
4月12日(土)よりユーロスペースにて公開される『北浦兄弟』へ各界の識者より驚嘆と絶賛のコメントが到着した! 加えて、初日舞台挨拶、特別トークショーも決定。12日の初日舞台挨拶は辻野正樹監督、主演の中野マサアキ、大塚ヒロタほかキャストが勢ぞろいする。翌13日(日)は、中野マサアキの旧知の仲である酒井法子の登壇も決定した!
『北浦兄弟』イベント詳細
★初日舞台挨拶★
登壇者:中野マサアキ、大塚ヒロタ、山下容莉枝、加藤満、
芦原健介、西山咲子、如月まりな、辻野正樹監督
MC:荒井志郎


★特別トークショー★
日時:4月13日(日) 20:00の回上映後
登壇者:酒井法子(歌手・女優)、中野マサアキ
MC:東紗友美

場所:ユーロスペース 東京都渋谷区円山町1−5 3F
2人そろってダメ人間――45歳のひきこもり中年男性が、父親を殺害!?
死体遺棄を手伝う弟との愛憎まみえるやり取りがおかしみを誘う
現代日本への痛烈な皮肉があふれる<ダーク>エンターテインメントが誕生!
45歳の中年男性、北浦ソウタは、仕事もせずにひきこもり、父親に寄生するように暮らしている。父が出掛けたすきにデリヘル女性を呼ぶなど、その生活は怠惰に極まっている。ある日、その同居している父親と口論になり、ふとしたはずみで殺害してしまう。どうしていいか分からなくなったソウタは、疎遠になっていた弟アキラを呼び出し、2人は殺人を隠蔽するため、死体を遺棄することになる。ソウタより優秀で一見、理想的な家族を築いているようにみえたアキラだったが、実はセクラハラ告発を受けて仕事を解雇、妻から離縁をつきつけられていた。絶望的に出口がみえない2人の死体隠蔽の珍道中が始まった――。
監督を務めたのは、『河童の女』など、人生がうまく行かない人々を独自の視点で捉えた作品を送り出している辻野正樹監督。現実世界でも、80歳を過ぎた高齢の親が50代のひきこもりを養っていることは「8050問題」として広く社会問題化している。辻野はそういった現実を下敷きに、コーエン兄弟やポン・ジュノ作品を彷彿とさせるブラックテイストでありながらもペーソスあふれる、哀しい人間の想いを、ユーモアを交えて描いたロード・ムービーに昇華させた。
各識者からのコメント
清水 崇(映画監督)
不思議と観届けてしまう……。
主人公の成長譚や哀しい別れと再生、喜ばしい人生の謳歌ばかりが映画じゃない!
英雄への憧れ、スリルや恐怖、冒険譚への陶酔ばかりが映画じゃない!
憧れどころか、厭きれかえってしまう高学歴の中年馬鹿兄弟。
永遠のモラトリアム地獄を、流されるままに過ごすような二人を眺めながら……これも人間賛歌であり、映画なんだ……と思えた。
妙にリアルな芝居は、嫌悪感を掻き立てるが、不思議と観届けてしまうし、笑ってしまう……その笑いの裏で「実は世界中にたくさん居そう」とすら思わせる。
浮世離れしてるようで、そうでもない……妙に等身大なのが怖くすらなる。
社会不適合なクズ人間がクズ人間のままに描かれた、少子高齢化のブラックな珍道中に“現代の無常”を魅せられた気がした。
近藤芳正(俳優)
「情け無い、ちゃんと考えろ! 馬鹿が! あちゃー! やってしまったよ! もう!」
そんな言葉がいっぱい出てくる。
駄目な人間の可笑しく愛おしい人間讃歌!! ほんと面白い!!
安倍照雄(脚本家)
『北浦兄弟』、面白い映画だった。ヒッチコックの『ハリーの災難』のような死体隠しをベースにしているが、徹底して乾燥させたブラック・ユーモアというか、独特な兄弟の距離、間があって、最後まで惹きつけられた94分だった。
自分が信じ、創りたいと願い、精神的、物理的困難を乗り越えてついに表現者として作品を結実させる。 久しぶりにそういう日本映画を観た気がした。
戸田彬弘(映画監督)
どうしようもない兄に、どうしようもない弟が加わって。
物語はアクセル全開。止まることなく転がっていく。
ただ、この弱さと卑しさには見覚えがあるし、どうにも共感できてしまう。
悪い冗談の行き着く先は、日本の沈んだ闇を想起させる。ピリッと痛快。僕は好きです。
ブラジリィー・アン・山田(脚本家・劇団チリ主宰)
サイテーすぎる兄弟だけど、そんなふたりになぜか感情移入してしまう辻野マジック!
主演の中野マサアキさんのなんともいえない佇まいがたまらない。令和の時代に、和製リッキー・ホイ誕生!
佐藤佐吉(映画監督・脚本家)
こんな愚かな兄弟が実際いたとしたら恐ろしいことだが兄弟姉妹というものはおおよそ彼らと似たりよったり。やや郷愁漂う作品だが兄弟の人間としてあまりのダメっぷりにそんな気配もすぐにふっ飛び終始大笑い。しかしこれ自分のことかもと戦慄が走る。そんな映画にキャッチコピーをつけるなら某作品にあやかり『このへんな兄弟は、まだ日本にいるのです。たぶん』。
公開表記
配給:GACHINKO Film
2025年4月12日(土)よりユーロスペースほかロードショー!
(オフィシャル素材提供)