2021年に開館した文学資料館・早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)。本館の設立を記念して製作された、七里圭監督の中編映画『ピアニストを待ちながら』。
同館開館1周年を記念して、2023年1月17日に東京・早稲田大学 小野講堂で、舞台挨拶と鼎談イベント付上映の開催が決定した。
本作は、真夜中の大学図書館で目を覚ました男が、なぜか外に出られぬまま、いつまでも明けない夜に旧友の男女と再会する不条理劇。学生時代の演劇仲間だった3人は偶然居合わせた中年男や謎の女も交えて、かつて上演できなかった芝居の稽古を始める――。
主演は、映画『トウキョウソナタ』(08)をはじめ数多くの映画に出演し、近年ではドラマ『義母と娘のブルース』『ちむどんどん』『クロサギ』などで注目を集める井之脇海。劇中ではピアノも披露する。再会する同級生に、『菊とギロチン』(18)、『わたし達はおとな』(22)で主演を務め、ドラマ『エルピス』などに出演する木竜麻生。
監督は、『のんきな姉さん』(04)でデビュー後、『眠り姫』(07)、建築家との共作『DUBHOUSE』(12)や「音から作る映画」プロジェクトなど異色の作品を多く手掛け、最新作『背 吉増剛造×空間現代』(22)が公開中の七里 圭。
早稲田大学シネマ研究会出身の七里監督は、村上春樹ライブラリーのオープンに際して、イメージ映像(10分)も手掛け、今回この短編も併映する。
この短編は、アンデルセン文学賞受賞時の村上春樹氏によるスピーチに触発されて制作されたイメージ映像であり、その短縮版は同館HP用イメージ映像「物語を拓こう、心を語ろう」(3分)として公開中。
46分の中編映画となる本作『ピアニストを待ちながら』では、撮影はすべて早稲田大学国際文学館内で行われ、村上春樹氏経営のジャズバーで愛されたピアノも登場。同氏の小説の世界観が色濃く反映されると共に、目に見えないものに振り回される社会を問う作品となっている。
1月17日の上映会では、井之脇海、木竜麻生、大友一生、斉藤陽一郎、澁谷麻美ら出演者による舞台挨拶(上映前)とともに、「村上春樹 映画の旅」展が開催中である早稲田大学演劇博物館館長・岡室美奈子氏と、長年七里監督の活動をウォッチし作品を批評し続けている著述家の佐々木敦氏を迎えた、七里監督との鼎談イベント「『ピアニストを待ちながら』をめぐって」も開催(上映後)。
ベケット研究の第一人者でもある岡室館長と、演劇や文学、音楽にも造詣の深い佐々木敦氏が、『ピアニストを待ちながら』というタイトルからも窺える謎めいたストーリーの見どころ、物語の背後にあるテーマや表現手法について、七里監督と語り合う。本イベントは入場無料。(先着順・当日整理券配布)
村上春樹関連作品の収蔵のほか、文学・音楽・映画の垣根を越えたセミナーやイベントを開催する文化交流施としても、誰もが集う「文学の家」が誕生して1年、同館の異なる世界に誘われるこの機会にぜひお集まりを。
早稲田大学国際文学館開館1周年記念映画『ピアニストを待ちながら』上映会・舞台挨拶・鼎談イベント『ピアニストを待ちながら』をめぐって 概要
日時:2023年1月17日(火)
開場:17:45/開演 18:30 舞台挨拶(上映前)
鼎談イベント(上映後50分予定)
会場:早稲田大学 小野記念講堂(東京都新宿区戸塚町1-103-18 小野梓記念館)
https://www.waseda.jp/school/art/access/ono_auditorium/(外部サイト)
入場:無料、先着順 (当日17:30 より受付・整理券配布)
<舞台挨拶登壇ゲスト(予定)>
井之脇海、木竜麻生、大友一生、斉藤陽一郎、澁谷麻美、七里 圭(監督)
<鼎談イベント「『ピアニストを待ちながら』をめぐって」登壇ゲスト>
佐々木敦(著述家)
岡室美奈子(早稲田大学演劇博物館館長・早稲田大学文学学術院教授)
七里 圭(映画監督)
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)公式サイト
(オフィシャル素材提供)