『ムーンライト・ダイナー』『スモーキー・アンド・ビター』など、一貫して独自の無国籍な世界観と作風を貫く、神威杏次監督の最新作『7WAYS』が6月3日、東京、池袋シネマ・ロサから2週間の劇場公開を終えた。初日は、午前中の映画館の開館時間と同時に座席確保のために並ぶ人が散見、その後も着実に動員を伸ばし、18時15分の上映前舞台挨拶を迎えた時点で「満席札止めまであと数席」と迫った。
監督の神威を筆頭に、この日の登壇者が舞台に登壇するなり、この日を待ちわびた熱烈なファンから万雷の拍手が鳴り止まない状態に。例年、クラウド・ファンディングで資金を集め、その期待にしっかり応えてきた結果の、ファンとの強い信頼関係が垣間見えた。
映画は「予想を確実に超える」と謳われたサプライズな脚本に、俳優陣の熱い演技が加わり「面白かった」との声が大多数を占めた。上映後のロビーは興奮気味のファンで埋め尽くされ、映画館スタッフ、神威ら関係者が慌てて場内整理に奔走したほど。
「ネタバレ後の2度目の鑑賞が一番面白くなるように作った(神威)」という本編は、ネタバレ後に観ると気づく仕掛けの数々に、公開期間中、「答え合わせに来た」と何度も劇場へ足を運ぶリピーターが続出した。
『7WAYS』 は、この後、7月15日(土)からスタートする大阪公開を前に、2週前の7月1日(土)には、場所も同じくシアターセブンにて、『映画「7WAYS」大阪公開プレイベント』と銘打った事前イベントを敢行。次なる地、大阪で、東京の勢いを増幅させるべく再始動。8月には横浜シネマノヴェチェントへの拡大公開が決まった。
▼映画『7WAYS』大阪公開プレイベント
日時:7月1日(土) 18:00~
場所:大阪、シアターセブン
https://www.theater-seven.com/ev/ev_s230701.html(外部サイト)
▼『7WAYS』大阪公開公式案内web
https://movie.kamuin.com/entry/SEVEN2023(外部サイト)
ストーリー
作家のナオ(中川ミコ)は、とある孤島にやってきた。異空間のようなモーテルの先客は、役作りのために滞在している舞台俳優・銀次(坂本三成)。経営者であるマスター(蜂谷英昭)がナオを迎えた。
そこに、隣島の刑務所から脱獄してきた男2人、成瀬(森脇和成)と嶋村(萩田博之)。さらに、突発的な嵐で街からの一本道が土砂崩れで塞がれたため行き場を失った女2人、千夏(萩原佐代子)と涼香(牧野美千子)がやってくる。続々と現れるワケアリな人間たち。まもなくラジオから流れたのは、街で起こった宝石強盗殺人事件のニュース。犯人は女の二人組だという。
一方、探偵・黒猫(神威杏次)は、ナオの姉である香織(たかはしあいこ)から「妹を助けてほしい」との依頼を受けていた。ナオは、ある殺人事件の容疑者として逮捕されていたが、裁判では、とある事情から無罪の判決が下りていた。すでに無罪の判決を受けているナオを助けるとはどういう意味なのか。黒猫に協力を求められた警部の麻生(工藤俊作)とミサト(平塚千瑛)は、孤島での出来事について、その場にいた七人全員から事情聴取を進めていく。
(2022年、日本、上映時間:95分)
神威杏次(かむいきょうじ)監督 プロフィール
主に1990年代、多くの映画・テレビ等に出演、190cmの身長を活かした個性派俳優として活動した。長らく俳優活動は休止状態にあったが、2018年、突如、映画製作を開始、2020年製作の『スモーキー・アンド・ビター』は、東京・池袋シネマ・ロサでの劇場公開を終えた後、主に欧州の映画祭を中心に続々と高い評価を得る。その独特の世界観を武器として脚本・監督・撮影・編集・製作・制作・宣伝……と、ほぼすべてのセクションをこなしている。2021年、フランス・ニース国際映画祭にて最優秀監督賞を受賞。2022年、『ムーンライト・ダイナー』では、イギリス・ロンドン国際映画祭で、最優秀監督賞と最優秀脚本賞をW受賞。
キャスト&スタッフ
脚本・監督・撮影・編集:神威杏次
出演:中川ミコ、坂本三成、森脇和成、萩田博之、萩原佐代子、牧野美千子、蜂谷英昭 / 横浜 旭、新崎める、永井理沙、湖山ひかる / たかはしあいこ、平塚千瑛、工藤俊作、神威杏次
ギャラリー
予告編
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公開表記
製作・制作・宣伝・配給:TEAM KAMUI.Inc
6月3日より池袋シネマ・ロサにて公開
(オフィシャル素材提供)