本年度サンダンス映画祭にて観客賞とフェスティバル・フェイバリット賞の2部門を受賞し、全米批評サイト・ロッテントマトでは驚異の100%フレッシュ(2022.5.9時点)という圧倒的な高評価を獲得しているドキュメンタリー『ナワリヌイ』。
ロシアの弁護士で政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイは、インターネット上でのプーチン政権への批判で国内外の注目を集め、若者を中心とした反体制派から熱烈な支持を寄せられるカリスマだ。やがて政権の最大の敵となった彼は、不当な逮捕を繰り返され、徐々に見えない巨大な力に追い詰められてゆく。そして2020年8月、彼は移動中の飛行機内で毒物によって昏睡状態に陥った。機体は緊急着陸し、搬送された病院でもナワリヌイは意識不明となっていたが、やがて病院側の反対を振り切ってドイツの病院へ移送され、そこで奇跡的に回復を遂げた。さまざまな憶測が飛び交う中、体調が戻り始めた彼は、自ら調査チームを結成。自分に毒を盛ったのは一体何者なのか? 暗殺未遂事件の影に潜む勢力を、信じられない手法を用いて暴いていくのだった……。
この度、3月13日(日本時間)に開催された第95回アカデミー賞®授賞式において、本作が長編ドキュメンタリー映画賞を受賞! これを記念してBunkamuraル・シネマ他にて、凱旋上映が決定した。
アカデミー賞®の受賞式では、舞台上にダニエル・ロアー監督をはじめ、ナワリヌイ氏と共に暗殺未遂事件の実行犯を暴いた調査チームの主要メンバーであるクリスト・グロゼフ氏やマリア・ぺヴチク氏、そして映画でも家族の強い絆でナワリヌイ氏を支えていた妻のユリヤ氏と娘のダーシャさん・息子のザハールさんも登壇。受賞の喜びを分かち合うとともに、スピーチではナワリヌイ氏の解放を力強く訴えた。
ダニエル・ロアー監督は「ロシア反体制派のリーダー、アレクセイ・ナワリヌイ氏は今も独房にいます。プーチン大統領による不当なウクライナ戦争の犠牲になっています。アレクセイ、あなたの私たち皆に向けたメッセージを世界は忘れていません。独裁者や権威主義がどこで頭をもたげようとも、反対することを恐れてはいけません」とスピーチ。続いて妻ユリヤ氏が「皆さんありがとうございます。私の夫は真実を語っただけで、民主主義を守っただけで刑務所にいます。アレクセイ、私はあなたが自由の身になる日を夢見ています。そして私たちの国が自由になることを。愛しています。どうか強くあってください」と語った。
この感動的な授賞式での様子も相まって、SNS上では劇場公開時に見逃した映画ファンからの再上映を望む声が続出。3/17(金)から京都シネマでの再上映が1週間限定で行われているのに続き、東京でも3/24(金)より急遽Bunkamuraル・シネマでの凱旋上映が決まった。その他の地域でも、配給会社と劇場の間で上映の調整が進んでおり、今後もドキュメンタリー作品としては異例の再上映が多くの都市で行われることになりそうだ。
ロシアによるウクライナ侵攻から先月で1年が過ぎ、未だ終戦の兆しもないまま犠牲者は日々増え続けている。ナワリヌイ氏もロシアで最も厳重といわれる刑務所に移送され、独房に収容されたまま700日以上が経つが、なおもSNSを通してプーチン大統領とロシア政府を批判し、ウクライナ侵攻の不当さを訴え続けている。ナワリヌイ氏への注目は途切れることなく、支持する声は全世界へと広まり続けている。本作はアカデミー賞®のほか、英国アカデミー賞の最優秀ドキュメンタリー賞、全米プロデューサー協会賞の最優秀ドキュメンタリー賞、シネマ・アイ・オナーズの観客賞と製作者賞も受賞。今こそ全世界で観られるべき作品だという評価を不動のものにしている。
公開表記
配給:トランスフォーマー
3月24日(金) Bunkamuraル・シネマほかにて凱旋上映決定!
(オフィシャル素材提供)