のイメージがありましたが、現場では普通のお兄さんでいてくださって、お茶目な一面もありました。懐が深い人。人を信用して身を委ねて現場を進めていく方なんだなと感じました」とコメントした。

 初めて脚本を読んだときの感想を聞かれた鈴木は「これは感動するやろ!と思いました。出来あがった作品を観て、さすが前田監督だなとビックリしました」と話す。「関西弁って独特な言語だと思うんです。(共演者が)有村さんで良かった」と関西を舞台にした作品で、関西出身者二人だからこその関係性が築けたことを伝えた。

 また、「関西人は本音を真剣に伝え合うことを少し恥ずかしく感じて、笑いを入れたり、明るくしたいという部分があると思います。でもどうしても溢れ出てしまう思いもある。関西を舞台にした意味がしっかりある作品だなと感じました。やっぱり関西弁で出来るというのは非常に大きい。お互い生まれ育った場所が同じということもありますし、兄妹愛だけではなく、親子愛とか、亡くなった大切な人への思い、心の痛みなど、どのようにして乗り越えていくのか、いろんなメッセージが伝わってきます」。鈴木は演じるにあたり、誇張しないよう、現実の“きょうだい(兄妹)の距離感”を大事にしたことも話した。

 有村も「脚本の軽快な空気感がしっかり反映されていましたし、群像劇としてもまとまっていてスーっと物語に入れました」と話した。また、「私も初めて脚本を読んだときに、懐かしい気持ちになったり、クスっと笑える部分もあって、また新しい作品が出来るんじゃないかなって思って参加させていただくことにしました。自分自身の過去を振り返ることができるような作品です」と話した。

 兄妹という関係性について鈴木は「『現実の兄妹ってこういう距離感だよね』ということを大切にしました」と役へのアプローチ方法を明かし、「リアルだよなって思ってもらえるような距離感は大切にしました」と話した。

 鈴木のお茶目な一面について聞かれた有村は「お箸を落としたり、水をこぼしたりするんです。手の力が弱いのかな。人間味を感じて嬉しくなりました」と首をかしげると、鈴木は「手の力弱いんじゃなくて、手に力が入りすぎて、お弁当とかの箸をすぐに折ってしまうんですよ。力の加減が分からないんです」と苦笑いで説明し前田監督と有村を「エ~っ!?」と驚かせていた。

 キャスティングについて、前田監督は「関西を舞台にすると決めていて、俳優さんも関西弁ネイティブの方に出ていただきたかった。兄やんと言えば『(鈴木が)いた!』と思ってお願いしました。亮平さんは、リーダーシップがあるし、みんなを温かく見守ってくれる。現場でも常に前に進む言葉を返してくれた」と話し、そして「今までにない組み合わせにしようと思い、有村さんにもお願いしました。フミ子はやわらかく見えるけど、芯が強い。東大阪の町工場の中で、一輪のきれいな花が咲いているイメージでした」と説明した。

 物語のクライマックスとなる、フミ子の結婚式について、俊樹のスピーチ内容を練り直すことを提案したという鈴木は「僕だけで考えたわけではなく、監督と脚本家の方とみんなで作って直しています」と話した。感動の素晴らしいシーンとなっている。

 「関西が舞台の作品ならではの魅力は?」と聞かれ、鈴木は「オール阪神・巨人師匠が出ていることじゃないですかね」と発言して「ギャクを教えてもらいました」と話し、前田監督と共に「猫背」(ニャー)「鳩胸」(ポッポー)というギャグを披露して、会場を笑わせた。鈴木は幼馴染役のファーストサマーウイカについて「フミ子との対比が面白い」と話し、フミ子の婚約者・鈴鹿について、有村は「現場に癒しのオーラを充満させている」と称賛。

 最後に前田監督は「亮平さんと架純さんと一緒にこの映画を作り上げたことは僕の喜びです」。有村は「春にピッタリの温かな作品が出来ました」。鈴木は「愛とか命、自分が生きているのは誰のおかげなんだろうということを感じていただいて、温かい涙を流していただけたら……」とメッセージを伝えた。

 タイトルの「花まんま」とは、子どものままごと遊びで作った、大切な人に贈る小さな花のお弁当のこと。

 (取材・文・写真:福住佐知子)

公開表記

 配給:東映
 ✿2025年4月25日(金) 全国公開 ✿

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