『道草』は、俳優事務所であるハイエンドが製作する映画第二弾。2022年10月1日より公開された第一弾『わかりません』に引き続き、片山享が監督を務めた。本作は12月9日からシモキタ- エキマエ- シネマ『K2』にてロードショーが決定した。同監督の初長編となった『轟音』は北米最大の日本映画祭であるJAPANCUTSネクジェネレーション・コンペティション部門、シッチェス映画祭ブリガドーン部門にノミネートされるなど国内外での注目作となった。そして今作が本年五本目の長編劇場公開作という驚異的なスピードで作品を生み出している。
その創作力を支えている俳優出身の監督という出自を生かした演出にも注目が集まる。本作では、凡庸に生きてきた画家が他人の絵・評価・価値観に翻弄されていくさまを通じ「自分らしさとは何か」「価値とは何か」という芸術家に限らず普遍的なテーマを巡る物語を抒情的に、かつ鮮烈な描写で見事に紡いでいる。
その問いに飲み込まれていく画家・榎木道雄役にはENBUゼミナールシネマプロジェクト発の映画『河童の女』(20)で映画初出演にして主演に抜擢された青野竜平。ヒロインとなる富田サチはネクストブレイクの呼び声高く、映画・ドラマ・舞台と話題作への出演が相次ぐ田中真琴が務めた。そのほか、モデルとしての活動に加えて映画『PARALLEL』(22)など俳優業でも注目のTao、片山組に欠かせぬキャラクターを担う大宮将司のほか、谷仲恵輔、山本晃大、入江崇志ら実力派の俳優陣が揃った。
また現在、池袋シネマ・ロサにて2週間限定公開中の『わかりません』は好評を博し、延長上映が決定した。
キャスト コメント
青野竜平
演じた榎本道雄は、売れない画家です。僕は絵をかいた経験があまりなかったので、無我夢中で一から絵画を習い臨みました。
ヒロインのサチ役を演じた田中真琴さんがとても魅力的で、田中さん無くして道雄はいませんでした。
片山 享監督は、どんな時も丁寧に全力で向き合い、すべてを受け止めてくれました。
撮影期間中、夜通し書いた一発勝負の絵や、道雄を通じ経験した時間の中で自分のすべてを絞り出した先に見えた景色があり、それを皆さんにも見て欲しいと思います。価値について考えたり、翻弄されたりすることは生きていく中で誰にでもあると思います。これから観てくださる人にとってこの作品が、何かしらの道草になっていただけたら嬉しいです。
田中真琴
今回富田サチという役を頂いたのですが、私はサチがとても大好きな役でした。芯があって優しくて、ユニークで、しなやかで、私自身そんな女性に憧れているので、今回作品の中でそういう女性になれたことがとても幸せでした。
片山監督は私が描くサチをとても可愛がってくれて、例えば川で道雄くんとまどろんでいるシーンとかでも私がやりたいことを尊重して演出してくださったので、私にとってそんなこと初めてで、とても思い入れのある作品になりました。
監督ステートメント
他人にとってはいらないものが自分にとって宝物だったりすることがある。映画もしかりで、他人にとっては駄作だったが、自分にとっては大傑作ということもしばしば。価値観の相違とでも言うんでしょうか。この、価値、みたいなものに時々翻弄されます。自分の価値はどのくらいあるのか、とか。仕事もそうですが、人にとっての自分の価値も。その価値はどう測ったら良いのだろうか。はたまた、測る必要があるのか、ないのか……道草でもしながら考えてみたいと思います。
配給・宣伝協力:夢何生
12月9日より下北沢K2でロードショー ほか全国順次公開
(オフィシャル素材提供)