
登壇者:大和悠河(クイーン役)、加藤和樹(ジョーカー役)、Cocomi(イルマ役)、はやみねかおる(作者)
5月23日(金)に全国公開を迎える『怪盗クイーンの優雅な休暇(バカンス)』。その完成を記念した上映イベントが、4月21日(月)に新宿バルト9にて開催された。本イベントには、主人公・怪盗クイーン役の大和悠河、ジョーカー役の加藤和樹、イルマ役のCocomi、そして原作シリーズの生みの親である作家・はやみねかおる先生が登壇。会場には平日夜にも関わらず多くのファンが詰めかけ、作品の完成を祝福する拍手に包まれた。
冒頭、大和悠河は「クイーン・シリーズは私にとって“声のお仕事”の第一歩でもありました。一作目のときは“皆さんが思い描くクイーンの声になっているかな”とすごく不安で……」と振り返りつつ、「今回は皆さんご覧いただいていると思いますが、クイーンも大活躍してます! またこの役に戻ってこられて嬉しいです」と笑顔を見せた。

加藤和樹は「制作決定の話は比較的早い段階で伺っていたので、“いつ収録が始まるのかな”とワクワクしながら待っていました。ようやくこの日を迎えられて本当に嬉しいです」と語り、2作連続出演への喜びをにじませた。

そしてシリーズ初参加のCocomiは、大和と加藤とアフレコ現場で初対面した感想として「お二人ともまさに“そのまま”で、作品から飛び出してきたかと思うくらいの存在感でした。しかも大和さん、スーツで来られてて、本当にクイーンでした」と興奮気味に語り、会場を和ませた。さらにCocomiは「実は、あるアプリ・ゲームでずっと遊んでいて……加藤さんがその推しキャラを演じていると知って、内心とても緊張してました」と明かし、加藤が「なぜ最初に言ってくれなかったの? アフレコ終盤にそれを聞いて驚きました(笑)」とツッコむ場面も。Cocomiが「緊張しすぎて言い出せなかったんです……!」と応じると、会場には笑いが広がった。

一方、原作が刊行されたのは2003年。22年を経て映像化された感想を問われた原作者のはやみねかおる先生は「自分がリクエストした“超豪華客船”が本当に実現されていて、感動しました」と語り、「クイーン、ジョーカー、イルマ姫がスクリーンの中で生きているようで、夢のようでした」と感無量の様子を見せた。

