人と人の関係が希薄になってしまった現代社会に、真の絆とは何かを問いかけ、観る者を生への希望で照らし出す珠玉のヒューマン・ドラマ映画『渇水』は6月2日(金)に公開初日を迎え、全国で話題を集めている。6月14日(水)には公開御礼舞台挨拶が実施され、主演の生田斗真をはじめ、磯村勇斗、髙橋正弥監督が登壇し、公開してから耳にした評判や、今だから話せる裏話など、公開後舞台挨拶ならではのトークを展開した。
上映後の観客の元、登壇した生田斗真、磯村勇斗、髙橋正弥監督。
早速、メイキング写真が舞台上スクリーンに投影され、その写真を見ながらトークをする展開に。最初に、生田と磯村ふたりが話している写真が映し出されると、初共演ながら仲の良い雰囲気に、生田が「勇斗って呼んでいます。羨ましいだろう!」と観客にアピールすると、磯村も「ふう~!」とテンションが上がっている様子。
ふたりが話している様子の写真が映し出されると、雨が多かった撮影を振り返りつつ、生田が「空見ながらいける~?」、磯村が「地面濡れてますからね~」と、撮影時の様子を再現し、会場を盛り上げた。
さらに、生田がぎゅっと丸まっている写真が公開されると、「めちゃめちゃコンパクトになっていますね。可愛いですね。こんな体育座り似合う人います?」とツッコむ磯村。
また、アーケードで撮影された際のメイキング写真も公開されると、「このシーン撮ってるくらいから“来たな”という感じがしていて、俳優同士でしか分かり合えない、“はまったな”“来たぞ”っていうのを感じたんですよね」と明かした生田。そんな生田に、磯村も「僕も覚えています。狙ったわけではないんですが、ほんわかした中で話していくので、すごく心と心が一緒になっていく感じがしましたね」と、相思相愛だった撮影を振り返る。
また、手を広げる磯村に、生田が体を曲げて話し込む写真が公開されると、不思議な構図の写真に生田は「これは何の話をどんな体勢で聞いてるの!?」と爆笑。二人もこの写真の際のことを覚えていないようで、「お弁当箱これくらいの買ったんすよ!」と磯村が、「まじで!?」と生田が“写真ボケ”を披露し、ここでも仲の良さをアピール。そんな中、生田が「観葉植物にハマっていると言う話を磯村くんがしていて、長期の撮影で抜ける時は植物に自動的にお水できるホースでお水あげていますって話したよね」と断片的な記憶を思い出す。「このくらいのホースなんですよ!」「マジで!?」みたいな瞬間かもしれませんね、という新たな“写真ボケ”も披露した。そんな和気藹々とした雰囲気だった撮影を振り返り、磯村があらためて「趣味の話であったりとか、他愛のない話をしましたね。そういうことが逆に良かったですね。関係値を築けたかなと思います」と、役作りに活きた撮影中のやりとりだったことを明かした。
また、話題になっている岩切が最後に公園で起こす“しょぼいテロ”のクライマックス・シーンについての話になると、生田が「この映画を通して、岩切は抑えの効いた、何かの感情に蓋をしたようなものが求められていたので、感情が溢れる公園の撮影では解放感があったし、あのしょぼさが逆に切なさを助長するのかなと思いますよね。若い女優陣二人とはあまり接触しないでくれという要望もあったので、このシーンの前は本当に話してなかったのですが、このシーンの直前にはようやく話せたので、その部分も印象に残っていますね」と、撮影を振り返る。磯村も「生き生きとした岩切の表情を見ながらも、自分はまた違う考えなので、このシーンでは衝突しているので、気持ちとして昂りながら、先輩として敬意もあって、複雑なシーンではあったのですが、僕も大好きなシーンですね」とシーンへの思いを語った。
