インタビュー

『でくの空』島 春迦監督 オフィシャル・インタビュー

©2022 チョコレートボックス合同会社

 人気落語家・林家たい平主演映画『でくの空』がユナイテッド・シネマ ウニクス秩父及びユナイテッド・シネマ ウニクス上里にて先行公開中。8月26日(金)からのアップリンク吉祥寺での公開を前に、島 春迦監督のオフィシャル・インタビューが到着した。

本作制作の経緯をお教えください。

 ここ数年で両親や弟が立て続けに他界し、いろいろな悔いが湧き起こってくるなかで、人はどのようにして身近な人の死を乗り越えていけるのか考えるようになりました。こういうことは誰の身にも起こることですので、その過程をある男の生き様を通して辿ってみたいと思いました。

各キャストには撮影前にどのような話をしましたか?

 演じようとする前に、まずそこに居てください、というような話をしたと思います。屋内でも屋外でも、映画の撮影は「現場」で行なわれます。キャストには、地に足をつけて、深呼吸して、そこに居ることから始めてほしいと思っています。そこからリアリティが生まれると思います。

周介の心の再生を描くための趣味として、歌と俳句をやっているという設定にした理由はありますか?

 たい平さんが実際に俳句を詠まれていることと、歌がうまいということがありました。わたし自身も戯曲やシナリオを書く前は、短歌や俳句、詩を書いていました。すべてをセリフで説明するのではなく、同じ言葉を使うのでもそこから世界が広がったり、本質的なことを言い当てたりする表現を取り入りたいと思いました。

ペーさんの山のシーンなど、セリフがないシーンのペーさんに新鮮な魅力を感じましたが、撮影していていかがでしたか?

 撮影前にたい平さんから連絡がありました。「ペー師匠が心配だ」と(笑)。どういうことかなと思っていたら、ぺーさん、全くセリフを覚えて来ませんでした(笑)。いくらか忘れるというキャストは多いのですが、白紙で臨まれるキャストは初めてでした。でも現場ではとても謙虚で真剣そのもの。白紙だったからこそ、いい味わいが生まれたのではないでしょうか。

トランポリンのシーンなど、特に子どものシーンはドキュメンタリーのように感じましたが、撮影で工夫したことはありますか?

 この映画だけではなく、わたしの映画には地域キャストがたくさん登場します。寄居や秩父、皆野、深谷、熊谷、桶川など県内に住む出演者で、常連になっている人たちもいます。地域に拠点を置いて映画を撮る以上、身近な人たちに映画に参加してもらい、ロケ地やそこでの暮らしに根ざした表現をしたいという気持ちがあります。
 撮影ではできるだけリラックスしてもらうことを心がけました。句会の撮影シーンでは、助監督が意図的にカチンコを打たずに、リハーサルと本番の境目をなくして撮りました。子どもを撮影するときもそうです。皆さん現場を楽しんでくれているようで、成長が頼もしいです。

本作の見どころをお教えください。

 林家たい平さんと林家ペーさんが、普段のイメージとは異なる落ち着いた演技をしていますので、注目していただければと思います。結城美栄子さんの存在感や、熊谷真実さんの切れのいい演技も見どころです。

読者の方々へのメッセージをお願いします。

 首都圏にほど近い埼玉北西部の景観や、地域キャストの皆さんの活躍なども併せてご覧になっていただければと思います。

公開表記

配給:アルミード
ユナイテッド・シネマ ウニクス秩父にて公開中、8月12日(金)よりユナイテッド・シネマ ウニクス上里、8月26日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

関連作品

スポンサーリンク
シェアする
サイト 管理者をフォローする
Translate »
タイトルとURLをコピーしました