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宇和川輝監督『ユリシーズ』劇場公開決定&ポスタービジュアル・作品コメント解禁

© ikoi films 2024

 マルセイユ国際映画祭、サン・セバスチャン国際映画祭、東京フィルメックス、全州国際映画祭など各国の重要な映画祭に選出された、宇和川輝監督の長編デビュー作『ユリシーズ』が2025年7月19日(土)よりポレポレ東中野で、8月にシネ・ヌーヴォで公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと小川公代他からの作品コメントも解禁された。

国境を越えて人々を惹きつけた、私たちの時代の叙事詩

ラドゥ・ジュテ、マティアス・ピニェイロ、マリアノ・ジナスら映画史の最前線で活躍する映画作家を講師に迎え、他に類を見ない先鋭的な映画作家育成プログラムによって世界中から注目されるスペイン、サン・セバスチャンのエリアス・ケレヘタ映画学校(Elías Querejeta Zine Eskola)。この学校の修士課程を日本人ではじめて修了した宇和川輝監督の長編デビュー作が、フィクションとドキュメンタリーのあわいに立つ『ユリシーズ』だ。スペインと日本を行き来してトランスナショナルな映画制作を続けてきた宇和川の個人史と、ホメロス『オデュッセイア』の大胆な翻案をかけあわせた73分の本作は、さまざまな土地に瞬く親密な時間をつなぎとめ、寄る辺なき現代を生きる私たちすべてのための物語を描き出す。

マドリード、バスク、岡山ーーそれぞれの土地をめぐる、追憶と放浪の映画

 本作は3つの土地で撮影され、3部構成により出来ている。第1部ではスペイン、マドリード在住のロシア人アレフティーナとその息子ディミトリが父親の帰りを待つ。第2部ではバスク地方、サン・セバスチャンに暮らすエナイツが日本人のイズミと出会う。第3部では岡山県北中部の真庭市で、カズコが亡き夫のお盆を孫のヒカルと迎える。異なる国、言語、思い出をさまよう追憶の映画。

 今回解禁したポスタービジュアルでは、スペインのアニメーション作家ラウラ・イバニェスが本作のために書き下ろしたイラストを元に、装丁家の二宮大輔が日本語タイトル・クレジットを配置し、『ユリシーズ』の越境的な作風を体現している。併せて英文学者の小川公代氏、マルセイユ国際映画祭プログラマーのルイーズ・マルタン・パパジアン氏らからコメントが寄せられた。

宇和川輝(うわがわ・ひかる)

 1996年生まれ。上智大学外国語学部を卒業したのち、映画を学ぶためにスペインに渡航。サン・セバスチャンにあるエリアス・ケレヘタ映画学校の修士課程を修了する。2023年、サン・セバスチャン国際映画祭映画作家助成レジデンスプログラムIkusmira Berriakに選出される。初長編映画となる『ユリシーズ』は、マルセイユ国際映画祭、サン・セバスチャン国際映画、東京フィルメックス、全州国際映画祭など主要な国際映画祭に正式出品された。現在は東京を拠点に映画制作をしている。

コメント

小川公代(英文学者)
 ひとは人生の岐路にたつとき、どんな選択をするのだろう。
 わたしたちの生は、刻一刻、死に近づいている。
 生きている瞬間を想う。死者を想う。
 だから「今を楽しめ」。
 とめどなくあふれでてくる生の瞬間、瞬間が、わたしたちの手から零れおちそうになる。そのかけがえのない生を、大切な誰かが生きた証を、失われつつある風景とともに丁寧に保存したい。
――『ユリシーズ』はそんな衝動に突き動かされている。静謐さのなかに生活音が響くとき、それらは普遍とむすびつく。
 五感を研ぎ澄ませて見てほしい。

 ルイーズ・マルタン・パパジアン(マルセイユ国際映画祭プログラマー)
 異国での生活によって生まれた「移動」と「ズレ」こそが、宇和川輝の映画の原動力だ。
 多言語的で文学的な遊び心(……)最小限の物語を洗練された構図で描き出している。

Caimán cuadernos de cine(スペインの映画誌)
 幽霊たちが代わるがわる我々の視界をすり抜けていく『ユリシーズ』は、「現在」について、若者たちについて、彼らに課された「旅の義務」について、そして旅の喜びについて物語る。強いられた現代のオデュッセウスたち。彼らこそが、神話の最後の具現者なのだ。

キャスト&スタッフ

 出演:アレフティーナ・ティクホノーヴァ、ディミトリ・ティクホノーヴ、エナイツ・スライカ、石井 泉、原 和子、宇和川輝
 監督・編集:宇和川輝
 制作:宇和川輝、関野佳介
 撮影:宇和川輝、エイヴリー・ドゥンカン、関野佳介
 整音:黄永昌
 配給:新谷和輝、入江渚月
 製作協力:Elías Querejeta Zine Eskola
 企画助成:Ikusmira Berriak

 (2024年、日本・スペイン、上映時間:73分)

ギャラリー

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公開表記

 製作・配給:ikoi films
 2025年7月19日(土)よりポレポレ東中野、8月シネ・ヌーヴォにて公開!

(オフィシャル素材提供)

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