
登壇者:こがけん(お笑い芸人)、矢田部吉彦(前東京国際映画祭ディレクター)
『ミッドサマー』や『LAMB/ラム』など規格外の狂気を提示し続けてきたA24が『クワイエット・プレイス』脚本コンビを監督、脚本に迎えたヒュー・グラント主演の映画『異端者の家』(4/25公開)。この度、映画大好きお笑い芸人のこがけんと、前東京国際映画祭ディレクターの矢田部吉彦が登壇するトークイベント付き特別試写会が開催された。
主演がヒュー・グラントでしかも制作がA24であることで鑑賞前から本作に大きな期待を寄せていたというこがけん。その後、実際に鑑賞した後の第一印象は「<面白い>っていうのが第一の感想ですが、思っていたのと違う面白さがありましたね!」と予想していたものから良い意味で裏切られた面白さがあったと告白。同時に、原題である『Heretic』(異端者)のタイトルの意味を熟考しながら鑑賞、このタイトルが持つ深い意味にも感銘を受けていたことも明かし、今回日本公開にあたって名付けられた邦題『異端者の家』が結果的に本作のテーマを見事に表しているとも見解を語った。
続いて、『ブリジッド・ジョーンズの日記』や『ノッティングヒルの恋人』など、ラブコメ映画の帝王として知られていたヒュー・グラントが、本作ではそのイメージを一気に覆し、こがけん曰く「多分友達いない」<サイコパス>に挑戦していることに言及。
「今までラブコメでブイブイ言わしてきた彼の人生までもが伏線だった」と感服し、ヒュー・グラント演じるミスター・リードの「どこか信用できるようで信用できない存在感」について、彼のフレンドリーな態度に騙されそうになるものの「徐々に真の姿が明かされていく展開」に恐怖を覚えたという。矢田部も、会話劇も重要な要素となっている本作が、劇中主な舞台となる<家>そのものが一つのキャラクターとして機能していると指摘。家の窓の異様な小ささほか、なんだか違和感の残る不思議な構造が、観客に閉塞感を与え、物語の緊張感を高める役割を果たしているとも述べ、「2回目の鑑賞で、やっぱり逃していたカットとかショットとかに気づく」と述べた。そして、撮影監督には『オールド・ボーイ』など狭い空間の中でスリリングな映像を作り上げることでも知られる韓国のチョン・ジョンフン氏が起用されていることも説明し、本作でもその手腕が存分に発揮されていると評価した。

物語冒頭、シスター2人がミスター・リードの<恐怖の家>に入るきっかけとなるミスター・リードの「奥さん」が実在するのかどうかで意見が別れたこがけんと矢田部。<いなかった>と断言するこがけんがその理由として、ヒュー・グラントの役名である「ミスター・リード(誤解)とミス・リード(誤った導き)のダブルミーニングでは?」と自信を持って考察を披露するも「その場合は(既婚者を表す)ミセス・リードでは?」と矢田部から秒で指摘、得意満面の笑みから一気に窮地に陥ったこがけんの姿に観客からも笑いが起こっていた。
こがけん氏と矢田部氏のトークを通じて、緻密な脚本や撮影技術、キャスティングの妙などが改めて浮き彫りとなった本イベント。
最後にこがけんは「ぜひ皆さんも本作を観て、周囲の人に勧めてください!」と複数回観てこそ楽しめる『異端者の家』の魅力を熱く語り、最後はこがけんお馴染みの名フレーズ<『異端者の家』———— 一度入ったら、オーマイガー!>で会場を笑い巻き込みながら締めくくった。
公開表記
配給:ハピネットファントム・スタジオ
2025年4月25日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
(オフィシャル素材提供)