ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患った武藤将胤さんの限界なき挑戦の舞台裏に密着したドキュメンタリー映画『NO LIMIT,YOUR LIFE ノー リミット,ユア ライフ』が6月23日(金)に公開となり、公開を記念した舞台挨拶が、25日(日)に都内で行われ、武藤将胤さんと、闘病を支える妻・武藤木綿子さん、毛利哲也監督が登壇した。
武藤さんは「皆さん、おはようございます。WITH ALS代表の武藤将胤です。僕らの映画を観に来ていただけて今日は本当にありがとうございます。皆さんに本当に感謝です」と挨拶。武藤さんの闘病を支える妻・武藤木綿子さんは「この映画は本当に私たちの夢だったので、撮影に関わってくださった皆さん、陰で支え続けてくださったヘルパーの皆さん、そして長年私たちを支えてくださった多くの皆様のおかげです。ありがとうございました」と挨拶。本作を撮った毛利監督は「お二人には私のしつこい取材にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。その時は取材の延長上にまさか、映画があるとは全く思っていませんでした。ご病気になられても、もう一瞬一瞬を大切にされている武藤さんの姿勢に本当に影響を受けました。6年間ALSが治る日を信じた結果が今日につながったと思います。この映画が一つのエールになればと思っています。ありがとうございます」と挨拶した。
映画の宣伝プロモーションと同時にALS啓蒙イベントMOVE FES.開催と多忙を極めていた武藤さんは、映画の公開を迎えたことに対し「今日まで怒涛のスケジュールで走り続けてきましたが、不思議なもので多くの人達の応援を背負っていたので、僕を何倍も強くしてくれて、どれだけ過酷でも頑張ることができました。それも本当に支えてくださった皆さまのお陰です」と、製作に携わった監督・スタッフ・関係者への御礼を述べた。そんな武藤さんを一番近くで見てきた木綿子さんは「過酷なスケジュールで私は体のことが心配になるんですが、彼の一番のファンなので、好きなことをやって思いっきり生きてほしいほしいと思っているんです。心配ではありますが、応援していました」と語る。そんな妻・木綿子さんに対して武藤さんから「僕にとってはよき理解者で、僕が人生をかけて必ず幸せにすると決めている相手です」と日頃の感謝を伝えられると、木綿子さんは涙ぐみながら「ALSと分かっていてもこの人と結婚することを決めたのは、この人なら世界を変えてくれるのではないか、何かをやってくれるのではないかと思ったからなので、これからも一番近くにいたいと思っています」と述べた。
映画を撮る上で気を付けた点について質問された毛利監督は「武藤さんを伝えるということはALSを伝えるという意味合いもあるので、現実を伝えるというのは私にとっても辛いというシーンもたくさんありましたが、なるべくリアルに伝えたいという思いがあり、なるべくお二人には過去のことをインタビューでお答えいただくというよりも今の会話を重視して伝えていようと思っていたので、朝から晩までカメラをまわさせていただきました」と明かした。
毛利監督とのエピソードについて武藤さんは「僕は仕事モードになると深夜まで頑張ってしまうので、毛利監督には夜遅くまで付き合ってもらったりしたこともたくさんありましたね」と、毛利監督と一緒に当時を懐かしそうに振り返った。木綿子さんは「体の心配をするのと同時に、彼には頑張ってほしいという葛藤があるんですけど、そういった時にも監督には相談させていただいたり、私たちの家族のような存在でした」と語る。
舞台挨拶終盤には、武藤さんから妻・木綿子さんのご懐妊が発表され花束が贈られ、「なかなか勇気が出ず、介護をしながら子どもを育てられるのかというのが不安だったのですが、介護の皆様などからの支えがあって子どもを授かることができました」と語り、会場からは温かい拍手が巻き起こった。
最後に、武藤より「これからも僕は人生をかけて僕らの人生に限界なんてないんだというメッセージを表現し続けていきます。これからも僕らの挑戦に応援をよろしくお願いいたします。また、皆さんの挑戦にも限界なんてありません。本日はありがとうございました」と締めくくり、イベントは幕を閉じた。
登壇者:武藤将胤、武藤木綿子、毛利哲也監督
キャスト&スタッフ
武藤将胤、武藤木綿子
ナレーション:石原さとみ
企画:河野太一
演出・プロデューサー:浦本 勳
プロデューサー:大黒和典
監督:毛利哲也
協力プロデューサー:白倉由紀子、遠藤英明
宣伝プロデューサー:泉谷 裕
(2023年、日本、上映時間:99分)
オフィシャル・サイト(外部サイト)
公開表記
配給:東映エージェンシー
T・ジョイPRINCE品川、T・ジョイ梅田にて公開中
(オフィシャル素材提供)