本屋大賞史上最多得票数で受賞! 170万人が泣いた感動作、ついに劇場アニメ化! 『かがみの孤城』が大ヒット公開中。
第46回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど、既に国内でも高い評価を得ている本作を手掛けた原 恵一監督は、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 』(01)、『河童のクゥと夏休み』(07)の両作品で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞し、『カラフル(10)では、世界最大規模のアニメーション映画祭・第35回アヌシー国際アニメーション映画祭長編作品特別賞観客賞を受賞、『百日紅~Miss HOKUSAI~』(15)では同映画祭審査員賞を受賞し、2018年には、高畑 勲監督、大友克洋監督につづき、アニメーション監督では 3人目として紫綬褒章を受章するなど、国内外ともに高い評価を得ている。
そしてこの度、第52回ロッテルダム国際映画祭(現地時間2023年1月25日~ 2月5日開催)のLimelight部門に邦画アニメで史上初の正式出品となり、原 恵一監督が現地入り 。 現地時間2月2日に上映された。原監督は上映会前に観客へ「お越しいただきありがとうございます。この映画が皆さんの心に優しい感動をもたらすことを願っています。さて、準備はいいですか? 鏡の向こうに待っているファンタスティックな旅 へ 共にくり出しましょう!」 と英語で挨拶。
上映後、観客からは大きな拍手と歓声が贈られ、観客とのQ&Aが行われた。
Q&A
この作品は原監督のオリジナル作品か、それとも別の原作を基に描かれましたか?
この作品は、日本で有名な辻村深月さんという方が書かれた、累計発行部数170万部を超える小説が原作ですので、僕のオリジナルではありません。
小説や本作で取り上げている、“何らかの事情を抱えて学校に行けない子どもたち”は、オランダでもいると思うんですけど、日本では現在23万人程いると言われており問題になっています。原作の読者や本作の鑑賞者に共感を得られたのは、この問題をテーマに扱ったからだと思います。
映画では細かい部分で、原作からアレンジしているシーンもありましたが、どのような点を意識して映画を作っていきましたか?
原作は分厚い本で、それを2時間以内にまとめなければいけなかったので、映画にするにはたくさんの苦労がありました。原作では、孤城に集まる7人それぞれのバックストーリーが丁寧に描かれているのですが、映画で同じように描いてしまうと2時間に収まりきらないため、“安西こころ”という女の子を中心とした物語として、しかし原作のストーリーを損なわないよう構成しました。
「こころ」という名前は、日本語で「心 “heart”」という意味ですよね。
とても重要なポイントですね。そうなんです。ヒロインの名前は「こころ」で、日本語「心 “heart”」という意味なんです。
マサムネの声優は有名な某名探偵の声優と同じで、劇中で某名探偵の決め台詞が使われていて驚きました。
オランダでまさかこのような質問が来るとは思ってなかったのですが(笑)、某名探偵は日本はとても有名なアニメーションですが、その「真実はいつも一つ!」という決め台詞をパロディで言ってもらおうと思い、遊びました。
ちなみに僕が長年監督を務めた「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんの声を演じていた矢島晶子さんがある役で出演してますが、分かりましたか?(観客:分かりました!)ありがとう、素晴らしいです。
この映画を通して伝えたいメッセージは?
日本でもオランダでも学校に行けない子はたくさんいると思うけど、そういう子は親も友達も誰も助けてくれないと思ってすごく孤独の中にいるかもしれないけど、それはずっと続くことではなく、きっと誰かが味方をしてくれるから信じて欲しいということが、この映画の伝えたいメッセージです。
I believe you are not alone.(あなたはひとりじゃない)
登壇者:原 恵一監督
▼ロッテルダム国際映画祭について
毎年オランダの都市ロッテルダムで開催されるロッテルダム国際映画祭は、新人監督の登竜門的な存在として多くの若手映像作家の作品を紹介しており、1972年に始まり、2023年で52回目を数える。毎年約600作品が上映され、来場者数は30万人を超えるヨーロッパでは重要な国際映画祭のひとつ。また、近年では世界三大映画祭となるカンヌ国際映画祭、ヴェネチア国際映画祭、ベルリン国際映画祭に次ぐ最も重要な映画祭の一つに数えられている。
本作は、この年の映画界で注目を集めるハイライト作品で構成される「Limelight」部門に選出され、この部門での出品は邦画アニメ初。2017年には『海よりもまだ深く』(2016年/是枝裕和監督)、昨年は『ドライブ・マイ・カー』(2021年/濱口竜介監督)も出品された部門で、世界が注目する日本映画として、国内外で期待の声が高まっている。「Limelight」部門は観客賞・NETPAC賞(Network for the Promotion of Asian Cinema=最優秀アジア映画賞)が対象となり、早くも本年度の賞レースに名乗りを上げ、受賞の期待が高まる。
授賞式は現地時間2/3(金)17:00~《日本時間:2/4(土)1:00~》となる。
(オフィシャル素材提供)
公開表記
配給:松竹
大ヒット公開中