
登壇者:岡﨑育之介、玉袋筋太郎、外山惠理(TBSアナウンサー)
TBSラジオ『えんがわ』presents 映画『うぉっしゅ』(5月2日公開)の公開直前スペシャル試写会が4月28日に都内ホールで実施され、玉袋筋太郎、TBSテレビアナウンサーの外山惠理、そして岡﨑育之介監督が上映後トークショーを行った。
拍手喝采の上映後、登壇した玉袋は「観終わった瞬間、あの人に会いてえなと思わせてくれる映画。私も今までたくさんのソープランド映画を観てきたけれども、その中でもNo.1。風俗とは裸の付き合いであり、それこそ人間性が丸見えだ。そこに老人介護を結び付けたのはまさに岡﨑監督の大発明」と笑いを交えながら大絶賛。認知症の祖母を演じた研ナオコの熱演にも「ケンさんと言えば日本映画界では高倉 健さんだけれど、ついに研ナオコの時代が来た。健さんを超えたケンさん。うちのおふくろもボケて今施設だけれど、猛烈に会いたくなった。まるで鏡を見ているようだった」と心震わせていた。

これに岡﨑監督は「今までの試写会でも映画を観終わった後に自分の家族の話をしてくださる方が多い。映画館を出た後の駅までの道のりの間に『家族に電話してみようかな』というきっかけになれば本作を作った意味がある」と期待。研ナオコについては「低予算映画なのでギャラも少額でしたが、快く引き受けてくださった。その後に製作費を集めるクラウドファンディングを始めたら、研さんがそのギャラの二倍の金額を援助してくれて……。研ナオコさんは、この映画にお金を払って出ているようなもの。流石、昭和のスターはカッコいい」と主演女優の粋な計らいに感激しきりだった。

岡﨑監督は、昭和を代表する文化人・永 六輔の孫。そんな永と長らくラジオ番組を共にしてきた外山アナは「この映画を観て『人間は二度死にます。まず死んだ時。それから忘れられた時』という永さんの言葉を思い出して、そこにDNAを感じた」と言うと、岡﨑監督は「パクった……いや、脚本を書いていたら自然と出てきました!」と笑わせながら「世代を問わず、人から忘れられる辛さや孤独感は誰にでもある。そこにひとつ、肯定的なメッセージを込められたら良いと思った」と狙いを明かした。
物語のメインの舞台となる家屋は、なんと永さん所有の別荘。岡﨑監督は「お地蔵さんなどの装飾品も、永六輔が全国からかき集めた工芸品です。小さい頃によく遊びに行っていた場所で映画クルーや研さんを引き連れて撮影していると思うと感慨深いものがありました。祖父はきっと『何を勝手にやっているんだか』と呆れているはずです」と苦笑い。岡﨑監督にとって永は「いつも怒っているジジイ」だったそうだが、外山アナに言わせれば「とても優しい方。怒られた記憶がない」そうで「孫については、可愛がりたいけれど無理して我慢をしていたような気がする。本当は可愛いのに恥ずかしがっていたのでは?」と推察した。

これに玉袋が「その厳しさが逆に良かったのかも。これが猫可愛がりのずるずるだったら、岡﨑監督は映画の中に七光りを使っていたはず。でもそれが微塵もない。それが良い」と言えば、外山ナアも「永さんはあえて厳しくしたのかも。岡﨑監督が映画を撮ったことをきっと喜んでいるはず」と想像。最後に玉袋は「人と人との繋がりを改めて思わせるいい映画。まさに観る側の心も洗われます」と見事に締めて、客席からは「上手い!」との歓声が上がっていた。意味があると思っています」としみじみ語りかけていた。

公開表記
配給:NAKACHIKA PICTURES
2025年5月2日(金) 新宿ピカデリー/シネスイッチ銀座 他全国公開!
(オフィシャル素材提供)