作品紹介

『桜色の風が咲く』

©THRONE / KARAVAN Pictures

イントロダクション

 視力と聴力を次々と失いながらも、大学へ進学し、現在、東京大学の教授を務める福島 智さんをご存じですか。
 これは、そんな智さんと母・令子さんの実話にもとづく物語。ひとつひとつ困難を乗り越えながら人生の可能性を広げていく二人の勇気は、私たちの心を生きる歓びで満たすことだろう。また令子さんが、盲ろう者である智さんとの日常の中から考案した、リアルタイムで言葉を伝える新たなコミュニケーションの手段“指点字”。現在、多くの人々に希望を与え続けている“指点字”誕生に至る、知られざる物語でもある。

主演・小雪。凛として強く、大らかな母を体現する圧倒的な存在感。
 幼い頃からやんちゃで明るく、自身の可能性を諦めない智を支え、母としてのたくましさを得ていく主人公・令子を演じたのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』ほか多くの作品に出演する小雪。本作の脚本を読むなり出演を熱望、12年ぶりに主演を務めて新境地を拓く。智役に、気鋭の若手俳優・田中偉登(『朝が来る』)。愛すべき楽天的な姿とともに内面の深さをも体現した。夫・正美役に吉沢 悠。ほかに、リリー・フランキー、朝倉あき等が顔を揃える。
 監督は、『最後の命』『パーフェクト・レボリューション』の松本准平。新型コロナウィルスのパンデミック下で、人とのコミュニケーション、そしてかかわり方が難しくなっている今だからこそ、触れ合うというコミュニケーションの原点の大切さを伝えていく、温かな人間賛歌に作り上げた。

©THRONE / KARAVAN Pictures

ストーリー

 教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少の頃に視力を失いながらも、家族の愛に包まれ、持ち前の明るさで天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに智は東京の盲学校に進学。親友もでき、高校生活を謳歌。淡い恋もする。たまに彼から届く手紙といえば、令子が苦心した点字翻訳に難癖をつけてくる生意気ぶりだ。だが智は18歳のときに聴力も失う……。
 暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、ある新たなコミュニケーションの“手段”だった。
 勇気をもってひとつひとつ困難を乗り越えていく母と息子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく――。

英題:“A Mother’s Touch”

(2022年、日本、上映時間:113分)

キャスト&スタッフ

監督:松本准平
製作総指揮・プロデューサー:結城崇史
脚本:横幕智裕
音楽:小瀬村晶
協力:福島令子、福島 智
エンディング曲:辻井伸行「ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13《悲愴》II. ADAGIO CANTABILE」
製作:スローネ、キャラバンピクチャーズ
制作:THRONE INC./KARAVAN PICTURES PTE LTD
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
出演:小雪、田中偉登、吉沢 悠、吉田美佳子、山崎竜太郎、札内幸太、井上肇、朝倉あき、リリー・フランキーほか

公開表記

配給:ギャガ
11/4(金) シネスイッチ銀座、ユーロスペース 他全国順次ロードショー

オフィシャル・サイト

gaga.ne.jp/sakurairo(外部サイト)

ギャラリー

(オフィシャル素材提供)

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