インタビュー

『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』レア・トドロフ監督インタビュー&本編映像が解禁!

©Lea Meienberg_for ZFF

 シンガーソングライターのテイラー・スウィフトや将棋の藤井聡太をはじめ、世界中の著名人が学んだことでも知られるモンテッソーリ教育。その生みの親であるマリア・モンテッソーリの試練と歩みの7年間を描いた映画『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』が現在、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺 他にて全国順次公開中。
 この度、レア・トドロフ監督のインタビューと本編映像が解禁された。

「最も大事なことは 子どもを愛することです」
そう訴え続けた強く知的なひとりの女性の物語。

 Amazon創業者ジェフ・ベゾス、Google創業者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、歌手のテイラー・スウィフト、将棋の藤井聡太などが受けたことでも注目されるモンテッソーリ教育。本作は、その生みの親であるマリア・モンテッソーリがメソッドを獲得し1907年に「子どもの家」を開設するまでの試練と歩みの7年間を描いた感動作。

 20世紀初頭のイタリア・ローマ。マリア・モンテッソーリ(ジャスミン・トリンカ)は、ある「成功者」と出会う。フランスの有名なクルチザンヌ(高級娼婦)リリ・ダレンジ(レイラ・ベクティ)だ。リリは娘の学習障がいが明るみに出そうになったとき、自分の名声を守るためにパリから逃亡してきたのだ。マリアはこの時期すでに画期的な新しい教育法の基礎を築いていた。リリはマリアを通して、娘はただの障がいのある女の子ではなく、強い意志と才能を持った人として、ありのままの娘を知るようになる。マリアに共鳴したリリは、男性中心社会の中でもがくマリアの野望の実現に手を貸すのだが……。

 監督は、パリ、ウィーン、ベルリンで政治学を学び、その後ドキュメンタリー映画を主に活動してきたレア・トドロフ。2012年初のドキュメンタリー「Saving Humanity during Office Hours」を監督し、14年には「Russian Utopia」を共同監督。15年にジャンナ・グルジンスカ監督のオルタナティブ教育をテーマにしたドキュメンタリー「School Revolution: 1918-1939」の脚本を執筆。本作が長編劇映画、初監督となる。

 マリア・モンテッソーリを演じるのは、『息子の部屋』で俳優デビューを飾り、『輝ける青春』『フォルトゥナータ』『泣いたり笑ったり』など数多くの作品で映画賞を受賞しているジャスミン・トリンカ。俳優のみならず監督としても活躍しており、第75回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門の審査員を務めた。リリ役には、『虚空の鎮魂歌(レクイエム)』『シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢』『パーフェクト・ナニー』のレイラ・ベクティ。リリの娘・ティナを演じるのはラファエル・ソンヌヴィル=キャビー。本作のマリア・モンテッソーリのもとで学ぶ障がいを抱えた子どもたちの役は、同じ立場の子どもたちが演じているが、キャスティングのワークショップに参加したラファエルと監督は出会い、ティナ役にぴったりだと初日に感じ抜擢した。本作が彼女のデビュー作となる。

マリア・モンテッソーリが、1907年自らの教育法を実践する
「子どもの家」を開設するまでの試練と歩みの7年間を描き、本作へ込めた思いとは……
レア・トドロフ監督インタビュー&ジャスミン・トリンカらとの3ショット写真も到着!

