2017年、ニューヨーク・タイムズ紙に衝撃のスクープが掲載された。のちに“性犯罪告発運動”、#MeToo運動を爆発させたハーヴェイ・ワインスタイン事件。『ロード・オブ・ザ・リング』『恋におちたシェイクスピア』『パルプ・フィクション』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』『英国王のスピーチ』ら数々の名作を手掛け、ハリウッドで“神”と呼ばれた映画プロデューサーの数十年に及ぶ性的暴行事件を告発したその記事は、翌年ジャーナリズムの権威であるピューリッツァー賞を受賞、さらに映画業界や国を超えて世界中の性犯罪、セクシャル・ハラスメントの被害の声を促すことに。名もなき女性たちを懸命に取材した調査報道に基づき、社会を動かした勇気ある女性たちとジャーナリストの物語を描く『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』が1月13日(金)から全国公開される。主演の二人の女性記者に扮するのは、アカデミー賞®に2度ノミネートされたキャリー・マリガン(『プロミシング・ヤング・ウーマン』『17歳の肖像』『華麗なるギャツビー』)とゾーイ・カザン(TVシリーズ『プロット・アゲンスト・アメリカ』『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』)。アカデミー賞®常連のプランBが製作し、アカデミー賞®の前哨戦ゴールデン・グローブ賞の助演女優賞にキャリー・マリガンがノミネートされたほか、ピューリッツァー賞受賞の調査報道に基づくベストセラー原作の脚色でレベッカ・レンキェヴィチがサテライト賞、ブロードキャスト映画批評家協会賞ほか、全米各地の映画批評家協会賞の脚色賞に多数ノミネートされ注目を集めている。
一大ムーブメントのきっかけ、強い覚悟で先頭の一歩を踏み出した4人の女性、そして原作者記者コンビ2人のコメント映像、さらに世界が大きく動いたことを物語る実際のデモの様子も映し出される特別映像が到着した。
2017年10月5日、ニューヨーク・タイムズの調査報道の記者ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーは、エンターテインメント業界を震撼させ、世界中に大きな波紋を巻き起こすことになる「ハーヴェイ・ワインスタインが数十年にわたりセクハラ告発者を買収」という題の記事を報じた。ふたりの記者は、過去30年間をさかのぼりこれまで公表されていなかった不正行為の疑惑を入念に調べ上げ、確たる証拠の数々を記した。非の打ち所のないその記事は、アメリカに止まらず世界中の人々を立ち上がらせ、#Me TooやTime’s Up運動に代表されるような世界的なムーブメントに発展し現在も影響を与え続けている。
記事の中で最も人々の心を動かしたのは、被害にあった女性=サバイバーたちの勇気ある真実の証言だった。性加害の被害にあった女性が自身の体験について証言をする、その行為が大きなリスクを伴うことは想像に難くない。残念ながら世界の歴史を振り返っても、権力をもつ男性による性的不正行為を訴えた女性は、時折不名誉なレッテルを貼られ、被害者であるにも関わらず大変な苦労を強いられるケースが多くあった。そのために、心身に大きな被害を受けたにもかかわらず、口を閉ざしてしまう女性は少なくない。そんな中、リスクを覚悟してこれ以上の被害を防ぐために立ち上がった勇気ある4人の女性がコメントする表情には、想像を絶する覚悟がにじんでいる。
実際に被害に遭ったキャサリン・ケンドール、ロウィーナ・チウ、サラ・アン・マッセ、ローラ・マッデンによるそれぞれの告白から始まる本映像では、4人の女性がまっすぐにカメラを見据え、「24年前です」「30年前よ」「もうすぐ15年」「30年前、ワインスタインによる性的暴行を受けました」そう語り始める。時折笑顔を見せながらも、伏し目がちに被害当時のことを「昨日のことのように思い出す日もある」と語るその表情からはこの証言に至るまでの苦悩を伺わせ、映画の中でも重要人物として描かれ、最初の記事で実名で証言をしたローラ・マッデンについて原作者のミーガン・トゥーイーは「彼女の証言は歴史に残る快挙」とその勇気に賞賛を贈る。また、もう一人の原作者であるジョディ・カンターは「女性たちの発言が力となり、世界中に影響を及ぼすことができた」とその功績について語り、映像の後半には彼女たちの証言と信念の調査報道が動かした、大勢の人々が映し出されている。
そんな彼女たちを苦しめ続けたハーヴェイ・ワインスタインは2022年12月19日、二度目の有罪判決が下された――。
本作では映像に登場しているローラ・マッデン、ロウィーナ・チウら実在のサバイバーたちが証言に至るまでの関係者の熱意と決意の調査報道の過程が描かれている。ハリウッドの“絶対権力者”の大罪を暴いた実話に基づく衝撃のスクープサスペンスをお見逃しなく!
公開表記
配給:東宝東和
2023年1月13日(金) 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)