イベント・舞台挨拶

『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』福岡先行公開記念スペシャルトークショー

©RKB毎日放送/TBSテレビ

 日本で最も愛されたロックンロール・ギタリストの素顔と功績を貴重な証言で綴る傑作ドキュメンタリー映画『シーナ&ロケッツ 鮎川誠 ~ロックと家族の絆~』の福岡先行公開記念スペシャルトークショーが8月11日(金・祝)に行われ、鮎川 誠と親交の深かった大江慎也(元ルースターズ)と監督の寺井 到がトークを繰り広げた。

 上映終了後、涙と熱気に包まれた会場に登壇した二人。寺井監督が「皆さん、鮎川さんに(スクリーンで)会えたでしょうか?」と客席に問いかけると、温かい拍手が沸き起こり、“ホームグラウンド感”溢れるアットホームな雰囲気でイベントが始まった。

 制作の経緯を尋ねられた寺井監督は、「鮎川さんが亡くなってもちろん悲しいんだけれど、鮎川さんは周りに明るさをくれる人だったので、そういう人が亡くなったのにこっちがメソメソしている感じというか、“悲しい、悲しい”と言っていてもしょうがないな、追悼映画のようにならないようにしたいな、鮎川さんの人生はこんな感じだったんだよという話にしたいなと思って関係者の方にインタビューでお話を伺いました。そうしたら、甲本ヒロトさんがインタビューで「(鮎川さんが)“いた”ってことがすごいんだよ」と言ってくれて、やっぱりそうだよな、と(思いました)。鮎川さんと出会ったエピソードとか、こんなことをしてもらった、こんなことがあったんだよという話を集めれば鮎川さんの人となりを表現できるのではないかと思い、今回このような形になりました」と語り、続いて「鮎川さんへの思いが僕より遥かにあるヒロトさんが、悲しみに溺れずにああいう話をされたことに勇気をもらいました」と制作中に抱いた思いを明かした。

 大江が鮎川と出会ったのは、鮎川が北九州市若松に住んでいた1970年代。以来、鮎川が上京するまでの約2年、自宅に遊びに行っては、ギターを触らせてもらったり、鮎川が持っている輸入盤レコードを借りたり、当時まだ赤ちゃんだった鮎川とシーナの愛娘たちに会ったりしていたという思い出を大江が披露すると、寺井監督からは「いいな~」と思わず心の声が漏れた。「(借りたレコードは)ちゃんと返しましたよ」とオチがつくと、会場からは笑いが起こった。大江よりも年上の鮎川だったが、「鮎川さんは『ギターに先輩も後輩もない』と言っていた」と、決して先輩ぶらない鮎川の人柄を偲んだ。
 その後、鮎川が上京してから交流は途絶えたものの、大江が上京するとまた鮎川の自宅に遊びに行くことがあったそうで、「下北沢の鮎川さんの家に遊びに行くと、シーナさんがブルーベリーがたっぷりのったケーキを焼いてくれて、それがすごく美味しかった。ただ甘さも半端なかった(笑)」と、親戚づきあいのような関係を笑顔で話した。

 大江が最後に鮎川と会ったのは、2022年10月に若松で開催された「高塔山ロックフェス2022」。今思えば病身でステージに立っていたという事実について司会が触れると、大江は「そんな状態でステージをやれているっていうのがすごいですよね。気合というかスタンスが素晴らしいですね。僕は自分がちょっと病気になったらすぐ休んじゃうし、雨が降ったらライブやらないぞって(いうタイプだから)」とユーモア交じりに語った。

 最後に「大江さんにとって鮎川 誠さんはどういう人でしたか?」と尋ねられると、「ロックの根幹となるブルース・ミュージックから発生したご自身のスタイルを築き上げられ、それを広められたという、日本では類まれな素晴らしいアーティスト。そういう方です」ときっぱり。50年近くにわたってもなお変わらない鮎川へのリスペクトが伝わる姿勢に、会場からは大きな拍手が起こった。

 登壇者:大江慎也(元ルースターズ)、寺井 到監督

公開表記

 配給:KADOKAWA
 8月11日(金・祝)より福岡先行上映、8月25日(金)より全国公開

(オフィシャル素材提供)

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