また映画のタイトルにちなみ、「“優雅な休暇”を過ごせるとしたら?」という質問では、登壇者それぞれの理想のバカンスが語られた。現在パリに暮らす大和は、「いろんな場所に行くのもいいんですけど、パリで舞台やオペラ、音楽会を巡って、じっくり満喫したいです」と文化的な過ごし方を思い描く。これにCocomiがすぐに反応し、「私もパリが一番好きな国で、美術館巡りや教会での演奏会を観て、静かにアートに浸る休日が理想です」と笑顔で返答。大和が「ぜひその時は呼んでください」と応じると、Cocomiも「もちろん!」と即答し、2人での“パリ旅”トークに会場がほっこりとした笑いに包まれた。
一方で加藤は、「僕は一度、世界一周できるような豪華客船に乗ってみたい」と夢を語り、「たまに居酒屋のトイレでポスター見たりするじゃないですか。あれ、真剣に申し込みたくなるんですよ」と明かすと、共演者から「あるある!」の声が飛び、会場の共感を誘った。大和が「そのルートにフランスが含まれてるかも」と笑うと、加藤は「じゃあ途中で合流ってことで!」と返し、3人の仲の良さが垣間見えるひと幕となった。はやみね先生は「夏に間に合うようにひまわり畑の種まきをしたら、サクランボを守らないと。猿や鳥に畑を荒らされて大変なんです」と話し、「それが済んだら近くの海で釣りでもしたい」と“リアル休暇”を明かして会場の笑いを誘った。
続いて話題は、それぞれが選ぶ本作の見どころへ。
大和は「やっぱり今回も戦いのシーンがたくさんあるんですが、ただ戦うだけじゃなくて、相手にリスペクトを持って接するような描写がちょこちょこあって、そこが“クイーンっていいやつだな”って感じるんですよね」と語る。さらに、変装時のビジュアルについて「アンジェリクになったときのメイクが紫で統一されていて、口紅まで紫で……あのこだわり、私は結構衝撃でした!」と、細部の表現にも注目してほしいと笑顔を見せた。
加藤は「今回は変装している姿が多くて、髭を鏡で自分でつけるシーンとか、妙にリアルで思わず笑ってしまうようなポイントも見どころです」と語り、「特にイルマとの掛け合いの中で、ジョーカーの内面が描かれていく部分は、すごく情感がある」と作品の深みをアピール。「守ってあげたいと思う気持ちが、ジョーカーの過去と重なるようで……。やっぱり放っておけない存在なんですよね」と、キャラクターへの想いをにじませた。
その言葉にCocomiも大きくうなずき、「イルマ姫だからこそ見えるジョーカー、そしてジョーカーだからこそ引き出されるイルマの姿があって」と続けた。「立場上ずっと自分を抑えてきたイルマが、ジョーカーとの出会いによって初めて本音を語り、自分の殻を破ろうとする。そんな成長の瞬間が、私にはとても印象的でした」と語った。こ
こで大和が「バーのシーンでジョーカーがイルマをかばって撃たれるじゃないですか。あそこ、すごくキュンときました!」と盛り上げると、加藤がすかさず「でも飛んできたのは銃弾じゃなかったんですよ」とツッコミを入れ、笑いが起きる場面も。
はやみね先生は、「文章で書いた“サクランボのナイトキャップ”のシーンが映像になっていて、あれが本当に見たかったんです」と感激しつつ、「20年前に書いたときは、ジョーカーとイルマを少しロマンス寄りに描いていたんですが、加藤さんのインタビューを聞いて“守りたい”という気持ちだったと知って、改めて読み返してみると“なるほど……”と気づかされました」と語り、映像化によって新たな視点を得たことを明かした。
イベントの終盤では、5月23日(金)から配布される入場者特典として、はやみね先生書き下ろしのショートストーリーブック(全3種)や、劇場グッズのラインナップが発表されたほか、公開翌日5月24日(土)には、再びキャスト・原作者が登壇する【公開記念舞台挨拶】の実施も明かされ、大きな拍手が沸き起こった。
最後に、大和は「本当に待ちに待った第2作目『怪盗クイーンの優雅な休暇』。今日初めて皆さんにご覧いただいて、どう感じてくださったのかドキドキしていたのですが、皆さんの笑顔が見えて本当に嬉しかったです」と胸の内を語り、「5月23日からはいよいよ全国公開となりますので、ぜひご家族やご友人をお誘い合わせのうえ、“この赤い夢の世界”をたくさんの方に届けていただけたら嬉しいです。今日は楽しい時間をありがとうございました」と締めくくると、会場は大きな拍手に包まれ、あたたかな余韻の中でイベントは幕を閉じた。
劇場アニメ『怪盗クイーンの優雅な休暇』は、5月23日(金)全国劇場より出航! 奇想天外で“優雅”なクイーンの新たな冒険を、ぜひ劇場でお楽しみいただきたい。
ストーリー
狙った獲物は必ず盗む。それが怪盗クイーン!
性別・年齢・国籍不明。
パートナーのジョーカー、RDとともに飛行船トルバドゥールで世界中を自由に駆け巡る。
ある日、クイーンはサッチモ社の社長サッチモ・ウィルソンから挑戦状を叩きつけられる。サッチモ所有の宝石『インペリアル・サファイア』を盗むとクイーンから予告状が届いたと。
しかしそれは、過去の因縁からクイーンへの恨みを晴らすためにサッチモが仕掛けた罠。
そんなことは百も承知でクイーンはサッチモの誘いに乗り、ジョーカーと共に変装して豪華客船ロイヤルサッチモ号に乗り込む。『優雅な休暇』を過ごすため……。
ところが、クイーンたちより先に宝石を盗み出そうとするものが現れた!
さらにサッチモの放った刺客たちも次々と現れて……!?
前途多難なカリブ海クルーズがはじまる。
それでも、怪盗クイーンに不可能はない!
(2025年、日本)
キャスト&スタッフ
原作:はやみねかおる・K2商会(講談社青い鳥文庫『怪盗クイーン』シリーズ)
監督:池田重隆
脚本:國澤真理子
キャラクターデザイン:河島久美子
音楽:日向 萌
音響監督:亀山俊樹
音響制作:ビットグルーヴプロモーション
アニメ―ション制作:イーストフィッシュスタジオ
製作:「怪盗クイーン」製作委員会
キャスト:大和悠河(クイーン)、加藤和樹(ジョーカー)、内田雄馬(RD)、Cocomi(イルマ)
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公式X:@miragequeen_
公開表記
配給:ポニーキャニオン
2025年5月23日(金) 全国公開