長編映画監督デビュー作『岬の兄妹』が国内外から高い評価を受けた片山慎三監督最新作で佐藤二朗主演の映画『さがす』が公開中。2月23日(水)にテアトル新宿にて伊東 蒼、片山慎三監督による舞台挨拶が行われた。
1月21日(金)より全国23館で公開された本作は、すでに観客動員数4万5000人を突破し、興行通信社の発表するミニシアター・ランキングでは実写では4週連続となる第1位に輝く快挙を達成。SNSや各メディア上でも絶賛評が相次ぎ、観客の後押しを受け、2月18日(金)から拡大公開。上映館数はのべ70館以上を超える大ヒットを記録中!
2月23日(水)には満席となったテアトル新宿で舞台挨拶が行われ、出演者の伊東 蒼、片山慎三監督が登壇した。映画公開から早1ヵ月。上映劇場の数も続々と増えて、この日も満員御礼の舞台挨拶となった。実は公開後に同劇場にてお忍びで本作を鑑賞したという伊東は「チケットを買われるために並んでいる方々の多くが『さがす』のチケットを買ってくださっていて……。すごく嬉しかった」と大感激。上映中は観客が物音を立てず映画に集中している様子に感動し「上映後は、もしかしたら感想が聞こえてくるのでは?と思って皆さんが席を立つまで会場でジッとしていて、ソワソワしていました」と初々しくその時の様子を報告した。これに片山監督は「コメントも完璧な俳優さんですね!」と目を細めていた。
伊東が演じたのは、突然失踪した父・原田 智(佐藤二朗)を探す中学生の娘・楓。伊東だけが参加した個人オーディションでは開始30分前に演じるセリフ部分を知らされたと言い、「考えている時間がなかった分、その場で監督に言ってもらったことをそのままお芝居で表現できていたのかな?」と回想。当該場面は父娘の会話シーンだったそうで、片山監督は「結構長いシーン。よく30分で覚えましたね! 今初めて聞いてビックリしています!」と驚き「そのお芝居をしてもらった瞬間、この子しかいない!と思った。即決するくらいのインパクトがありました」と抜擢理由を明かしていた。
楓を演じる上で伊東は「かかとを引きずって歩くお父ちゃんの様子を真似したり、態度がふてぶてしく見えるようにポケットに手を突っ込んでいたり。でも、そんな雑な仕草の中にも、お母さんに教えてもらったかもしれない仕草が含まれているかもしれないと思って、脱いだ靴を揃えてみたりしていました」と細部へのこだわりを回想。これにも片山監督は「そんな細かいところまで考えてやっていたんですね!」と伊東の想像力の豊かさに舌を巻き、「たとえそれが見えないところであっても、役柄には活きていたはず」と太鼓判を押していた。
また地元・大阪でのロケも功を奏したようで、伊東は「撮影した場所が普段行ったりするところに近かったし、関西弁でのお芝居だったので、普段の自分の喋り方や雰囲気そのままに作品の世界に入れたのではないかと思いました」と撮影地に感謝していた。
思い出深いシーンを聞かれた伊東は、マカロンを食べる場面を挙げて「今までチョコ味しか食べたことがなかったけれど、セリフで『カラフルだ』と言っているので紫やオレンジのマカロンを食べました。それが思い出として残っています」とニコリ。片山監督が「ラストの卓球のラリーの場面はテイクを重ねてもお芝居のテンションを変えず、何度もやってくれた」と撮影の舞台裏を振り返ると、伊東も「卓球場での撮影最終日だったので、“クランクイン前日に(劇用の)家族写真を撮ったなあ”とかいろいろなことを思い出してしまって……。リハーサルの段階から感情が溢れてしまいました」とエモーショナルなシーンの誕生秘話を口にしていた。
最後に伊東は「私と監督の話も含めて皆さんにとってのいい思い出になっていれば嬉しい」と期待し「SNSで感想を見た時に『口コミがすごい!』と言ってくださる方も多くて、ありがたい気持ちでいっぱいです」と反響に感謝。自身もSNSで『さがす』の感想などをチェックしているそうで「私もラスト・シーンを見て『え!?』と思ったので、皆さんがどう思うのかをチェックしちゃっています」とはにかんでいた。
映画『さがす』はテアトル新宿ほか全国公開中。
登壇者:伊東 蒼、片山慎三監督
公開表記
配給:アスミック・エース
テアトル新宿ほか全国公開中
(オフィシャル素材提供)