イベント・舞台挨拶

真の民主主義を求める政治ドキュメンタリー『プレジデント』トークイベント

© Final Cut for Real, Louverture Films & Sant & Usant

 2017年の軍事クーデターで、独裁者ロバート・ムガベ大統領が辞任し、エメルソン・ムナンガグワを暫定大統領に任命したジンバブエ共和国。映画『プレジデント』は、クーデター後初となる大統領選の行方を現職のムナンガグワに挑戦する野党MDC連合の党首ネルソン・チャミサの姿を通して記録したドキュメンタリー。

 監督はユニセフやユネスコのメディア・コンサルタントとしても活躍するデンマーク出身の女性監督カミラ・ニールセン。ジンバブエの新憲法制定に向けた権力闘争を追った前作「Democrats(民主主義者)」(2014年)はトライベッカ国際映画祭で最高賞を受賞するなど高評価を受けた。その続編とも位置付けられる本作は、ジンバブエの民主化を求める国民と与党の激しい対立を臨場感をもって映し出し、サンダンス国際映画祭でワールドシネマ・ドキュメンタリー審査員特別賞を受賞した。

 8月18日(金)のトークイベントには、同じアフリカのギニアの駐日ギニア共和国大使館顧問であるオスマン・サンコンが登壇。本作を観ての感想、本編で描かれているジンバブエと同じく、長期政権→クーデター→軍事政権という道を辿っているギニア出身者として、日本人へメッセージを送った。

 「日本とアフリカは離れているから、あまり情報が入らない」と、2018年のジンバブエの大統領選に密着した本作が日本で公開されていることに喜びを示した。

 劇中、第3代大統領に就任した与党、ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF党)の代表ムナンガグワは「平和で信用できる公正な選挙を行う」と公言するが、サンコンは「民主主義と言っているのは嘘!」と一刀両断。ジンバブエでは、来週8月23日に新たな大統領選が行われる。今回も、本作で描かれているのと同じ、現職のムナンガグワと(今回は新党「変革の市民連合」から出馬している)チャミサの一騎討ちとなる。サンコンは、「大統領というのは、オバマのように2期までで退いて、アドバイザーになればいい」と話した。「僕はギニア大使館の顧問。田中角栄の時代の昭和47年に日本で大使館を作ったのは僕」と驚きのエピソードも飛び出した。

 本作は、ジンバブエの前回の大統領選では、殺害予告に、銃声と、暴力的な展開になる様子が克明に描かれている。サンコンは、「一番大事なのは平和。何かあっても、お互い話しあい、コミュニケーション!」と訴えた。

 サンコンは観客に向け、「日本を愛しています。自分の国(民主主義)を守って!」とメッセージを送り、トークイベントは終了した。

 登壇者:オスマン・サンコン
 MC:汐月しゅう

公開表記

 配給:NEGA
 池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺にて公開中 全国順次公開

(オフィシャル素材提供)

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