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『かがみの孤城』閉城の日フィナーレイベント

©2022「かがみの孤城」製作委員会

 本作は昨年の12月23日に全国公開を迎え、SNSでは「人生で一番泣いた」等と大絶賛の感想が後を絶たず、口コミが口コミを呼び全世代に拡がり、今なおロングラン上映が続いているが、本日3月30日は、劇中で「かがみの孤城」が“閉城”する日ということで、そんな節目の日にフィナーレイベントを実施した。
 ※ この記事は作品のネタバレを 含みます。

 満員の観客の割れんばかりの拍手に迎えられながら、本作の主人公・こころ役の當真あみ、原 恵一監督が登壇した。
 まず初めに當真より「今日は皆さん来てくださってありがとうございます。公開から3ヵ月以上経ってもまだ観ましたという言葉をいただいて嬉しく思います。今回、閉城の日にイベントを実施することができて、自分としても、こころとしても今日を迎えられてすごく楽しいです!」と感謝の気持ちと共に挨拶した。次に原監督より「昨年の12月23日に公開されて、あっという間に3ヵ月以上経ちました。皆さんにしっかり届いているという気持ちを実感しました。ありがとうございます」と挨拶。
 会場には20回以上本作を観ている観客もおり、當真は「私は映画館に3回観に行きました。皆さんのほうが遥かに多くて負けたのが少し悔しいですけど、嬉しいです」と感謝の気持ちを伝えた。

 「閉城の日」にもう一度作品の魅力を語りつくしたい!ということで、全国のファンの皆さんより、事前にTwitter上で「かがみの孤城」のベスト・シーンを募集! その中でもとりわけ人気の高かったベスト3を発表し、當真、原監督と今だから語れる名シーンの裏話などで盛り上がった。

【第三位】マサムネ「オレたち、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」
 MCより「このセリフを受けたあと、何かこころのお芝居に影響はありましたか?」と聞かれると當真は、「アフレコの時はまだマサムネくんの声が入っていなかったんですけど、勇気をもらいました。その後、こころの『学校に来たんじゃない、友達に会いに来た』というセリフはやっぱりマサムネくんの言葉があったから、こころも一歩踏み出せたんじゃないかなと思います」と当時のアフレコ現場での気持ちを振り返りながら語った。また原監督は「このセリフをマサムネくんが言うところに皆さん共感したと思うんです。マサムネくんのキャラクターに深みが加わったんじゃないかなと思います」とキャラクターに対する想いを話した。またMCより、マサムネ役の高山みなみのセリフ【真実はいつも一つ!】が話題になったことを聞かれると、「アフレコする前に、高山さんならではの演出ができないかなと考えました。(このセリフは元々)別の作品のものなので断られないか心配していましたが、当日直接セリフ変更を伝えると、高山さんに“はい”と言っていただけました。ただこれはちゃんと意味があって、マサムネが『真実はいつも一つ! なんちゃって 』とおどけた後に、スバル『なにそれ』って言うんです。スバルはコナン君を知らないという伏線がしっかりとあるんです。ただこれは後付けで伝えたんですけど(笑)」と会場に笑いを誘った。

【第二位】喜多嶋先生 「だって、こころちゃんは毎日闘っているでしょう」
 選ばれたシーンについて當真は「喜多嶋先生の一番好きなシーンで、このセリフは自分を認めてくれたと感じて、すごく私は好きです。1位だったらよかったなと思ったんですけど、2位だったので悔しいです」と順位に悔しさを漏らしながらも、自分自身の好きなシーンとして思い入れを語った。 同じく原監督も、「すごく大事なシーンだと思っていたので、選ばれたのは嬉しいです」と喜びを語った。また當真の演技に ついて原監督は「涙をこぼす直前の、声が潤んだ感じがとてもよかったです。こういうシーンは、生身の人間の安定しない感じが撮れるとリアリティーが出る、 綺麗に演じてもらわないほうが人間らしいと思ってOKにすることがあります」と當真のリアルな演技を絶賛した。

【第一位】オオカミさま「善処する」
 この場面について當真は「このシーンは涙なしで観られる方は少ないんじゃないかなと思います」と感動的な場面であることを語り、また観客から寄せられたオオカミさまのセリフでここだけ声が違うんですよね?という質問に、原監督は「このセリフだけ(美山加恋さん演じる)ミオに言ってもらおうと決めました。芦田さんバージョンもあって、最初はミオとオオカミさまのオーバーラップを考えたのですが、短いセリフなのであまり効果がないと思い、思い切ってミオの声だけにしました」 と 最後のシーンに込めた想いを明かした。
 さらに、本日は「閉城の日」ということで、原監督から當真にサプライズで修了証書の授与が行われた! 原監督から読み上げられる修了証書を聞き、當真は気持ちが抑えきれず涙を流す場面も。修了証書を受け取った當真は、「今日『かがみの孤城』のこころたちと卒業するのと一緒に私も卒業できて嬉しいです。ありがとうございます。こころと自分自身が重なるところもあって、共感できる部分も多かったんですけど、やっぱり初めてのアフレコでうまくいかないなと思う時もあって、ただ最後にこんなたくさん の人が観てくださって本当に嬉しいです」と涙ながらに語った。

 そして最後の挨拶では 、原監督「この作品で美術監督をするはずだった中村 隆さんが突然亡くなられて、すごくショックで喪失感もあったんですが、何とか完成までに至りました。僕は信心深いほうではないんですが、誰かがどこかで見ているってあるんじゃないかなと思います。この映画も中村さんがきっと観てくれていると思っています。本日はたくさんの方に来てくださって、特別な映画になっていることを実感しました。こころみたいな子どもたちはたくさんいると思うんですよね。実際にはこの映画を観ること自体できない人もいるかもしれないけど、そういう人たちに寄り添える、そんな気持ちになってくれたら嬉しいです」、當真「こういうシーンが好きだったなど今日聞くことができて、たくさんの人の心に届いていたんだなと思い、すごく嬉しかったです。そして3月30日の作品の節目に立ち会えて、嬉しいです。修了証書をもらって、安西こころ役として皆さまの前に立つのは最後なんですけど、私の中ではずっと思い出として残りますし、何かあった時に支えてくれるんじゃないかなと思います」と作品に対しての想いを伝えた。
 最後は感動の大きな拍手に包まれ、當真、原監督の2人で観客をお見送りし、無事「閉城の日」フィナーレイベントの幕が閉じた。

原 恵一監督 修了証書コメント全文
 「一生懸命な人」、それがあなたに一番ふさわしい言葉です。
 だからこそ、この映画はたくさんの人たちの心に届きました。
 その気持ちをずっと維持するのは難しいことです。
 壁にぶつかったり、悩んだりすることもあるでしょう。
 馴れで演じてしまうこともあるかもしれません。
 でも、この仕事を続ける上で一番大切なのは、「全力でやる」ことだと思います。
 楽な仕事ではありません。でも 全力でやる価値のある仕事でもあります。
 これからも、良い旅を。何処かでまた会いましょう。
                原 恵一

 登壇者:當真あみ、原 恵一監督

公開表記

 配給:松竹
 大ヒット公開中

(オフィシャル素材提供)

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