『Winny』大ヒット御礼舞台挨拶

　ネット史上最大の事件ともいわれた禁断の実話を映画化！　不当逮捕から無罪を勝ち取った天才開発者・金子勇氏の７年の道のりを描いた映画『Winny』。３月11日の公開初日以降ロングランが続いている本作の大ヒット御礼舞台挨拶が４月19日(水)に都内映画館で行われ、東出昌大、三浦貴大、木竜麻生、そして松本優作監督が参加した。

　公開から約１ヵ月の月日を経たが、現在もチケットが取りづらいなどロングラン大ヒットを記録中。松本監督は「こんな経験ないというくらい『観たよ！』というメールをたくさんいただく」と反響を実感しており、「今はネット技術の変革期に当たる時期で、Winny事件も当時のネット黎明期の変革期に起きたもの。新しい時代になる中でこの事件から得た教訓をどう活かしていくのか？　この映画が今公開されたことに意味を感じます」と手応えを得ていた。

　革新的なソフト「Winny」を開発した金子勇役の東出は「僕の個人のホームページに、生前の金子さんを知る方からたくさんご連絡をいただいたりして。そのような反応の来かたは初めてのこと」と驚き。サイバー犯罪に詳しい弁護士・壇俊光役の三浦も「僕は知り合いからただの酒飲みの兄ちゃんだと思われているので、『ちゃんと役者の仕事やってるじゃん！』と認められた」と嬉しそうで、「僕は普段ボヤーとしているので役者と思われていない。今回の反響を機に頑張らないといけないと改めて思いました」と大ヒット御礼舞台挨拶の場で意気込んだ。

　桜井恵子役の木竜は「別の作品の現場でスタッフさんや俳優さんから『観たよ！』と言われたりして、作品がたくさん届いていることを実感しました」と喜色満面。ちなみに本作の舞台挨拶に木竜が参加するのは初めてで、木竜の印象について東出は「柔和だし、明るいし、木竜さんがいると自然と現場が明るくなって華やいだ」と絶賛し、三浦も「芝居に対しても一生懸命」と太鼓判。さらに松本監督から「透明感があって、分かりやすい芸能人感がない。今の日本の俳優の世界に少ない唯一無二の存在」と手放しで評されて、木竜は「恥ずかしい！　今日は大ヒット御礼なのに、こんなに私が喜ぶ会でいいの!?」と赤面し通しだった。

　また木竜とは『菊とギロチン』で初共演した東出は「技術が付くと自分を可愛く見せることや綺麗に見せることを覚えがちで素直に居続けるのは難しい。それを木竜さんはなされている」と唯一無二の俳優だと強調。これに恐縮しきりの木竜に対して三浦は「もう今日は木竜さんを褒める会！」とニヤリとし、東出も「今日の舞台挨拶はホンワカですね～」と楽しそう。続けて三浦が「毎回こういう舞台挨拶だったらいいのにね！」と言うと、東出は「やはり初日は緊張でガチガチになるし、マスコミもいるからネットニュースの見出しのこととかを考えちゃいますよね」と本音トーク。さらに三浦は「今日は大ヒット御礼ということで映画もヒットしているわけだから、そういうのはもういいでしょ！」とぶっちゃけて、爆笑の東出から「開き直り！」とツッコミを受けていた。

　最後に木竜は「自分としても観られて良かったと思う作品。いろいろな感想があることが映画を豊かにするので、素直な感想を色々な人たちに伝えてほしいです」とさらなる大ヒット祈願。三浦は「東出君と僕の芝居のアプローチは真逆ですが、年齢も近い東出君と共演できたことが嬉しい。今後も役者を続ける中でまた共演したいです」と再会を約束。

　東出は「コンプライアンス的にという言葉がよく聞かれる昨今。映画界もドラマ界もタブーに切り込むのではなく、それを当たり前のこととして取り組まなければいけない。この映画に対しても『よく作れたね!?』という反響が多いけれど、今後も『Winny』のような映画を作れる日本であればいいと思います」と俳優としての希望を口に。松本監督も「数えきれないほどのスタッフ、キャスト、関係者の皆さんがいたからこそ、この映画の公開が実現しました。まさに奇跡的に生み出せた作品であり、今の時代に『Winny』を公開できたことに対して日本映画界に希望を感じます。僕自身、この映画を通して新しい可能性を感じ取れた気がします」と大ヒットの喜びを嚙みしめていた。