2013年10⽉、⾼齢者売春クラブが警視庁に摘発された。クラブの会員数男性1000名、⼥性350名、最⾼齢は88歳。まさに超⾼齢化社会の⽇本が抱える、⽼⼈の孤独死、介護問題、おひとりさま問題などの不安が反映された事件――この事件をもとに、『ソワレ』の外⼭⽂治監督がオリジナル脚本を⼿がけた社会派群像劇『茶飲友達』。
2⽉4⽇(⼟)から渋⾕ユーロスペースにて公開され、初⽇初回から連続5回満席の⼤ヒット・スタートを切った本作。1⽇3回の上映ながら、⼟⽇2⽇間の成績は動員715⼈、興収110万円の好成績。客層は幅広く、男⼥⽐は6:4。パンフレットの売れ⾏きも好調で、YAHOO!映画やFilmarksなどの映画サイトでの評価も⾼いことからSNSでの⼝コミも徐々に増えてきている。
まさにカメ⽌めブームの“シニア版”というべき今回のムーブメントを受けて、ユーロスペース・北條誠⼈⽀配⼈のコメントも到着した。「どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと⾔われた層がちゃんと動いているという驚き。私たちが頭で理解していることを映画はものの⾒事に裏切っていきます」と驚きを隠せない様⼦だ。
コメント
北條誠⼈(ユーロスペース⽀配⼈)
コロナ禍がシネコン、ミニシアター問わずに残したものは、シニア層の観客が劇場にもどってこなくなったことです。
その影響を受け、東京で最も古い歴史をもつ岩波ホールが昨年7⽉に閉館しました。
映画連盟が発表した2022年の興⾏収⼊は前年⽐131.6%までとりもどし、史上最⾼の興⾏収⼊を得た2019年の89%まで取り戻しました。
それはアニメ作品のいままでにない⼤ヒットが⽀えた数字で、ミニシアターにはその余波の影響はありません。
『茶飲友達』が描くのは⾼齢者のセックス産業です。
ですから、正直、どれだけシニア層が『茶飲友達』を観に来てくださるのだろうかと⼼配はしていました。コロナ禍の出控えと⾼齢者のセックス産業の可視化。
実際に初⽇を迎えて、ワークショップに参加された役者さんたちが引っ張ってきたお客さん以上に、予想を超えるシニア層がいらして驚きました。男性のひとり客と⼥性のふたり連れが圧倒的に占めています。
渋⾕という街が若者の街ということもあり、またユーロスペースの劇場カラーが若いお客さんに⽀えられているミニシアターとしては珍しいスタンスのゆえ、正直⼀番予想できない層が初⽇から⼆⽇⽬の毎回満席にして平⽇⽉曜⽇の初回も満席近くになってびっくりしました。
どこでこの作品の情報を得たんだろうという驚きと劇場に戻ってこないと⾔われた層がちゃんと動いているという驚き。
私たちが頭で理解していることを映画はものの⾒事に裏切っていきます。
⾃分たちの好奇⼼に応えてくれる映画にはきちんと⾜を運んでくれる姿を見て、コロナと共に⽣きていくことになるこれからのビジネスについて、考えを新たにした次第です。
⾃分たちの好奇⼼から社会の関⼼へ『茶飲友達』が動き出したようです。
公開表記
配給:イーチタイム株式会社
2023年2月4日(土) 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)