イベント・舞台挨拶

『太陽(ティダ)の運命』東京公開初日舞台挨拶

© 2025 映画「太陽の運命」製作委員会

 登壇者:佐古忠彦監督
 MC:高柳光希(TBSアナウンサー)

 『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』2部作、『生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事』で注目を集めた佐古忠彦監督が、沖縄現代史に切り込んだ新たなる野心作=『太陽(ティダ)の運命』が、桜坂劇場にて先行公開された沖縄に続き、本日4月19日(土)ユーロスペースにて待望の東京公開初日を迎え、大ヒット・スタートを切った。
 東京・渋谷のユーロスペースでは、10時の初回から多くの観客がつめかけ、朝早いにも関わらず、ロビー/劇場内は早くも作品への熱い期待感が渦巻く雰囲気に。そして、マスコミ取材も入った続く2回目も更に多くの観客が詰めかけ、僅か1館の公開ながら、公開初週と翌週、2週連続でミニシアターランキング5位に食い込んだ沖縄・桜坂劇場の熱気溢れる興行を再現するかのような盛況振り。

 舞台挨拶に立った佐古監督は、語り始めた。
 「(東京初日を迎えた感想)先行公開となった沖縄でも朝早くから多くの観客の皆様に劇場に足を運んでいただき、とても感慨深いものがありましたが、今日のこの東京公開を皮切りに全国へ公開が拡がって行くという何とも言えない感動があります。そして、沖縄の観客の方々の多くは、大田知事/翁長知事と同じ時代を生き、事象がまだ続いている場所にいる、当事者の方々であり、“気持ちを代弁してくれてありがとう”と言う胸に迫る感想を頂きました。この東京公開を皮切りに、今度は本土の方々からどんな感想を頂けるのか楽しみですし、(沖縄の)桜坂劇場の方からは、“東京の観客の反応をレポートとしてまとめて報告を!”と言われております(笑)」。

 「(本作を撮ろうと思った理由)沖縄現代史と言えば、辺野古を巡るこの30年の国と沖縄の関係であると思っていますし、その起点に居た大田さんと翁長さんは本作を撮る上で外せない、そして、政治的立場は正反対で、“相克”の関係にあったこの二人が、なぜ、あれほど重なって行ったのか?、翁長さんの言動があれ程否定していた大田さんになぜ近付いて行ったのか?、そこに非常に興味を持ち、二人の関係性を描けば、そこに沖縄の歴史が見えるのではと思いました」。

 「(作品タイトルに込めた想い)沖縄の象徴と言えば、“太陽(ティダ)”、この言葉を先ずぜひタイトルに入れたかった。さらに、ティダはかつて琉球王国で首長/リーダーを表す言葉であったこと、そして屋良朝苗(初代沖縄県知事)さんの日記に度々登場する“運命”という言葉、“リーダーの運命は、沖縄の運命”と思い、更には、大田さん/翁長さんを始め沖縄の歴代の知事たちが“沖縄の運命”にどう立ち向かってきたかを描きたかった、そう言った想いで付けたタイトルです」。

 「(佐古さんにとって沖縄とは)“沖縄に行けば、日本が見える/沖縄にはこの国の矛盾が詰まっている”、筑紫哲也さんのこの言葉が今も、背中を押してくれている気がします。カメジロー(瀬長亀次郎)さんの時代から続く、“民衆への信頼感を持ったリーダー/そのリーダーに応える民衆”、これこそが沖縄県知事であり、他の県には無い風景を見ることができる。なぜ沖縄だけがそうあるのか/そして沖縄と国の関係、それを伝えたいと言う想いが、沖縄を撮り続けている理由です」。

 「(最後に観客の皆さんへのメッセージ)1つのニュースを報道することにも、膨大な労力を使いますが、言ってみればニュースは“点”。時間が経つと忘れさられてしまうこともあります。それに対して、今回のような映画は、点と点が“線”となり、事象の繋がり/流れをじっくりと把握することができます。“線”で伝えられることの重要さ、それを伝えられればと言う点に拘りました。本日は、本当にありがとうございました」。

 客層は、50代60代の男女が中心。そして、3月に先行公開となり、現在も好調な興行を展開中の沖縄・桜坂劇場と同様、本作の“主役”である、大田昌秀氏/翁長雄志氏、二人の太陽(ティダ)と、まさに同時代を生きてきた観客が客層の中心であるが故に、場内には、≪ドキュメンタリーでありながら途轍もなくドラマティックな作品世界観≫への熱気溢れる反応と共に、ある種の“連帯感”が生まれる、そんな東京公開初日舞台挨拶となった。

 各回上映終了後には、急遽、劇場パンフレットへの佐古監督のサイン会も実施され、、興奮気味に感想を佐古監督に伝える観客の方々の姿も。「今まで余り知らなかったことが、この映画を観たことで良く分かりました」「全国の方々に観て欲しい作品ですね」「日本の再生のヒントが詰まった作品だと思います」等、多くの熱い感想が聞かれた。

 本作は、すでに公開中の沖縄、本日公開の東京に続き、全国で順次公開される。

公開表記

 配給:インターフィルム
 3月22日(土)より沖縄 桜坂劇場 先行公開中
 4月19日(土)より 東京 ユーロスペースにて公開中ほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました