
4月4日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開する映画『天国の日々 4K』。
この度、主演リチャード・ギアのインタビューと入場者プレゼント、イベント、パンフレット情報が解禁された。
映画初主演デビューして間もない、若きリチャード・ギアのインタビューを公開
4月4日より公開となった『天国の日々 4K』。主演を務めたリチャード・ギアの貴重なインタビューを公開。インタビューでは、当時、舞台で経験を重ね、映画俳優としてのキャリアがまだ浅かった彼が、テレンス・マリックのデビュー作『バッドランズ(地獄の逃避行)』に感激を受け、出演を決めたことが分かることや、共演したブルック・アダムス、サム・シェパード、リンダ・マンズへの思いなどにも言及している。
■出演したきっかけ、マリック監督、作品について
演劇はまさに私の原点でした。正直なところ、当時は映画をあまり重視していませんでした。私にとっては演劇こそが全てだったのです。しかし、『バッドランズ(地獄の逃避行)』を観て衝撃を受けました。エージェントにこう話したのを覚えています。
「この監督(テレンス・マリック)が映画を作っているのなら、私にとっても映画は興味深いものなんじゃないかと思いました。彼が『バッドランズ(地獄の逃避行)』で表現したものは、私をはじめ、多くの人にインパクトを与えました。
この映画は、確実にこの時代の精神の一端を描いていました。
プロデューサーのバートとハロルドのシュナイダー兄弟、ボブ•ラフェルソンがロサンゼルスで作っていた映画は当時の世界状況を映し出していて、ベトナムの状況などを直接的に取り上げていたわけではないけれど、その時代のエネルギーや疑念といったものを表現していたのです。他の多くの人々同様、若き日の私は目を開かれる思いがしたものです。ヨーロッパの伝説を、アメリカを舞台として表現しようとテリー(テレンス・マリック)が試みたのは明らかで、イタリア映画の影響を大きく受けていました。
文学に造詣が深く、大変な読書家であるテリーは世界をとても広い視野で眺めていて、私たちが何者であるかについて、アメリカ中心の視点ではなく、移民してきた人々の視点で見ているように思います。映画で大切なのはセリフではなく、映像や感情、切り取られた一瞬といったものなのです。ストーリーそのものでさえもありません。
結局、印象に残る要素というのは、物語の内容よりも、とある瞬間なのです。夢から覚めた後のように。
そのため、従来のスタイルで内容の詰め込まれた当初の脚本よりも、最終的には、はるかに静謐な作品になりました。
私はこの作品のキャスティングに一年ほど関わってきていました。テリーは精力的に配役に携わっていたものの決定には至らず、東海岸と西海岸を行き来しながら、さまざまな俳優と女優、また俳優と俳優の組み合わせをあれこれと考え続け、行き詰まっていました。ついに私は彼にこう告げました。「テリー、もうこれ以上は無理だよ。決断しなくては」。
そんな時、「君には本当にこれをやって欲しいんだ」とテリーが電話してきた時のことを、ロサンゼルスではっきりと思い出したのです。その時点で私の人生の方向性が決まったように思います。
■ブルック・アダムスについて
ブルックとは旧知の間柄で、彼女が役を得た時は嬉しかった。当初は別の女優が関わっていたのですが、彼女は去らざるを得ませんでした。そこで私の知人のブルックが登場したのです。私はブルックが大好きで、すっかりほれ込んでいる状態でしたから、彼女が映画に出演してくれることになった時点で、もう役に入り込みかけていました。

