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『片思い世界』脚本・坂元裕二とシンクロした美術など唯一無二の世界観を表現した制作の裏側

© 2025『片思い世界』製作委員会

 多数の主演作を持ち、真に実力のある国民的俳優としてトップを牽引する広瀬すず、杉咲 花、清原果耶が奇跡のトリプル主演を果たし、『花束みたいな恋をした』以降、ドラマだけでなく『怪物』(第76回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞)、『クレイジークルーズ』(Netflix)、最新作『ファーストキス 1ST KISS』など映画でも精力的に活動する脚本家・坂元裕二が新たに書き下ろした 『片思い世界』が4月4日(金)より全国公開中。監督を担うのは、第44回日本アカデミー賞にて計11部門で優秀賞を受賞した『罪の声』や異例のロングランを記録した『花束みたいな恋をした』監督の土井裕泰。あれから4年、本作で再びチームとなった。

 現代の東京の片隅で、古い一軒家で一緒に暮らす、美咲(広瀬すず)、優花(杉咲 花)、さくら(清原果耶)。仕事に行ったり学校に行ったりバイトに行ったり。家族でも同級生でもないけれど、お互いを思い合いながら他愛のないおしゃべりをして過ごす、楽しく気ままな3人だけの日々。もう12年、強い絆で結ばれているそんな彼女たちの、誰にも言えない“片思い”とは――。

美咲(広瀬すず)、優花(杉咲 花)、さくら(清原果耶)が3人だけで暮らす12年。
「私たち普通に生きよう」という美咲の一言から始まった3人の大切な「普通の暮らし」
個性と工夫が詰まった大事な部屋と衣裳の制作秘話を美術・佐久嶋依里、衣裳・立花文乃が明かす

 屋根裏部屋のようなベッドルーム、一緒にご飯を食べるテーブルに一人ひとり違う椅子、毎年身長が記される柱に、ホラー映画を観ながらぎゅうぎゅうになって座るソファ、時計がわりのラジオ。映画『片思い世界』に登場する3人が暮らす古い一軒家には、懐かしさや温かさを感じる宝物のような家具や小物が詰まっている。

 ある理由によって強い絆で結ばれる3人の生活は、広瀬すず演じる美咲の「私たち普通に生きよう」という一言から始まった。ご飯をちゃんと作ること、お風呂に入ること、洗濯物を畳むこと、誰も見ていなくてもトイレのドアは閉めること。誰よりも「普通に暮らすこと」を大切にする3人の個性溢れる“居場所”はどのように作られたのか。幼い頃から3人で身を寄せ合って暮らしてきたという設定があるため、3人が住む家もそれぞれのキャラクターありきでイメージしたと語る美術の佐久嶋依里は「例えば、量子力学に興味を持つ優花は、幼い頃からおまじないや心霊現象などに関心を持ってきたのかもしれないと想像して、本棚に並ぶ本を選んでみました。水族館で働くさくらはきっと海の生き物が好きなはずなのでベッドには魚のぬいぐるみがあって、手仕事が得意な美咲の近くには端切れ布やミシンなどがいつもあるのではないか、などです」とそれぞれの“好き”をヒントに世界観を作り上げていったと明かす。清原果耶演じるさくらの誕生日の朝、背比べをするシーンで印象的な柱にはあるエピソードが。元々、佐久嶋が描いたデザイン画にはリビングの真ん中に柱があり、構想段階から柱に3人が背比べをした印をつけようと思っていたとのこと。まだ誰にも伝えていなかったそうが、脚本の中に3人が身長を図って柱に印をつけるシーンを発見し、坂元裕二との思わぬシンクロに驚いたという。

 部屋と同じく、3人の生活を彩る大事なエッセンスになっている衣裳を担当した立花文乃が最初に考えたのは色のイメージだという。3人が集まった時に浮かび出る色のイメージについて「何となくですが、揺るぎのない赤と消えてしまいそうな青、という感覚がありました」と話す通り、3人のパジャマや普段着には赤と青が印象的に使われている。まずイメージ画の作成から着手したという立花の頭に浮かんだのは、12年間を3人だけで生きてきた彼女たちの“チーム感”だったそう。「それぞれに個性がありながらもお揃い感があるような、そんなチーム感が欲しいと思いました」と語る立花が描いたイメージ画には杉咲花演じる優花が身につけているベストに似たアーガイル柄を中心に、個性豊かな服を身につける美咲、優花、さくらの姿が。優しい色合いの赤と青の色彩の中に刺繍やパッチワーク、つぎはぎなどが施されており、同じじゃないけど確かに繋がっている、3人の強い絆が見事に表現されている。イメージ画にもあるとおり、3人の衣裳には、必ずどこかに手作り要素が取り入れられている。立花は「監督とは、彼女たちなりに生活を楽しんでいる感じが現れるといいんじゃないかと話しました。特に美咲は手仕事が得意で、自分だけでなく他の2人の洋服にも刺繍を施したりしているだろうと」と明かす通り、劇中では工夫しながらも唯一無二の着こなしを楽しむ3人の姿が随所に描かれている。

© 2025『片思い世界』製作委員会

 悩み迷いながら、それでも誰かを思い続けることを止めない3人。優しさを失うことなく前を向く彼女たちの、まぶしいほどの命のよろこびを描く希望の物語。誰も観たことがない、“究極の片思い”が全国公開中。

 既に映画を観た人たちからも「3人の衣裳やインテリアや小物がエモい」「私もあそこに住みたい」と大きな反響が届いている3人の世界をぜひ、劇場に覗きに来ていただきたい。

公開表記

 配給:東京テアトル、リトルモア
 2025年4月4日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

(オフィシャル素材提供)

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