
原作「紅楼夢」は、「西遊記」「水滸伝」「三国志演義」と並ぶ中国古典文学の四大名著の一つとして、長年読み継がれてきた不朽の名作を製作費55億円かけ完全映画化。
この度、ポスタービジュアル&予告編が完成、そして5月30日(金)TOHOシネマズ日比谷ほかにて、日本公開も決定した。
清朝の貴族社会を背景に繰り広げられる壮大な人間ドラマは『源氏物語』と比較されることも多く、中国文学史上、最高の古典小説とも評され、今なお多くの読者を魅了し続けている。
原作の太虚幻境、元妃省親、黛玉葬花、宝玉被逼婚などの名シーンを選出し、原作の中で最もドラマチックな賈宝玉、林黛玉、薛宝釵の愛と悲劇の物語を軸に描くことで、壮大な物語を全く新しい視点から1本の青春映画として紡ぎ出した。
中国を代表する女性監督フー・メイの意欲作
壮大なスケールと映像美で紡ぐ、美しくも儚いラブ・ストーリー
監督を務めるのは、チョウ・ユンファ主演の歴史超大作『孔子の教え』(2009)を手がけたフー・メイ(胡玫)。これまで数多くの歴史ドラマを手がけており、その手腕には定評がある。本作では「紅楼夢」の壮大な物語を忠実に描くことにこだわり、試行錯誤を重ね、脚本を完成させるまでに実に10年以上を費やした。
原作のもつ幻想的な世界観を、最新の撮影技術とハイレベルなVFXで見事に再現したことで、古典小説の傑作が時空を越えて現代の観客に訴えかけてくる。また作中では、現代交響音楽と中国の伝統的な民族音楽を融合させ、その素晴らしい音色と想いの込められた歌声が、観る者をさらに作品の世界へと誘う。豪華絢爛な建造物や華やかな衣装デザイン、そして圧倒的なスケール感と映像美――すべてが融合し、かつてない至極の『紅楼夢』が誕生した。
本作は、2024年10月に開催された東京国際映画祭提携イベント<2024東京・中国映画週間>にて上映され、見事に審査員特別賞に輝き、宝玉の母・王夫人を演じた楊童舒(ヤン・トンシュー)は最優秀助演俳優賞を受賞した。
華やかな暮らしの裏で うごめく欲望と陰謀
運命に翻弄される若き3人の美しくも儚い愛と悲劇の物語
ストーリー
祖先の勲功によって代々高官を輩出する名家、賈家一族の貴公子・賈宝玉(か ほうぎょく)は、立身出世のための勉学を嫌い、詩を愛する自由奔放な青年。家長である賈母・史太君の寵愛を受け、壮麗な邸宅で若い才女たちに囲まれながら、何不自由なく遊び暮らしていた。しかし、華やかな暮らしを続ける一方で、宮廷からこれまでの債務を取り立てられた賈家一族は、その返済方法に頭を抱えていた。
ある時、江南の塩政大臣であった林如海が、莫大な財産と一人娘の林黛玉(りん たいぎょく)を残し、この世を去る。一人残された黛玉は、母方の祖母である賈母を頼り、栄国府での暮らしを続けることに。神経質で嫉妬深く病弱ながらも、聡明で詩才に恵まれた黛玉こそが、宝玉の心を最も惹きつける存在だった。魂で結ばれたかのように引かれ合う2人だが、時に素直になれず、すれ違いを繰り返していた。
一方で、宝玉の叔母である薛夫人一家も、訳あって賈家を頼り、栄国府を訪れていた。その一人娘の薛宝釵(せつ ほうさ)は、優雅で品行方正であったため、邸内の者からも慕われていた。宝釵が身に着ける金鎖には、宝玉の持つ〈通霊宝玉〉と対になる句が刻まれていた。
しきたりに縛られ、嫉妬や欲望が渦巻く大邸宅での暮らし。ある時、宝玉の姉・賈元春(か げんしゅん)が貴妃となり、里帰りのための別院が造営されることになった。その膨大な資金には、秘密裏に林如海の遺産が費やされる。
そんなある日、宝玉は自身の命のお守りとも言える大切な〈通霊宝玉〉を失くしてしまう。邸内を隈なく探しても一向に〈通霊宝玉〉は見つからず、宝玉はせん妄状態となってしまう。医師もなす術がなく、次第に生命力が弱っていく宝玉の命を救うため、賈家の財政を切り盛りする王熙鳳は、金玉の縁で結ばれる運命にある宝玉と宝釵の結婚を提案する。それは、裕福な皇商である薛家と結びつくことで、賈家の財政危機を脱するためでもあった。
図らずも宝玉と宝釵の結婚計画を知ってしまった黛玉は、失意と絶望の中で病に倒れ、息を引き取る。そして、愛する黛玉がこの世を去ったことを知った宝玉は、世俗を捨て出家の道を選ぶのだった……。
★原作『紅楼夢』とは
中国の清代(18世紀中頃)に書かれた長編小説。作者は曹雪芹。賈宝玉、林黛玉、薛宝釵の三角関係を軸に、賈家の栄枯盛衰を描く。登場人物たちの繊細な感情の機微や、清朝の貴族社会における日常生活が細部まで描きこまれている。
『西遊記』『水滸伝』『三国志演義』と並ぶ中国四大名著の一つとして、これまで数多くの映画やテレビドラマ、演劇作品が制作されている。悲恋を軸に貴族社会の人間ドラマを描く壮大な物語は『源氏物語』と比較されることも多い。
キャスト&スタッフ
監督: 胡玫(フー・メイ)
脚本: 何燕江(ホー・イェンジャン)
主演: 辺程(ベン・チェン)、張淼怡(チャン・ミャオイー)、黄佳容(ホアン・ジアルン)、林鵬(リン・ポン)、盧燕(ルー・イェン)/楊童舒(ヤン・トンシュー)
(2023年、中国、上映時間:116分)
オフィシャル・サイト(外部サイト)

公式X:koromu_movie
公開表記
配給:ムーランプロモーション/亜太メディアジャパン/上海金徳影業有限公司
5月30日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)