さらに、心に蓋をしてきた岩切が発する「このままじゃダメなんだよ」という台詞が直前に急遽追加されたものだったということが明かされ、髙橋監督が「脚本上はこのセリフはなくて、前日くらいに生田さんに提案させていただいて、岩切がずっと感情を押さえ込んでいる人だったので、心の叫びとかを一言叫んで欲しいと言う思いの中、かつ、このセリフが姉妹にも響いて欲しいと言うこともあり、このセリフを選びました」と、舞台裏を明かした。生田も「いろいろなことを我慢して、なんでもないふりをしていた岩切という男の隠し持っていた感情が爆発する瞬間なので、(台詞を)もらったのは前日だったんですが、自分の気持ちにフィットするものをもらったなという気持ちでしたね」と当時を思い返した。
そして、「非常に居心地が良くアットホームな現場だった」ということが過去のイベントでも話されていたことから、共演シーンの思い出の話になると、生田が尾野に関して「初めて尾野さんとご一緒したのですが、朗らかな感じがすごく素敵で、撮影期間はそんなに長くなかったですが、いい時間が過ごせました。クランクアップも雨降ってましたね。ひまわりの花束と、ひまわりのごま油ももらって、美味しかったです(笑)」と話し、磯村は子役のふたりに関して「妹の柚穂ちゃんは天真爛漫で、姉の山﨑さんはしっかりしていて。休憩時間にふたりで宿題をしていて、教えてあげたいなって思いながらも我慢しました。今後が楽しみなふたりですよね」と、期待を寄せる。髙橋監督は「門脇さん、この役を掴み切るのが大変だったっておっしゃっていましたが、何か理由があって、何かの気持ちがあって、こういうことをしなきゃいけないということを体現していただいたのが感謝しています。お化粧しているシーンがあるのですが、現場で芝居を見ている中で、“このままじゃ私は干からびて生きていくしかない”というのを、断ち切るように鏡を見て欲しい、というお願いをしたのですが、うまく表現していただきました」と門脇を絶賛。また、料金滞納者として登場した宮藤に関しては生田が「役者としては今回初めてご一緒したのかな。滞納してんなって感じでしたよね(笑)。あの宮藤さんのリアリティっていうのは真似できるもんじゃないなって恐れ入りました」と、磯村も「停水しがいがある、と言ったら語弊がありますが、僕らも説得させられました。初日だったので、いいスタートを切れましたね」と、俳優・宮藤官九郎を大絶賛。その流れで、宮藤のラジオで“磯村勇斗映画祭”という企画で磯村がゲスト出演したという話になると、生田も「何見ても磯村勇斗出てるもんね。すごくないですか? よね! 最近のドラマの話も、キュンキュン系のドラマで、上司の先輩に“僕じゃダメですか?”って言っている切り抜き動画までも、すごいんだよ!」と話すと、磯村がすかさず「俺の愛が出ちゃってるんですよ! 支配しはじめている。生田さんの携帯まで!」と反応。そんな磯村に生田も「そういうところね」と、ここでも仲の良さを発揮した。ここで、「僕が宮藤さんと初めて出会ったのは、『キッズ・リターン』と言う映画で宮藤さんが主役の二人からカツアゲされるって役で、僕が助監督として、宮藤さんが俳優として初めて会ったのですが、“俳優・宮藤官九郎”が好きというのもあり、トップバッターとして出てくる停水される方はおねがいしたいって思いました」と監督もキャスティングの経緯を振り返った。
最後に、磯村が「皆さんの感想だったり、言葉がこの映画を成長させていくものだと思いますので、良かったと思ったら広めていっていただけたらと思います」と、髙橋監督が「この作品は雨とか曇りが多くて理想通りにいかないと思ったのですが、スタッフ・キャストの力で、この作品の世界の夏の感じが作れたと思います。キャスト・スタッフ一丸となって作った作品なので、気に入っていただけたら、今後もまわりにおすすめしていただいたり、お力を貸してください」と、生田が「本当に映画、作品は数多くありますが、日本映画史に残るべき映画というのはあって、自分たちで言うのもありますが、きっとこの作品は、残るべき、残すべき作品になったと思います。皆さんの心の中に、頭の中に、この映画がずっと残ることを強く願っております」とメッセージをおくり、イベントは幕を閉じた。
登壇者:生田斗真、磯村勇斗、髙橋正弥(監督)
公開表記
配給:KADOKAWA
全国絶賛上映中!
(オフィシャル素材提供)