6月2日(金)~6月15日(木)の日程で、アイルランド大使館主催「アイルランド映画祭2023」が、東京・角川シネマ有楽町にて開催される。
美しい自然や神秘的なケルト文化が色濃く残る伝説や神話、さらには独特のリズムを刻むアイリッシュ・ダンスなどで知られるアイルランド。日本でも音楽や文学を通してこの国に魅了された方も多いことだろう。近年はアイルランド映画に対する評価も高まってきており、今年のアカデミー賞®では、作品賞、監督賞、主演男優賞をはじめ9部門の候補となった『イニシェリン島の精霊』、国際長編映画賞候補作『The Quiet Girl』、さらには短編実写映画賞を受賞した『アイリッシュ・グッドバイ』など、アイルランド関連の作品及びアイルランド出身者が過去最多の14部門ノミネートされた。その多彩な魅力に触れていただけるよう、ドキュメンタリー、アニメーションを含む新旧全9本のアイルランド関連作品が上映される。
今回はじめて日本で公開されるのは、アカデミー賞®短編実写映画賞を受賞した『アイリッシュ・グッドバイ』、アイリッシュ・ダンスについてのドキュメンタリー映画『ステップス・オブ・フリーダム』(6/4の上映後に日本人アイリッシュ・ダンサーである林 孝之さんが登壇)、初の女性監督によるアイルランド映画『もうひとつの楽園』の3本。さらには音楽に情熱を燃やす若者たちを描いた『シング・ストリート 未来へのうた』、ダブリンを舞台にしたLGBTQがテーマのラブ・コメディ『恋人はアンバー』、名匠アラン・パーカー監督によるソウル・バンド結成の奮闘劇『ザ・コミットメンツ』といった、多くの名曲に彩られたアイルランドの青春映画の傑作を上映。他にも独自の世界観が美しいアニメーション『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』、映画史にその名を刻むジョン・フォード監督の『静かなる男 デジタルリマスター版』、昨年のアカデミー賞®で話題になったケネス・ブラナー監督の『ベルファスト』といった、すでに名作の誉れ高い作品もラインナップ。
上映作品
『アイリッシュ・グッドバイ』An Irish Goodbye
(短編)【日本初公開】(2022年/アイルランド=英/23分/カラー)
監督:トム・バークレー、ロス・ホワイト
出演:シェイマス・オハラ、ジェイムズ・マーティン
母を弔うためにアイルランドの実家へ帰ってきたトゥーロッホは、疎遠だったダウン症の弟と再会。弟を叔母に預けようとするトゥーロッホだったが、「母のやり残した100のこと」を一緒に叶えるうち心境に変化が生まれる。本年のアカデミー賞®短編実写映画賞を受賞した、ちょっぴり風変わりで限りなく優しいハートウォーミング・コメディ。
※ 『シング・ストリート』との併映
『ステップス・オブ・フリーダム』Steps of Freedom:The Story of Irish Dance
【日本初公開】(2022年/アイルランド/85分/カラー)
監督:ルオーン・マガン
出演:シボーン・マンソン、マイケル・フラットレー、リアノン・ギデンズ
イングランドによる支配の中で原型が生まれ、今では国境を超えて世界中で親しまれているアイリッシュ・ダンス。その何世紀にも渡る物語や抵抗運動ともいえる歴史を、貴重なフィルムや力強いオリジナル・パフォーマンス映像と共に追うドキュメンタリー。ダンサーの第一人者であるマイケル・フラットレーはじめリアノン・ギデンズらミュージシャンも登場、音楽ファンも必見!
