作家・汐見夏衛によるシリーズ累計発行部数55万部を記録する同名ベストセラー小説を実写映画化した『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(9月1日全国公開)。8月19日にはNFT購入者向けトークショー付き試写会が都内で実施され、酒井麻衣監督と劇中使用絵画を制作した絵画アーティストの朝霧レオが参加した。
NFT(ノン-ファンジブルトークン)とは、デジタルデータの所有や希少性、発行者を証明する技術で、最近ではさまざまなアーティストがNFTを発行しており、NFTの購入が応援の証と認知されつつある。本作では劇中で青磁(白岩瑠姫)が描いた絵画が「NFT」になった。
青磁が描いた絵画の方向性について酒井監督は「茜(久間田琳加)が絵画を見た瞬間にその心がほどけるような絵画にしたかった。レオさんの作家性にプラスして青磁としての絵を描いてほしかった」とこだわりを回想。朝霧も「監督からの要望は『綺麗さと荒々しさの両立』でした。撮影現場で絵を描きながらマチエールなどの部分を監督の指示を仰ぎながら最終調整しました」と絵画制作の舞台裏を振り返った。
酒井監督から「撮影現場では白岩さんと同い年ということもあって絵画の話題でワイワイし合っていた」と言われた朝霧は、白岩の絵画指導も担当。白岩のセンスについて朝霧は「彼は身体能力が高いので、絵が上手い人ならではの絵を描く仕草についてこちらの意図をパッと理解してくれる。やりやすくてさすがだと思いました」と脱帽していた。また映画初参加の朝霧は「自分の意図以外にほかの方の意見が重要という初めての作業を通して、新たな自分が見えたような気がした。『夜きみ』も含めて酒井監督作には綺麗な中に厳かさや上品さがある。そのセンスを僕の養分にできたのが良かった」と新たなインスピレーションを受けていた。
酒井監督も朝霧が絵を描く姿にインスピレーションを得たそうで「レオさんが楽しそうに生き生きと絵を描く姿に、絵画を描くロマンを教えてもらった。好きなことに対して一生懸命になる姿はカッコいいので、青磁が一生懸命に絵を描く姿を見て茜がときめくシーンを入れようと思った」と打ち明けた。
また青磁が晴天の屋上で絵を描くシーンについて酒井監督は「天候は制御が出来ないので『この日は晴れてほしい!』『いい夕焼け空になって!』と願っていました。寒さも大変でしたが、冬の空は綺麗なのでその時期に撮影できたのが良かった。原作にもあるように大事にしたのは透明感。白岩さんも久間田さんも透明感のある方だったので、そこをしっかりと映像化したかった」と手応え十分だった。
物語のキーアートともいえるフェンス越しの空の絵のデザインは朝霧のアイデアだそうで、酒井監督は「初めてこの絵を見た時に思わず自分の目も潤みました。これはいいシーンが撮れると確信して、久間田さんにはカメラを回すまで見せないようにしていました。フェンスが濡れているのはレオさんのアイデア。それは青磁と茜の心を表していると思った。殻を破りたいけれどその勇気がない。そんな2人の心境を言葉ではなく絵画で表してくれた」と絶賛していた。
最後は茜のように「アート」に救われた経験についてトーク。酒井監督は「私は映画に救われています。中学時代にファンタジーな物語を好きなのはダサいという風潮があって悩んだけれど、改めて実写のファンタジー映画を観た時に『好きなものは好きでいい』と再発見させてもらえた」としみじみ。朝霧は「手を動かして絵を描いているときに自分は救われていると思う。絵を描いているときはうつつ状態とういうかゾーンに入っているような気がする」とそれぞれ打ち明けた。
9月1日(金)より、『夜きみ』NFT第2弾の発売が決定。第二弾では、劇中にも登場した「深川青磁」のネームプレートとまだ何も描かれていないキャンバスが飾られたNFTを無償配布する。マスクが手放せず、本心を隠して生きる茜(久間田)と、自由奔放で絵を描くことを愛する銀髪のクラスメイト・青磁(白岩)。誰にも言えない痛みと過去を抱えたふたりは、いつしか惹かれ合い、言い出せなかった想いが溢れ出していく――。純度100%のエモーショナルで色鮮やかなラブ・ストーリーが誕生した。
今をときめく最旬のキャストと次世代の日本映画界を担う若い才能が贈る、純度100%のエモーショナルで色鮮やかなラブ・ストーリー、『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』は9月1日(金)全国ロードショー。
登壇者:酒井麻衣監督、朝霧レオ
MC:SYO
公開表記
配給:アスミック・エース
9月1日(金) 全国ロードショー
(オフィシャル素材提供)