■サム・シェパードについて
サムの演技は素晴らしかった。まるでゲイリー・クーパーのような深みとリアリティー、そして感動をもたらす才能の持ち主なのです。ニューヨークで何度か彼の芝居に出演したことがあるので、お互いへの理解はある程度ありました。それに私は彼の大ファンだったのです。当時のサムは、トレンドに敏感な、才能ある若き作家でした。役者というのは、ストーリーや登場人物の人間関係にもリアリティーを持たせることができるのかもしれません。というのも、私とサムの間には、ブルックを巡ってちょっとしたライバル意識があったのです。だから映画の撮影を離れた時間でも、わずかに作品の役柄を演じ続けていた部分があったような気がします。いかにもありがちな話ですね。
■リンダ・マンズについて
リンダ・マンズには並外れた天与の才があるので、彼女のような能力を持つ人は、ただ自由にさせてあげるだけで良いのです。リンダはとても若く、テリーには彼女が自分らしさを保てるような気遣いがありました。それがリンダの際立った演技を引き出せたのだと思います。
ロバート・アルトマンと共演した時に、彼が子役に接しているのを見たことがあります。どうやったら子どもたちからこんな素晴らしい演技を引き出せるのか、と彼に尋ねたのですが、「こうしなさい、と決して指示しないのがコツだ」という答えが返ってきました。リンダを見ていて、その通りだと思いました。リンダは本当に個性的で風変わりで、ティーンエイジャーらしいワイルドさに溢れた、宝石のような輝きを放っていたのです。
■テレンス・マリックの撮影スタイル
テリーはリハーサルをしない監督でした。演劇出身でない彼が、どの程度役者たち、あるいは人々を導く能力があったのかは分かりません。恐らくテリーは、自分が何を求めているのか、どのように見せたいのか、あるいは感じたいのかを幅広く意識できる、優れたセンスを持っていたのでしょう。でも、細かい点まで具体的に考えていたかどうかは分かりません。彼はそういったタイプの映画監督、またはクリエイティブ・アーティストではありませんでした。思い起こせば、テリーは映画制作を始めたばかりで、また演劇監督のように役者に語りかけるすべも知らなかったのです。役者の立場としては、いらだちを覚えることもありました。ですから、もう一度やってみたら、次は気に入ってくれるかもしれない、というスタンスでした。大きなフラストレーションを感じてしまうこともありますが、テリーにとっては、これが力を発揮できるベストな方法なのです。
入場者プレゼント配布・トークイベント開催のお知らせ
来場者プレゼントとして、燃え上がる麦畑を捉えた“災難”ビジュアルチラシを配布することが決定。中央には「善人は天国に導かれ、火を逃れる。でも悪人の声は、神に届かない」と劇中で語られるセリフが添えられている。この言葉が意味するものとは――。
配布する劇場は下記の通り。※ 無くなり次第終了。

【配布予定の劇場】ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ、アップリンク吉祥寺、立川シネマシティ、サツゲキ、小山シネマロブレ、横浜シネマリン、テアトル梅田、アップリンク京都
また、4月5日(土)にヒューマントラストシネマ有楽町にてトークイベントの開催が決定。トークには、映画評論家・ジャーナリストの大森さわこさんが登壇予定。大森さんは、1983年の『天国の日々』日本初公開当時、シネマスクエアとうきゅうが発行したパンフレット内で「採録シナリオ」を執筆する経験を持つ。トークでは、本作が公開された当時のこと、監督・俳優の話を掘り下げる予定。詳細は下記の通り。
【開催日時】4月5日(土) 13:55の回 上映後
【会場】ヒューマントラストシネマ有楽町(千代田区有楽町 2-7-1 有楽町イトシア・イトシアプラザ 4F)
【登壇者(敬称略)】大森さわこ(映画評論家・ジャーナリスト)
※ 登壇者は都合により、予告なく変更となる場合がございます。
【料金】通常料金
【チケット販売】
オンライン:発売中 https://ttcg.jp/human_yurakucho/event/(外部サイト)
窓口販売:発売中 ※オンライン販売で残席があった場合のみ
※ 詳細はヒューマントラストシネマ有楽町のHPをご確認ください。
また、パンフレットも販売。大森さわこさん、渡部幻 さん(映画評論)、江守功也さん(映画音楽ライター)、樋口尚文さん(映画評論家、映画監督)によるコラムや、撮影監督ネストール・アルメンドロスについての書著「キャメラを持った男」(筑摩書房 発行/武田潔 訳)の一部抜粋文、ほかキャスト&スタッフプロフィールを収録した充実のパンフレットを掲載。定価1200円(税別)。

公開表記
配給:アンプラグド
4.4(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)