『ベルファスト』Belfast
(2021年/英/98分/モノクロ・カラー)
監督:ケネス・ブラナー
出演:カトリーナ・バルフ、ジュディ・デンチ、ジェイミー・ドーナン、キアラン・ハインズ
北アイルランド、ベルファスト出身の名優、ケネス・ブラナーが自身の幼少期を投影した自伝的作品。ノスタルジックで力強いモノクロ映像が描き出す、ある少年と家族の厳しくも愛に満ちた、永遠の記憶──。変わりゆく土地と時代の中で未来へと一歩を踏み出そうとする人々の姿が感動的に胸に刻み付けられる。
配給:パルコ、ユニバーサル映画
『恋人はアンバー』Dating Amber
(2020年/アイルランド/92分/カラー)
監督:デイヴィッド・フレイン
出演:フィン・オシェイ、ローラ・ぺティクルー、シャロン・ホーガン、バリー・ワード
自身がゲイだと認められない高校生エディとレズビアンであることを隠しているクラスメイトのアンバー。平穏に卒業を迎えるため、二人は恋人同士のフリをすることに! 同性愛が合法となった直後の1995年のアイルランドを舞台に、自分らしく生きようともがく若者の青春を描くチャーミングな物語。PULPやU2などの挿入曲も印象的。
配給:アスミック・エース 提供:Watcha Japan
『シング・ストリート 未来へのうた』Sing Street
(2015年/アイルランド=英=米/106分/カラー)
監督:ジョン・カーニー
出演:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、エイダン・ギレン、ルーシー・ボーイントン
1985年のダブリン。家庭にも学校にも居場所がない14歳のコナーは、街で見かけた年上の女の子ラフィーナに一目惚れ、バンドも組んでいないのにPVへの出演を依頼してしまって……。デュラン・デュラン、ザ・ジャム、ザ・キュアーなど80年代UKサウンドにのせて友情や初恋のときめきを鮮やかに切り取った青春エンタテイメントの傑作。
※ 『アイリッシュ・グッドバイ』との併映
配給:GAGA
『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』Song of the Sea
(2014年/ルクセンブルク=ベルギー=フランス=デンマーク/93分/カラー)
監督:トム・ムーア
出演:デヴィッド・ロウル、ブレンダン・グリーソン、フィオヌラ・フラナガン
アイルランドの神話をベースに、幼い兄妹の大冒険、そして別れを、まるで絵本が動き出したかのような温かみ溢れる映像美で描く珠玉のファンタジー。監督は本作で2度目のアカデミー賞®長編アニメーション賞ノミネートとなったトム・ムーア。制作はアイルランドで“ポスト・スタジオジブリ”と称される制作会社“カートゥーン・サルーン”。
配給:チャイルド・フィルム、ミラクルヴォイス
『ザ・コミットメンツ』The Commitments
(1991年/英=アイルランド=米/118分/カラー)
監督:アラン・パーカー
出演:ロバート・アーキンズ、アンドリュー・ストロング、マイケル・エイハーン
本格的なソウル・バンド結成を目指すジミーは、新聞広告にオーディション開催を掲載するが、集まってきたのは一癖も二癖もある者ばかりで……。ダブリンを舞台に成功を夢見る若者たちの熱い友情と音楽を描いた、名匠A・パーカー監督による青春ドラマの傑作。原作はアイルランドの作家・劇作家、ロディ・ドイル。
『もうひとつの楽園 4Kデジタルリマスター版』This Other Eden
【日本初公開】(1959年/アイルランド/81分/モノクロ)
監督:ミュリエル・ボックス
出演:オードリー・ダルトン、レスリー・フィリップス、ナイル・マクギニス
アイルランド独立戦争の最中、敵の銃撃により殺害されてしまった司令官。戦後彼は英雄となり銅像が建立されるが、その除幕式に集まった人々の間で上へ下への大騒動が持ち上がる。ルイス・ダルトンの戯曲を元にしたコメディ。英国人監督のミュリエル・ボックスは、アイルランドの長編映画を監督した初の女性となった。
『静かなる男 デジタルリマスター版』The Quiet man
(1952年/米/129分/カラー)
監督:ジョン・フォード
出演:ジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、バリー・フィッツジェラルド
生まれ故郷アイルランドに帰ってきたアメリカ人の元ボクサーが、一目ぼれした勝気な娘と結婚するものの彼女の粗暴な兄がそれを認めず、ついには決闘まで発展する。自らもアイルランド移民の子であったフォードが、豊かな大自然と共にアイリッシュの高潔な魂を高らかに歌い上げた名作。アカデミー賞®で監督賞を受賞。
「アイルランド映画祭2023」Irish Film Festival 2023
6月2日(金)~6月15日(木) 角川シネマ有楽町にて開催!
主催:アイルランド大使館
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
宣伝:VALERIA
協力:角川シネマ有楽町、アイリッシュ・フィルム・インスティチュート
公式HP
(オフィシャル素材提供)