 レア・トドロフ監督が語るその口調は、女性らしい優しさの中に劇中のマリア・モンテッソーリを彷彿とさせる力強さがあった。マリア・モンテッソーリのどのような点に興味をそそられ、この映画を制作しようと思ったのか?との問いに、レア・トドロフ監督は「第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の進歩的教育に関する歴史ドキュメンタリーを制作していた時に、初めてマリア・モンテッソーリについての本を読みました。イタリア初の女性医師、国際的な有名人、神話、そして人々を魅了する存在であったマリア・モンテッソーリの人生のロマンティックな側面に強く惹きつけられたのです。これが、マリア・モンテッソーリの物語、つまり実在したマリアと、想像上のリリという2人の女性の物語が生まれた経緯です」と語った。そして、マリアの人生を描くうえでなぜこの時期を選んだのかと尋ねると「選ぶのにずいぶん時間がかかりましたが、マリアの伝記で最も興味深い瞬間は、彼女が息子を手放した時だと直感しました。その頃、彼女はまだ健常児向けの学校を設立していませんでした。彼女は特別支援学校で働いており、そこで後に彼女の教育法となるものを構築したのです。また同時期、彼女は女性の権利獲得運動にも深く関わっていました。マリア・モンテッソーリにとってこの時期が人生のターニング・ポイントだったと思うのです」とこだわりの理由を話す。また、なぜ今日、マリア・モンテッソーリの生涯と功績を思い起こす必要があるのか?との問いには、「この映画が、私たちの社会において、よりインクルーシブ(包括的)であろうとする意欲が欠如していることの問いを投げかけられればと思っています。長い間見えにくく、しばしば疎外されてきた神経型異常や障がいを持つ人々に、今こそ社会の中でふさわしい地位を与える時が来たのです」と話してくれた。

 フランスでのタイトルは「新しい女性」。本作を通じ、多様性が声高に叫ばれる現在の日本でも、国境を越えて「新しい女性」像を表現しようとする監督の熱意がこもった本作。

 マリア・モンテッソーリを見事に演じたジャスミン・トリンカのキャスティングは、脚本の最初の草案から彼女を考えていたという。「彼女の参加は決定的でした。私は、ジャスミンのおかげでマリアを愛せるようになったのです。脚本を書いていたときは、マリアという人物にそれほど愛着を感じていませんでした。彼女は厳格で、権威主義的で、伝記のいくつかの要素は理解しがたいものだったので、彼女から距離を置き、彼女の持つ曖昧さや相反する要素を表現したいと思っていました。しかし、ジャスミンの解釈は、単純に善悪を超えた存在として彼女を表現していました。撮影現場では、まるでマリア・モンテッソーリが彼女に乗り移ったかのようでした」とジャスミン・トリンカを絶賛している。リリの娘・ティナを演じたラファエル・ソンヌヴィル=キャビーについては、「彼女は他の子どもたちと一緒にオーディションにやって来ました。私たちは休暇中にワークショップを開催したのですが、他の子どもたちと一緒に参加してもらいました。ワークショップの初日、私は彼女が役柄にぴったりだと感じました。彼女の思慮深い強さ、私たちと一緒にいるときの様子と自分自身の中にいるときの様子の両方に圧倒されました」と彼女に決めた秘話も明かしてくれた。

 そしてこの度、レア・トドロフ監督とジャスミン・トリンカ、そしてラファエル・ソンヌヴィル=キャビーの貴重な3ショット写真も到着した。

マリア・モンテッソーリが愛情を注ぎ成長する子どもたち。微笑ましい本編映像が解禁!

 あわせて解禁となった本編映像は、愛らしいラファエル・ソンヌヴィル=キャビー演じるリリの娘・ティナが、ジャスミン・トリンカ演じるマリアの頬にキスをするシーン。監督にとって子役の演出ほど難しい仕事はないだろうが、それを天才的な演技力で応えるラファエル・ソンヌヴィル=キャビーの存在感には目を見張るものがある。レア・トドロフ監督のイメージ通りに、観る者の心を鷲摑みにする彼女の起用が本作の成功を決定づけたといっても過言ではないだろう。『マリア・モンテッソーリ 愛と創造のメソッド』 と副題にもある通り、マリア・モンテッソーリが生み出した教育法が丁寧に、そして緻密に表現され、セリフでの説明はないものの、レア・トドロフ監督のこだわりが詰まった本作の核心が見え隠れする印象的なシーンである。

 キャスティングの入念な準備もさることながら、美術を含め、時代背景を丁寧に表現する女流監督ならではの繊細さが際立つ本作、ぜひ劇場で堪能してほしい。

公開表記

 配給:オンリー・ハーツ
 シネスイッチ銀座、シネ・リーブル池袋、UPLINK吉祥寺 他 全国順次公開中

(オフィシャル素材提供)

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